市町村職員中央研修所(市町村アカデミー)の機関誌『アカデミア』の秋号が出ました。
いくつかの講義の概要を掲載しているほか、研修におけるレポートの優秀作の3作を掲載しています。研修生たちの力作です。講師による一方的な知識伝達だけでなく、市町村職員が現場でどのようなことに悩み、どのように解決しているかがわかります。
ネットでは、レポートは表題しか見ることができません。この機関誌は、市町村役場にはあります。関心ある方は、実物をご覧ください。
研修生たちの研修体験記も載っています。ご参考までに。
市町村職員中央研修所(市町村アカデミー)では、機関誌を年4回発行しています。研修所で行われた講義の概要なども載っています。『アカデミア令和5年夏号』(第146号7月20日発行)から、勉強になる講義を紹介します。
中村玲子・個人情報保護委員会委員の「改正個人情報保護法とマイナンバー法への地方公共団体における対応について」は、令和3年の法改正が令和5年4月から地方自治体にも適用されることになったことを説明しています。
津田広和・特定非営利活動法人PolicyGarage 代表理事の「ナッジを活用した政策形成」は、ナッジ(望ましい行動をそっと後押しする工夫)の普及を進めている活動の説明です。
今日12日は、市町村アカデミーで、「管理職の必須知識」の講義をしました。これは、去年作った研修です。「市町村アカデミー新しい企画」
私の分担は、この研修の意図を話すことです。
管理職に必要な知識は、大きく分けると3つだと思います。担当業務分野の専門知識、管理職の能力(事務と職員の管理)、そしてこの「必須知識」です。
そこには、情報通信技術とサイバーセキュリティ、コンプライアンス、不祥事が起きた際の広報対応、災害時の業務継続、仕事と生活の調和、セクハラやパワハラの防止、心の不調を抱える職員への対応などが含まれます。
いずれも、私が公務員になった頃は、重要視されなかった、あるいは問題にならなかった知識です。でも今は、知らないと「ケガ」をします。
この点は、意外と知られていません。多くの管理職論の書物には、書かれていないのです。
そして、このような知識は、どんどん新しくなります。性的多様性はその例でしょう。近年急速に、意識が改まりました。「一身にして二生を過ごす」
すると必要なのは、「これで知識を得た」ではなく、新しく生まれる必要知識を知るという「姿勢」です。
昼休みに、市町村アカデミーの近所を散歩します。この時期は、ヤマモモの実がたくさんなって、たくさん落ちています。真っ赤で、目立ちます。時間が経つと暗い赤になります。街路樹や公園にたくさん植えてあるので、いたるところで赤い実の絨毯ができています。
木によって、小さな実から大きな実までさまざまです。たくさん実がついている木と、少しの木、そしてまったくついていない木があります。ヤマモモは雌雄の別があるので、雄の木には実はなりません。
当たり年と、裏年があると聞いたことがあります。今年は、当たり年なのでしょう。
徳島県勤務時代に、先輩のTさんが、採った実をもってきてくださったことを思い出しました。それまで、ヤマモモを知らなかったのです。
市町村アカデミーの研修の一つ「政策の最先端」が、17日から19日まで実施されました。内容は、リーフレットや時間割をご覧ください。
この研修は、昨年度から始めました。本校の研修は、管理職研修のほかは、法令、地方税、福祉、産業振興など専門分野別が多いです。その点で、この研修はある主題を深く掘るのではなく、広く各種政策を学ぶというものです。
毎年、新しい課題が生まれ、新しい政策が試みられます。その動向を学んでもらおうという趣旨です。なので、講義の構成は、政府の動向とともに、自治体での動き、非営利団体の動きなどを組み合わせてあります。近年、公共政策立案は行政が独占するものではなくなりました。「図・公私二元論から官共業三元論へ(課題の認知)」
それぞれの政策については、報道や解説があるのですが、全体の動向をつかむという機会・媒体は意外とありません。この研修は、政策の百貨店として、広く薄く知識や動向を得てもらいます。
今年の内容も、研修生からは好評でした。来年も開設する予定です。ご関心ある自治体や職員の方は、申し込んでください。