朝日新聞6月27日オピニオン欄「あなたは生き残れるか」から。小宮一慶さん(経済コンサルタント)の発言。
・・私が就職した銀行も、競争が厳しい世界でした。スタートは一斉でも、少しずつ出世の階段を上る速度に差が生じてきます。その差に嫉妬し、何が何でも出世しようとする人も出てくる。
しかし、嫉妬深い人が出世を続けるのには、限界があります。猜疑心が強いため、周りの人の心が離れていくからです。生き残りのカギは、人生の指針になる価値観に支えられた「志」があるかにかかっています。それがあれば、嫉妬され、足を引っ張られても「くだらない」と平常心で乗り越えられます・・
・・志がない人は上司や取引先に見抜かれ、淘汰される可能性が高い。ただ、トップの座を争う局面では、志を持った者同士がぶつかりあう権力闘争に発展することが多い。ある上場企業では、新社長が就任直後に組織変更を断行。ライバルがいた所属部門を他部門に吸収させ、事実上の失脚に追い込みました。
権力を持てないと、志を実現する機会も失われます。水戸黄門も「天下の副将軍」でなければ悪代官に捕縛され、物語はそこで終わりでしょ。出世の階段で最後に待っているのは、権力の不条理劇であることをサラリーマンは忘れてはいけません・・
後の二人も、共通することをおっしゃっています。原文をお読みください。出世欲(権力欲)だけでは出世できず、正論だけでは出世できません。正義感に燃えている若者諸君、残念ですが、世の中はそうなっているのです。しかし、神様は見てくださっていると思います。
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生き様-仕事の仕方
職員慰労会
今日の放課後は、復興庁の国会班の慰労会(兼・岡本統括官を突き上げる会)に呼ばれました。6月22日で国会が閉会したので、打ち上げです。異動が決まった職員もいて、送別会もかねています。
国会班は、本庁と国会内の分室に別れて仕事をしています。国会議員に呼ばれて質問を取りに行ったり、資料を提出したり。出てきた質問を、各省と調整したり、復興庁内の各班に割り振ったりと、特殊技能が要求されます(私は、2年半、通常国会を3回経験した数少ない総務(国会担当)課長です)。
150日間の会期中、毎晩のように徹夜をして、国会答弁の準備をしてくれた職員たちです。本当に、頭が下がります。職員から、私が知らなかった「混乱」や「困ったこと」「苦労」を教えてもらいました。そして、「統括官のホームページに、今日の飲み会は書いてもらえますよね」「私たちのことを、誉めてください」と、率直な要求がありました(笑い)。
ご苦労をかけました、紺野君、岡田君、佐貝君。苦労をかけています、小座間君、坂本君、橋本君。これで全員ではないのですが、要求のあった職員だけ名前を出します。名前を出さなかった職員も、ありがとう。
ところで、今国会では、ついに「岡本統括官作成答弁」がありませんでした。これまで復興庁では、誰も担当参事官がいないような問が出たり、たくさんの参事官にまたがって主たる作成者がいない問が、しばしば出ました。私は答弁案を書くのが好きなのと、早くできないと最終確認する私が寝る時間が遅くなるので、ついつい答弁案を書いてしまいます。私が書かなくてすむようになったのは、組織と仕事が固まってきたことと、自ら書いてくれる参事官が増えたということです。少し残念ですが、これもうれしいことです。
メンタルヘルスを悪化させる職場、それがもたらす業績の低下
6月13日の日経新聞経済教室「従業員のメンタルヘルス。企業業績に影響大」が参考になります。この研究によると、求職者が増えると、企業の利益率は顕著に低下します。研究では、400社のデータをもとに、2004年から2007年にかけてメンタルヘルスの不調により連続1か月以上の長期休職をしている正社員の比率が上昇した企業群と、それ以外の企業群とを比較しています。すると、影響はすぐには出ないのですが、数年後に利益率が目立って落ちるのです。
メンタルヘルスによる休職者は全体の1%未満なのに、なぜ企業全体の業績を悪化させるか。一つの解釈は、休職者本人だけでなく、そのような職員が職場にいることで、他の職員の働きぶりにも悪影響を及ぼしているということです。
では、どのような要因が、従業員のメンタルヘルスを悪化させるか。この研究によると、労働時間特にサービス残業が長いこと、仕事の裁量が少なく、担当する業務の内容が明確でないこと、早く退社しにくい職場風土があることなどです(この点は、私も注意しなければなりません)。
詳しくは「企業における従業員のメンタルヘルスの状況と企業業績」(2014年4月、経済産業研究所)をご覧ください。
潜水艦でのリーダーシップ、上官の命令が絶対の組織で部下のやる気をどう引き出すか
L・デビット・マルケ著『米海軍で屈指の潜水艦艦長による「最強組織」の作り方』(2014年、東洋経済新報社)が、興味深かったです。
軍隊とは、上司の命令に部下が従う、トップダウン方式の典型例でしょう。アメリカ海軍も、当然そのような命令系統になっています。
著者が艦長を務める原子力潜水艦は、全長100メートル、乗組員135人、いったん出航したら半年間は戻ってこない、しかもそのほとんどは水中での隠密行動です。原子力機関、ミサイルや魚雷の扱いは、間違いが許されない高度な操作です。艦長の命令は絶対です。
しかし、上司の命令が全て、多くのことはマニュアルに書かれている、部下はそれに従うだけでは、士気は上がりません。著者は、部下に委ねるリーダーシップを取り入れようとします。しかし、前任の潜水艦で、一度挫折を経験します。そして、新たに乗船を命じられた潜水艦サンタフェは、乗員の質は悪く、関係者の間で有名な艦です。
彼が、どのようにして、部下にやる気を出させ、委ねるリーダーシップを成功させるか。そして、サンタフェは、平均以上の点数をとるほどに変わるだけでなく、最高点をとるまでに変わります。ご関心ある方は、お読みください。
情報セキュリティ対策、インターネットのマナー
先日、職場で、情報セキュリティ研修を実施しました。不用意に悪質なメールを開いたりすると、不正なプログラムに感染して、大変なことになります。政府機関を狙った攻撃もあります。また、部内限りの情報を漏らしたり、個人情報を漏らすことも、起きないようにしなければなりません。ソーシャルメディアの使い方も、研修内容に入れてあります。
これまでの事故の事例を見ていると、便利になったが故に危険も増し、被害も一気に広がります。自動車を運転する際には、教習を受け免許が必要です。それと同じくらいの研修は必要でしょう。
全職員が受講できるように、何度かに分けて研修をしました。幹部は全員が受講しました。ごくわずかな職員が日程が調整できず、受講できていません。毎年、職員に偽メールを送って、訓練もしています。これに引っかかる職員もいます。
担当者と、どうするか、議論しました。職員が軽率に事故を起こしたら、統括官の私が、「管理不行き届き」になるのだそうです。それで、もう一度、補充の研修をして、それでも受講しない職員に対しては「パソコンの使用を停止するくらいのことも考えなければ」という意見もありました。
岡嶋裕史著『ネット炎上 職場の防火対策』(2014年、日本経済新聞出版社、日経プレミアシリーズ)が、勉強になります。インターネット上の失言や悪ふざけが、大きな被害をもたらします。昨年ニュースになった例では、アルバイト先の飲食店で悪ふざけをしてツイッターに写真を投稿したら、「炎上」してしまい、お店が閉店に追い込まれたとか。昔も若者が悪ふざけをして、近所の人に叱られていました。ところがインターネット上では、「ご近所デビュー」でなく、直ちに「世界デビュー」になると書かれています。
この本を読むと、ツイッターなど怖くてできませんね。子どもであっても多くの者が、スマホなどインターネットを使う時代です。インターネットの使い方、行儀作法、怖さを、きちんと教える必要があります。交通安全ルールと同じです。
私も実名で、このホームページを書いています。知人からは、「よくそんな危ないことをしているな」と、忠告を受けます。ツイッターのように「即座に条件反射で書く」ことは、しないようにしています。記述には気をつけていますが(これでも)、深夜に書いた文章を、翌朝削除することは、時々あります。酔っ払って書くと、危険です。