「人生の達人」カテゴリーアーカイブ

管理と経営の違い、運営と統治の責任の違い

必ずしも明確に定義された言葉ではないのですが、管理(運営)と経営(統治)の違いを、説明しましょう。
管理(運営)は、与えられた権限や責任を果たすことです。他方、経営(統治)は、自らに委ねられた範囲の問題に責任を持つことです。
前者は、会社や行政組織の部長や課長を想像してください。与えられた部や課に責任を持ちますが、それは与えられた権限の範囲内です。すなわち、「それは私の担当ではありません」「私の責任ではありません」と言うことができます。
後者は、社長や市町村長、さらには首相を想定してください。社長は会社の生き残りをかけて、あらゆることを考えなければなりません。市長も、市内で起きた問題のすべてに、対応を求められます。もちろん総理もです。「それは私の権限ではありません」「私の責任ではありません」と言えないのです。担当者がいなければ、担当者を任命しなければなりません。また、問題が生じた場合に、「担当者に任せてあります」という台詞も、許されない場合があります。

社長、市長、総理の職責は、部課長とは違うのです。部長や課長の責任は、与えられた権限の範囲内です。それを越えると、越権です。一方、社長、市長、総理は、その組織と地域に無限の責任を持っています。規則や法令が不足するなら、それを作らなければなりません。社長や市長、総理は、「規則に則って処理しました」では不十分な場合があるのです。
前例と規則に則って仕事をするのは、部下の勤め。必要な場合には前例にないことをすること、規則がない時にはそれを作ることが、トップの責任です。それが経営であり、統治です。

異業種交流・新聞記者

今日は放課後に、新聞記者さんと懇談。日本を代表する新聞の政治部記者さんたちなので、彼らの仕事が終わるのを待って、やや遅い時間から開始。自治省時代からの長い付き合いで、いろいろと遠慮のない話で盛り上がります。お酒が飲めない人もいて、結構まじめな話になります。
日本の政治と行政の問題は何か、これからどこを変えるべきか、などなど。異業種交流は、勉強になります。ありがたいことです。

年間スケジュールの確認

自治大学校では、今日、幹部会議で、年度後半の業務計画を確認しました。毎週月曜日に定例会を開いて、その週と次の週の、仕事の打ち合わせをしています。今日は、10月になったので、これから半年間にしなければならない事項を、みんなで打ち合わせたのです。皆さんの職場でも、しておられることと思います。
「明るい係長講座」にも載せたように、各部課ごとに案件をカレンダーに落として、一覧表にしてもらったのです。一覧表にすると、良くわかります。各部課長は、それぞれ担当の仕事は把握しているのですが、私はこのように一覧表にしてもらわないと、イメージがわかないのです。「そういえば、こんな仕事もあったなあ」とか「これも片付けなければいけない」と、忘れていた案件も、おもてに出てきます。
この表ができれば、管理者としての仕事の半分はできたと同じです。あとは、案件の締め切り時期の少し前に、「どこまで進んだの?」と、聞けばよいのですから。

業務の進行管理

今日、消防大学校では、定例の月曜日打ち合わせ(今週は、昨日が休みだったので、火曜日打ち合わせになりました)。毎週、この場で、庶務課と教官とで、今週と翌週の仕事の打ち合わせをします。どこの職場でも、やっておられると思います。
その後で、幹部による、「業務進捗状況確認」をしました。年度初めに、「年間業務予定」を作ってもらいました。大きな課題を取り上げ、何月までに何をするかの表です(この表については、拙著『明るい係長講座』中級編p10をご覧ください)。その他、年間予定表に載らない「中期課題」も書き出してもらいました。その中間検査=進捗状況確認です。もちろん、日々、それぞれの課題の報告は受けています。しかし、一度中締めが必要です。そもそも、うまく進んでいない項目は、日々の報告では上がってきませんから。
3か月ごと=四半期ごとに確認するのが通常でしょうが、我が大学校では、7月末が一つの区切りなのです。課題はほぼすべて、順調に進んでいました。だから、ここに書けるのですがね。職員の皆さん、ありがとうございます。
もっとも、私の関心は、予定通りに進んでいない項目、新たに生じた課題です。順調に進んでいる項目は、課長や担当に任せておけばいいのです。うまくいっていない項目を把握し、対策を考えること。これが管理職の仕事です。そして、次の課題を考えること。これは職員の仕事を増やすので、喜ばれませんねえ(笑い)。

スーツの胸ポケットにペンは差さない

昨日に引き続き、電車内の観察を取り上げます。今日は、男性の服装です。スーツを着た人が、胸のポケットにペンを差しているのは、気になりますね。
私は若い時に、「胸のポケットには、チーフ(ハンカチ)しか、入れてはいけない」と教えられました。当時、ボールペンやらラインマーカーなどをたくさん差していたので、「えー。では、ボールペンはどうするのですか?」と聞いたら、「内ポケットに入れるのだ。そのための細いポケットも、ついているだろう」と教えてもらいました。ワイシャツの胸ポケットに入れるのも、みっともないですね。昔は、しばしばラインマーカーで(キャップが外れ)、シャツを黄色に染めました(笑い)。
技術系の人が、ブルーの作業着の胸ポケットにペンを差していても、おかしくありません。スーツの胸ポケットにペンを差すのが、変なのです。