カテゴリーアーカイブ:人生の達人

「世界一孤独な日本のオジサン」

2020年1月20日   岡本全勝

岡本純子著『世界一孤独な日本のオジサン』(2018年、角川新書)を読みました。面白かったです。データと実態とで、日本のオジサンの孤独をあぶり出します。それを、軽妙な語り口で伝えます。頷くことが多いです。笑いながらです。

オバサンは友達が多いのに、オジサンは少ないこと。新しい友人を作ることができないこと。会社人間が退職すると、行くところやすることがないこと。名刺がないと、生きていけないことなどなど。ふだん言われていることが、列挙されています。

「男は黙って・・」とか、以心伝心、察してくれよなどが、コミュニケーションベタをつくっているようです。おしゃべりができないこと、そして、褒めることが少ないことも。
オジサンは、他人を褒めないのに、自分のことは褒めて欲しいのです。でも、他人を褒めずに、誰があんたを褒めるんや。

関西人の方がまだましだ、との指摘もあります。私も思い当たります。外で「うちのキョーコさんは美人です」と言うと、多くの人があっけにとられ、笑います。
皆さん、自分の妻や夫を褒めないようです。外の人に向かっても、本人に向かっても。本心からであっても、ヨイショであっても、相手が喜ぶことなら良いことですよね。しかも、プレゼントよりずっと安いのですから。
口は、仕事では、お願いとお詫びをするためにあり、部下と連れ合いには、褒めるためにあります。

笑いが少ないことや、笑い方を知らないことも、指摘されています。写真を撮られても、すまし顔や口を締めて、きりっとした姿で写ります。
この本で指摘されているように、外国の経営者はニコニコして写真に写っていますよね。日本でニコニコしているのは、落語家と政治家のポスターでしょうか。

イギリスなどでも、オジサンの孤独は課題と認識され、民間での取り組みが進んでいることや、担当大臣が置かれたことなども紹介されています。
社会の問題としてだけでなく、あなたの問題として読んでください。処方箋もついていますから、実践してください。

人を傷つける天才

2020年1月19日   岡本全勝

日経新聞私の履歴書、今月は、鈴木茂晴・大和証券会長です。株の営業一筋から、突然、社長秘書に移動します。そこで、いろんなことを勉強されます。
16日の文章から。

・・・部下の説教でも、ちょっとした配慮があれば全然違う。私が知る支店長の中に、人の心を傷つけるボキャブラリーが天才的に豊富な人がいた。この人に怒られると、自分の存在価値がゼロのような気分になり、働く気がうせた。
一方で、ミスをしたとき「君のような優秀なやつが、どうして……」などと言われると、素直に反省し、挽回するぞと思ったものだ。

部下からみて、仕えたい上司とはどんな人か。私が思う優れた上司とは、ずばり決断できる人だ。どんなに厳しい人でも決断してくれる上司はいい上司だ。一方でやさしく人柄もいいのだが、決めてくれない上司には仕えたくない・・・

先人の経験談

2020年1月18日   岡本全勝

私は、ある人の経験談を読むのが好きです。日経新聞の「私の履歴書」も、その一つです。
英雄の伝記も悪くはないのですが、私たちの生活とはかけ離れています。その点、新聞に取り上げられる、いまを生きている、あるいは最近まで活躍された経済人などの話は、身近なのです。
特に、さまざまな危機や失敗を切り抜けてきた人たちの経験が、勉強になります。日経新聞の読者は、最後のページ(私の履歴書のページ)から読むという人も多いようです。

私の若いときは、太平洋戦争とその後の混乱を、生き抜いてきた人たちが多かったです。私の知らない世界がありました。その後は、社会も安定し、そこまで過酷な人生は少なくなりました。
とはいえ、会社勤めをしていると、本人の思ったようには、順風満帆な人生ばかりではありません。

「本社でエリートコースを歩いてきました」という社長さんの話は、面白くありません。「いくつも失敗したけど、そこで学んで出世しました」という話が、役に立ちます。
例えば、1月12日の日経新聞日曜版のインタビュー、ビームスの設楽洋社長の話。社長になり順調だった1998年、バイクレースでチームスポンサーになって優勝します。翌日の取締役会で、幹部全員から辞表を出されます。まさに「天国から地獄」だった・・・そして、その危機を乗り越えます。

私たちが失敗したとき、失意の時に、「あの人もこんな苦労をして、学習して、出世されたのだ」と。社会人にとっての、人生の応援歌です。
もっとも、本人の回顧談は、都合の悪いことは書かないでしょうし、周りの人たちがどう見ていたかも、書かれていません。それは、無い物ねだりでしょう。

男と女は誤解して愛し合い、理解して別れる

2019年12月25日   岡本全勝

12月19日の日経新聞に、ウイスキー「タリスカー」の全面広告が入っていました。「島地勝彦が語りかける、バーカウンターの嗜み」です。

その中に、「島地勝彦の格言vol.1」「男と女は誤解して愛し合い、理解して別れる」というコラムが載っています。ネタをばらしてはいけないと思いつつ、読む人は多くないと考えて、一部を紹介します。できれば、原文を読んで、楽しんでください。

バーに入ってきた男性客が、「将来を考えていた女性と別れた」と話します。
彼女とは、料理教室で出会った。趣味も味覚の嗜好も似ていたので、これが運命の人だと恋に落ちた。しかし、付き合うようになってからは、彼女は一切、手料理を作ってくれない。
「美食には興味はあるが、調理には興味がなく、自分では食事を作らなくてもすむように、料理男子を探していた」のだそうです。
島地さん」「島地さん、タリスカー

補足
この話の背景には、「夫婦では、女性が料理を作るもの」という、過去の「常識」があるようです。この話を、男女を入れ替えてみると、意味が違ってきますよね。(12月26日)

生活のリズム

2019年12月23日   岡本全勝

今月も、もう23日です。いつの間にか、22日も過ぎてしまいました。「今月は何をしたのか」と悩んでしまいます。毎日いろいろと忙しいのですが、振りかえると、これと言ったこともしていないのに。時間だけは、過ぎていきます。そして、もう1週間で、今年も終わります。さて、今年は何をしたか。

かつて、休日もなく忙しかったときに、「リズムに欠ける、節目の少ない仕事の仕方をしているから、時間が経つことを忘れる」といった趣旨のことを書きました。
最近は、その頃に比べれば、それほど忙しくはありません。毎週、福島と東京を行き来し、その中で毎日リズムのある生活をしているのに、時間が早く経ってしまいます。

そのときも書きましたが、1週間、1か月という単位で、「何をしたか」を振りかえらないと、充実した時間を感じることはできないのでしょう。
学生時代は簡単でした。勉強が進むことが、自分でも分かりましたから。公務員になると、期首と期末の自己申告と上司との面接で、その期間に何をしたかが明らかになります。

管理職にも自己申告はあるのですが、何をするか何をしたかは、より自分で考える必要があります。「何をしたか」を評価するには、事前に「何をするか」を決めておく必要があります。
そして、事前に書き出した来週の予定、今月の予定、今年の課題を達成して、「よっしゃー」というかけ声とともに、書いてある項目を赤鉛筆で消していくのです。『明るい公務員講座』p40以下、『明るい公務員講座 仕事の達人編』p20

充実した生活を送るには、リズムとともに、節目節目の成果とその確認が必要ですね。