今日の帰りの地下鉄の中です。若い男女が、話しています。
女性:今日、××さんに叱られた。注意を受けて、うなずいていたら、「違うだろう、ハイと言え」と。
男性:そうだよね。でも、ハイ、ハイばかり返していると、馬鹿にしているように、とられるかもしれないしね・・
全勝流の受け答えを、教えてあげたかったのですが、駅について、降りてしまいました。かつて書いたことがありますが、私は、若い補佐の時に、部下に指示を出した場合に、次のように付け加えていました。「私は民主的である。よって、返事に選択肢はある。しかし忙しいので、次の2つから選べ。一つは、ハイだ。もう一つは、わかりましただ」と。これは、当時の職場ではかなり流行ったセリフです。最近は、やめました。
ところが、上には上がいて、最近では、後輩たちは選択肢を3つにしているそうです。「ハイ」と、「わかりました」と、「喜んで」だそうです(苦笑)。
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生き様-明るい課長講座
苦情電話の対応
12月8日の朝日新聞夕刊「凄腕つとめにん」は、コールセンターのオペレーターの指導役である、椎葉由美子さんでした。この連載では、普通の職場で、びっくりするような仕事のプロを取り上げるので、楽しみにしています。
・・通話中のオペレーターが手を挙げたら、手助けを求めているサイン。自分の出番だ。
隣に立ち、ほかの電話機で会話内容を聞きながら、電子ノートで指示を出す。厳しい叱責に困っているオペレーターには、〈冷静に。まずお客様の話を聞いて〉と書いたノートを差し出す。無理難題を言われている人には〈「承れません」とはっきり断って〉。時には〈OK〉と対応をほめ、オペレーターをはげます。
それでも解決しなければ、責任者として電話を代わる。相づちに気持ちをこめ、ゆっくり話を聞く。何歳くらいの方かな。奥からご家族の声が聞こえる。お客様の顔を思い描くと、親身に話を聞くことができる。必要があれば丁寧に謝る。声の調子を低くし、対面以上に心が伝わるように深々と頭を下げる。15分で終わることもあるが、2~3時間かか ることもある。
苦情のほか、部下たちでは答えられない質問があった場合も、電話を代わる。対応が難しい電話ばかりを、年に1,800本ほど受けもつ・・
まずは、原文をお読みください。絶対に勉強になります。私も若い時から、苦情電話や怒鳴り込んでくる人のお相手をしました。また県庁の総務部長の時は、秘書が私の代わりに、苦情電話の対応で苦労していました。この文章をお読みの方も、多かれ少なかれ経験があるでしょう。そして、対面より、電話の方が応対は難しいです。経験から得た私の教訓は、次の通り。
1 逃げたら、あかん。
2 相手の話を聞く。言いたいことを言わせる。
3 話には相づちを打つ。一々反論はしない。できることは精一杯やる。
4 でも、できないことは、キッパリと断る。
セクハラ防止週間
公務員倫理
12月1日から、国家公務員倫理週間が始まりました。昔も12月と1月は飲み会が多いので、規律保持の通達が出ました。さらに、20年ほど前から、公務員の不祥事が続いて、公務員倫理法が制定されました。職員用教材には、当時の事例がいくつか紹介されています。若い人たちは、具体事例を知らないでしょうね。
復興庁でも、全職員に、自己点検とe-ラーニングを義務づけています。私も取り組みました。判断に迷ったら、厳しい方を選択することです。そして、疑問があったら、担当職員に聞くことが一番安全です。少しの気の緩みで、給料や退職金が飛んでしまうのは、ばからしいです。
部下育ては、ほめること
朝日新聞11月26日の生活欄に、「ほめて叱って、職場円満。管理職向け研修盛況。語彙力アップ、短所は長所に変換」が載っていました。上手な「ほめ方」「叱り方」を、管理職に教えてくれる企業向けの研修が盛況で、「ほめる達人(ほめ達)」の検定試験もあるのだそうです。
・・講師は、社団法人「日本ほめる達人協会」の西村貴好理事長(46)だ。「ほめるとは、人の価値を発見して伝えること。価値は相手に伝えないと、存在していないのと一緒です」。
3時間の研修ではいくつかの課題をこなし、ほめ上手になるヒントを学ぶ。例えば、「すごい」「さすがだね」などのほめ言葉をできるだけ多く書き出してみる。ほめ言葉の語彙力をつけるためだ。また、部下の短所を長所に言い換えてみる。「決断力がない」といった短所は、「周囲の意見を聞ける」という長所ととらえることが肝心だ・・
部下を叱る場合については。
・・「怒る感情がコントロールできないと、人生で決定的な損をする」。講師の社団法人「日本アンガーマネジメント協会」の安藤俊介代表理事(42)が、約50人の参加者に語りかけた。安藤さんによると、イライラした瞬間に、怒りの感情をむやみに爆発させない工夫が大切だ。頭の中で6秒数えて待ってみたり、自分がどのくらい怒っているか、点数をつけてみたりする。冷静になる時間をつくれば、怒りすぎてしまう回数は減るという・・
上司たるもの、あるいは将来上司になる人は、必読ですよ。拙著『明るい係長講座』には、経験談に基づく実践例が書いてあります。これもお薦めです(笑い)。