カテゴリー別アーカイブ: 仕事の仕方

生き様-仕事の仕方

明るい課長講座、先達に学ぶ・異業種の話を聞く

NHKテレビ知楽遊学「仕事学のすすめ」4月は、丹羽宇一郎伊藤忠相談役の「人間力養成術」です。毎週木曜日(4月1日開始)夜10時25分からです。テキストが発売されています。
丹羽さんには、経済財政諮問会議の時に、ご指導を頂きました。違う世界の方に接することは、勉強になります。私たちの知らないことを、教えていただけます。そして、大きな仕事をされた方は、それだけの魅力をお持ちです。
それとともに、「異業種」の方には、同業者(公務員や政治家)に話すように話すと、話が通じないのです。単語が違う、発想法が違う、私たちの常識は世間の常識でない。これには苦労します。いかに、私たちが狭い世界で仕事をしているかが、わかります。
ご説明した際に、丹羽会長から鋭い御指摘を受け、立ち往生したこともあります。本社ビルでは、話しが終わると、会議室からエレベーターまで、常に送ってくださいました。恐縮していると、「これが当たり前だ」と諭されました。以来、私も、お客さんはエレベータまで、あるいは玄関までお送りするようにしています。違った世界の人と話すことは、仕事をしながら、勉強をさせてもらうことです。ありがたいことです。

部下の指導・歳を取ったら

私は若いとき、先輩たちを見て、「歳をとったら、人間は円くなるものだなあ」と思っていました。私が55歳になって、「全勝も、昔の全勝ではなくなった。部下をしかることもなくなったなあ・・。これが歳をとることか」と、感慨にふけっておりました。もっとも、周りの人からは、「それでも怖い」と、思われているのでしょうが。
ところが、同僚や後輩と話をすると、そうでもないらしいのです。自ら「私は、怒りやすくなりました。更年期障害でしょうか」とおっしゃいます。最近でも、3人いました。3人とも、とても優秀な公務員(中央省庁と地方自治体)で、出世しています。
歳をとって、こらえ性がなくなる人は、まじめな人だと思います。若さ(良い意味で)を、失わない人だと思います。丸くなる人は、あきらめが早くなり、体力気力が衰える「老人」なのでしょう(反省)。

ほめてやったら、喜んで終わり?

先日、消防庁の広報誌「消防の動き」に、職員教育について小さな文章を書きました。そこで、山本五十六元帥の名言「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ」を引用しました。すると、それを読んだ知人から、次のような便りが来ました。
・・この言葉を、私も意識して職場で活用していますが、最近悩んでいるのは、「ほめてやったら喜んで終わり」、の若者への対処方法です。フィードバックして、次に生かす意識を育てることが出来ません。何かよい方法はないものでしょうか?・・
うーん、難しいですね。動物の親は、子どもにえさの取り方を教える場合に、簡単な事例から少しずつ難しい事例に、難度を上げていくことがあると、聞いたことがあります。手間暇をかけるしか、ないのですかね。

他流試合の勧め

私は、若い人たちに、「他流試合」の勧めを、説いています。
同じ職場や同じ業界、気心の知れた人と話すのは、それはそれで勉強になります。しかし、違う仕事や違う立場の人と話すことは、もっと勉強になります。私たちの知らないことを、学ぶことができるからです。また、当方の話をして、理解してもらえない場合も、なぜ通じないかが、勉強になるのです。
話が通じないのは、多くの場合、私たちの話が独りよがりであったり、業界用語であるからです。ノーベル賞ものの研究でも、周りの人に理解してもらえないと、評価はされません。まして、私たちの仕事は、住民や国民が相手です。「誰もわかってくれない」では、困るのです。
マスコミの人たちとも、同様です。「記者さんは、わかってくれない」というのは、記者の側に原因があっても、良い結果を生みません。勉強に来ている記者さんにすら説明できないようでは、住民にはわかってもらえないですよね。
もちろん、身内の人と話すのは楽で、特に話を聞いてくれる人はありがたいです。飲んでいると、楽しいです。自分が大将になった気分でも、あるいはお互いに傷をなめ合っている場合でも。しかし、進歩は少ないです。それに引き替え、他流試合の場合は、緊張し、苦労します。それが、役に立つのです。
若者諸君、身内と飲んでいるくらいなら、他流試合に出かけましょう。