カテゴリーアーカイブ:行政

進む中央省庁の男性育休

2023年10月5日   岡本全勝

10月2日の朝日新聞夕刊に「公取委だけクリア 公務員男性育休「25年に85%」、中央省庁は」が載っていました。

・・・2025年までに公務員の男性育児休業取得率を85%に――。「異次元の少子化対策」を掲げる岸田文雄政権が打ち出した目標だが、その数字をすでにクリアしている中央省庁が一つだけある。「競争の番人」こと公正取引委員会だ。
内閣人事局が昨年12月に公表した統計によると、21年度の公取委の男性育休取得率は87・5%。計25の中央省庁の平均34・0%を大きく上回る高い数字だ。
「(育休を)取って当然という空気があることは大前提」。公取委企業取引課の岩宮啓太総括補佐(35)はこう語る。21年2月に次男が誕生。翌月から約1カ月半にわたって育休を取得した・・・

省庁別の男性職員育児休業取得率も、表になって載っています。
関係者から「宣伝せよ」との指示が来たので、紹介します。

新型コロナ対策、国と地方の連携経験の記録

2023年10月4日   岡本全勝

大村慎一・前総務省新型コロナ対策等地方連携総括官兼地域力創造審議官の執筆による「新型コロナウイルス感染症対策に関する地方連携推進の取組」が、月刊『地方自治』10月号に載りました。
大村君は肩書きにあるように、新型コロナウイルス感染対策で、初期に国と地方の連携がうまくいかず混乱した際に、自治体との連携を強化して混乱を乗り切った責任者です。その功績は大きいです。私はコメントライナー8月10日号「マイナカード問題と組織管理」でそれを述べました。

当初、国からは次々と連絡が発せられたのですが、受ける側の自治体は混乱しました。他方で、現場での課題が政府本部に伝わらず、その面でも混乱しました。
患者の隔離と受け入れ、治療などは、厚生労働省と医師会の世界ですが、住民や患者との関係で第一線に立つのは自治体です。その点では、東日本大震災での被災者支援と同じ構図になります。
現場での課題を吸い上げ、整理し、政府本部・関係部局で対応策を検討し、自治体に打ち返します。また、政府が決めたこと、今後の見通しを、現場に伝える必要があります。通達や通知を送りつけるだけでは、仕事は進みません。現場の状況を想像しつつ、指示を出す必要があります。

新型コロナ対策での政府の危機管理については、本部とその事務局がどのように運用されたか、いくつも記録と検証をする視点があります「新型コロナ対策の検証、行政の課題」。携わった官僚が書いてくれることを期待しているのですが。まず、大きな問題だった自治体との連携を、大村君が書いてくれました。
47ページの力作です。参考になります。関心ある方は、ご一読ください。

学童保育が足りない

2023年10月2日   岡本全勝

9月15日の読売新聞に「学童保育が足りない」が載っていました。学童保育の必要性と不足していることは、このホームページで何度か取り上げました。この記事では、その原因にも踏み込んでいます。

・・・こども家庭庁によると、全国の待機児童は今年5月時点で、1万6825人。2019年に過去最多の1万8261人になった後、コロナ禍での預け控えで減少していたが、行動制限が緩和された昨年から、再び増加に転じている・・・

・・・こども家庭庁は待機児童の解消策として、学校内での学童保育の整備を柱に据える。空き教室を使うことで費用を抑えられるうえ、放課後に児童が移動する必要がなく安全で、保護者からの人気も高いためだ。

だが、新設の学童保育の8割を学校内に設けるという目標に対し、5割にとどまっている。その要因の一つが、「縦割り行政」。学校は文部科学省の所管で、市区町村の教育委員会も独立性が高く、学童保育を推進したい担当部局との連携がうまくいっていない。
このため、空き教室の確保が進んでおらず、こども家庭庁は7月に文科省と協議を開始。8月末には合同で、全国の教育委員会などに対し、学校内での整備の促進を求めた・・・

NHK時論公論に取り上げられました

2023年9月27日   岡本全勝

9月26日深夜の「時論公論」「どうなる「キャリア官僚」 国家公務員は確保できるか」。10分番組の8分頃に、私の顔と意見が出ています。
成澤良・解説委員の「国家公務員の志望者が減少傾向にあり、人事院は、国家公務員の人事管理の抜本的な見直しに向けて有識者会議を立ち上げました。現状や課題を解説します。」

再放送は、27日14:35からです。NHKの見逃し配信でも見ることができます。ウエッブでも概要を見ることができます。

取材ではいろいろ説明したのですが、「行き過ぎた官邸主導が官僚のやりがいを失わせた」の部分だけが取り上げられました。
私は官邸主導は良いことだと考えています。しかし現状では、総理が扱う政策、大臣が扱う政策、官僚が扱う政策の分類がうまくいっておらず、「なんでも官邸に集約する」ことが、指示待ち人間を生んでいると考えています。

新型コロナ対策の検証、行政の課題

2023年9月25日   岡本全勝

新型コロナ対策の検証、市民の行動変容」の続きです。この記事は、日経新聞が行うコロナ対策の検証特集に載っています。新型コロナウイルス感染症拡大は、大きな事件・事態であり、検証は多角的に行う必要があるでしょう。各分野における精密な検証とともに、全体を見た簡潔な検証も有意義です。多くの人は、前者は読まず、後者なら読むでしょう。

私は行政に携わった者として、新型コロナ対策の一連の政府の対応のうち、まずは次の3つを総括すべきと思っていました。
1 政府本部の危機管理運用(被害者救済、被害拡大防止)
2 政府と自治体との共同・役割分担
3 政府から国民への働きかけ

もう一つ上げると、
4 治療に当たる医療機関との関係です

いろいろな検証が必要ですが、行政組織の運用を考える際には、まずはこの3つを検証する必要があります。
誰が、どのように行うかです。まずは、現実がどのようになっていたかの証言です。2と3は部外からも見えますが、1は関係者しか分かりません。全体を話すことができる人はいるのでしょうか。実は、ここに今回の行政の問題があると思います。

紙面の隣に載っている「体制不備」の中で、仕組みを作っても動かない恐れが指摘されていますが、これも大きな問題です。
自治体は、新型インフルエンザの行動計画を作っていたのです。しかし、あまり役に立たなかったようです。災害対策も、計画だけでは現実に起きたときには、なかなかうまく動かないのです。大部の計画書より、実働の訓練の方が効果があります。
しかも、実際の災害では、いろいろ条件を設定した訓練では見えなかった問題が出てきます。大きな災害は困りますが、小さな災害が起きると訓練になります。