カテゴリーアーカイブ:行政

国会事故調査委員会のその後

2024年9月27日   岡本全勝

9月10日の朝日新聞オピニオン欄に、東京電力福島第一原発事故に関する国会事故調調査統括を務めた宇田左近さんへのインタビュー「原発事故後、変わらぬ日本」が載っていました。

東京電力福島第一原発事故で時限設置された国会事故調査委員会のメンバーが今夏、「同窓会」を開いた。日本社会に突きつけた課題が、干支が一巡してもほとんど改善していないことを憂えた集いの名は「変わらぬ日本と変わる私たち」。調査実務を統括した宇田左近さんに、問題の所在と解決の糸口を聞いた。

――2011年の原発事故を受け、政府・国会・民間・東電と、いくつもの事故調査委員会ができました。その中で国会事故調は、どんな存在でしたか。
「当事者からの独立性は、政府と東電の事故調は弱く、国会と民間の事故調は強かったといえます。一方で調査権限は、民間と東電は弱く、政府と国会の事故調は強く広範だった。つまり、独立性と調査権限を兼ね備えていたのが国会事故調でした。だからこそ、その結論は海外からも信頼されました」
「委員10人は各党推薦で、私を含め調査実務を担った約80人は全員民間からの参加でした。政治家や政府関係者による接触も制限し、独立性を担保。調査権限では、いざとなれば国会に国政調査を要請できることが効き、広く協力が得られました」
「省庁の審議会と違い、結論ありきではありません。調査結果に基づき、委員全員が全体に責任を持つ形で報告書をまとめました。その結果、歴代の規制当局と東電の間で、津波や地震、過酷事故などの対策を見直す機会が何度もあったにもかかわらず、してこなかったことから『人災』だったと結論づけたわけです。また、いつしか規制当局が圧倒的に情報量が多い電力事業者の言いなりになってしまっていたことを『規制の虜』という言葉で指摘しました」

――その後への提言もありましたね。
「提言は(1)規制当局に対する国会の監視(2)政府の危機管理体制の見直し(3)被災住民に対する政府の対応(4)電気事業者の監視(5)新しい規制組織の要件(6)原子力法規制の見直し(7)独立調査委員会の活用――の七つでした。国会事故調は、実質半年で報告をまとめることが法律で定められており、12年7月に報告書を両院議長に提出すると翌日には解散しました。以降のボールは国会にあると考えています」

――提言の実施状況を、どう見ていますか。原子力規制委員会という独立性の高い規制組織は整備されたものの、事故や原子力のあり方について国会に検証や監視・議論を続けていくことを求めた提言は、ほとんど実現していないようにみえます。
「提言(1)に沿い、衆院原子力問題調査特別委員会が13年に設置されましたが、実質的な議論の機会は限定的に思えます。何を実施したのか、しないのならばその理由などを、国民に明らかにすべきです。関係者の証言記録を含め、集めた膨大な調査資料は、今も非公開のまま国会図書館に眠ったままです。提言の背景や趣旨について国民の理解を深めてもらうためにも、扱いを早急に判断すべきです」
「米国では、スリーマイル島の原発事故の際に民間人を活用した独立調査委員会が報告書をまとめ、規制当局と原子力事業者の関係見直しにつなげています。英国は、狂牛病やイラク戦争などの重大事には独立委員会で政府対応を検証し、批判も含めて報告書にしています。日本の国会も、政府が言ったことだけを議論するのではなく、自分たちで対案を出して議論していくということが大いにあっていい。そうでないと、世界の信頼はなかなか得られません」

地方公務員の離職防止対策

2024年9月24日   岡本全勝

9月7日の日経新聞に「地方公務員の離職防げ 福岡県、若手が「働きやすさ」提案」が載っていました。

・・・全国の都道府県が職員の離職抑制に力を入れている。2022年度の自己都合の退職者は全国平均で17年度より46%増えた。就職人気も低下しており、働きやすい職場づくりを進めて20〜30歳代などの定着を目指す。福岡県は若手職員による改善提案制度や長時間勤務の削減などを通じて退職者の増加を抑える。
総務省の「地方公務員の退職状況等調査」から、定年退職などを除く自己都合の退職者を抽出した。22年度実績を都道府県別データの公表が始まった17年度と比べると、全ての都道府県が増えた。県庁職員などの行政職や教育職の増加が目立つ。都道府県別では、鳥取と福岡が増加率を1割未満にとどめたのに対し、熊本は2.6倍、秋田も3.8倍となった。

福岡県は17年に県庁における働き方改革の取り組み方針を制定。21年度に始めた若手職員による提案制度には3年間で約8600件の改善案が寄せられた。代表例がデジタルトランスフォーメーション(DX)の活用だ。
補助金の手書き申請のオンライン化、チャットの活用によるペーパーレス化などを実現。デジタル機器の整備といった現場ならではの提案も多い。担当者は「業務効率化に加え、自らの意見が実現することで若手のモチベーション向上にもつながる」とする。
長時間労働の是正では、執務室で退勤処理をした後もサービス残業を続けるといったことがないように、県庁玄関で出退勤を管理するシステムを導入。職員への迷惑行為「カスタマーハラスメント」の防止に向けたマニュアルや掲示用ポスターも用意する・・・

・・・福岡県は17年に県庁における働き方改革の取り組み方針を制定。21年度に始めた若手職員による提案制度には3年間で約8600件の改善案が寄せられた。代表例がデジタルトランスフォーメーション(DX)の活用だ。
補助金の手書き申請のオンライン化、チャットの活用によるペーパーレス化などを実現。デジタル機器の整備といった現場ならではの提案も多い。担当者は「業務効率化に加え、自らの意見が実現することで若手のモチベーション向上にもつながる」とする。
長時間労働の是正では、執務室で退勤処理をした後もサービス残業を続けるといったことがないように、県庁玄関で出退勤を管理するシステムを導入。職員への迷惑行為「カスタマーハラスメント」の防止に向けたマニュアルや掲示用ポスターも用意する・・・

災害備蓄品の進化

2024年9月21日   岡本全勝

9月2日の日経新聞に「防災備蓄、自治体積み増し」が載っていました。

・・・自治体が災害時の食料などの備蓄を増やしている。直近でも南海トラフ地震の臨時情報が初めて発表され、強い勢力の台風10号が猛威を振るう。9月1日は「防災の日」。地域が孤立無援の対応を求められかねない広域災害や、道路の寸断による孤立集落の発生という「2つの孤立」をにらんだ戦略の練り直しが進む・・・

そこに、大災害を経験して、品目が追加されたことが、図で載っています。
阪神・淡路大震災(1995年)、東日本大震災(2011年)では、紙おむつ、生理用品。
熊本地震(2016年)では、米粉クッキー、液体ミルク。
房総半島台風、東日本台風(2019年)では、段ボールベッド、屋内テント。
能登半島地震(2024年)では、携帯トイレ。

トー横相談所 利用1500人超

2024年9月17日   岡本全勝

8月30日の読売新聞東京版に「トー横相談所 利用1500人超 開設2か月で 想定上回りトラブルも」が載っていました。

・・・新宿・歌舞伎町の「トー横」と呼ばれるエリアで若者が犯罪に巻き込まれるのを防ぐため、都が5月に開設した相談施設の利用者が、開設2か月で1500人以上に達した。想定を上回る好調な滑り出しだが、トラブルも起きており、都は相談員を増やすなどの対策を講じる。

相談施設「きみまも@歌舞伎町」は5月31日、トー横からすぐの都健康プラザ「ハイジア」内にオープンした。開所日時は火~土曜の午後3~9時。ソファを置くなどしてリラックスできるようにし、社会福祉士などに相談もできる。
都の29日の発表によると、施設の利用者は6月末までの約1か月が延べ446人で、7月は延べ1138人。約7割がリピーターだった。性別は男女ほぼ同数で、年代別では10歳代が40・4%、20歳代が26・6%など。最年少は12歳、最年長は38歳だった。親子関係に悩んで家出した女子中学生(14)の相談に乗り、最終的に親元へ帰させたり、生活苦を訴えた20歳代のホストの男性に就労支援団体を紹介したりした・・・

・・・一方、利用者が、他の利用者に売春の客を紹介しようとしたり、オーバードーズ(市販薬の過剰摂取)を自慢げに話したりするケースも確認された。相談員は通常、利用者同士がこうしたやり取りをしないよう注意しているが、利用者が多すぎて目が行き届かなかったという。
そのため、都は一度に利用できる人数を最大20人程度に絞った。9月3日からは利用者にカードを発行し、入場時に提示してもらう。現在5、6人の相談員の増員や、警察OBによる見回りも行うという・・・

アメリカ、ニュースはソーシャルメディアから

2024年9月10日   岡本全勝

8月24日の日経新聞オピニオン欄、西村博之・コメンテーターの「米大統領選ミームは毒か薬か」。
・・・秋の米大統領選に向け民主党候補のハリス副大統領が想定外の好スタートを切った。バイデン大統領が劣勢だった激戦州で支持を盛り返し、政治献金も急増する。
背景の一つが、ネット上で話題をさらう画像などのコンテンツ、いわゆる「ミーム」だ。勝ち目のないバイデン氏への絶望の反動もあり、一気に拡散した。
やたら大笑いするハリス氏は、「奇っ怪」と映っていた。だが共和党候補のトランプ前大統領がこれをちゃかし、攻撃用の動画集まで作ると若者らに人気となった。関連コンテンツも多く作られ、親しみと連帯感を生んだ。調子が狂ったのはトランプ氏だ・・・

本論は記事を読んでいただくとして。アメリカ市民のニュースの取得先が、図になって載っています。
2013年と2023年を比べて、テレビは約70%から約50%へ、新聞雑誌など紙媒体は約50%から約20%へ低下し、ソーシャルメディアが約30%から約50%に伸びています。
世代別には、重要な出来事やニュースはソーシャルメディアで知るという人びとの割合で、60歳以上は約20%、44歳から59歳は約50%、28歳から43歳は70%近く、12歳から27歳は80%近くです。

ソーシャルメディアでは、記事は短く、また興味を引く見出しや写真で、深くは考えません。