カテゴリーアーカイブ:行政

8月15日

2015年8月15日   岡本全勝

今日は、8月15日。日本武道館で行われた全国戦没者追悼式に、出席しました。
第2次世界大戦で亡くなった日本人は、約310万人。うち軍人・軍属が約230万人、民間人が約80万人(うち内地で50万人)です。アジア各国でも、多くの人がなくなりました(約1,900万人)。(これらの数字は、細谷雄一著『戦後史の解放Ⅰ 歴史認識とは何か』(2015年、新潮社)p214、p267による。なお吉田裕著『アジア・太平洋戦争』(2007年、岩波新書)からの引用とのこと)。また外地からの引き揚げ者は、軍人と民間人を合わせて約630万人です(厚生白書昭和36年版、第2部第3章第8節)。そして、国の内外で戦時中と戦後、混乱した社会で飢餓や不安に苦しめられました。それは、数字では表すことができません。
武道館での式は厳粛で、終わって出てくると田安門の桜並木は蝉の声がしきりでした。どちらも、8月15日を思わせる雰囲気でした。

政と官の関係変化、縦割りと前例踏襲主義で「官」は衰退した

2015年8月13日   岡本全勝

日経新聞8月12日「戦後70年、変わる政治の軸。政と官、強まる首相主導」から。
・・・政と官の関係は様変わりした。竹下内閣から村山内閣まで7人の首相の下で事務の官房副長官を務めた石原信雄氏(88)は、「長らく政策立案の現場は広い意味での『官僚』が仕切っていた」と振り返る。広い意味での「官僚」とは現役に加え、官僚出身の政治家も含む。戦後の復興と発展を担った岸信介、池田勇人、佐藤栄作と続いた首相はそれぞれ戦前の商工省、大蔵省、鉄道省の出身だった。閣議にかける案件を事前に審査する週2回の事務次官会議が重要な政策決定の舞台だった。事務の官房副長官をトップに官僚機構が政治家をお膳立てした。
だが強力な官僚組織も次第に制度疲労を露呈する。1990年代に入ると、バブル経済が崩壊。護送船団方式で金融機関への管理を重視してきた官僚の対応は後手に回り、金融機関の不良債権拡大への処方箋づくりに悩んだ。「日本の官僚機構は守りに弱かった。問題を先取りして対応する力に欠けた」と石原氏は振り返る。縦割りと前例踏襲主義で「官」は衰退した。
代わりに主導権を握ろうとしたのが「政」だ・・・
全文は、原文をお読みください。政と官との関係は、このホームページでも、一つのジャンルを立てていました。世界一優秀だと言われた日本の官僚が、国民の信頼を失ったことには、様々な要因があります。かつて、「行政構造改革」として連載をしていたのですが、途中で中断したままです。いずれ、まとめたいと思っているのですが。

政治主導は政治家主導にあらず

2015年8月11日   岡本全勝

日経新聞1面連載「戦後70年、これからの世界」8月11日は、佐々木毅・東大名誉教授の「政治主導、ルール明確に」でした。「官僚主導から政治主導に変わりました」という問に対して。
・・・政治主導とは政治家主導だと多くの政治家が思ってしまっている。問題は政権党が公約で約束したことに沿って行動するかどうかだ。
政治家と役所の役割分担は非常に難しい問題だ。大臣・副大臣・政務官チームと役所チームがどうつながるかをもう少しルール化しないといけない・・・
新聞記事と、インターネットの記事、さらには映像とは、表題も内容も一部異なっています。新聞(インターネット)の記事とともに、ネットの記事、映像での語りもご覧ください。

中曽根元総理の第2次大戦観

2015年8月7日   岡本全勝

読売新聞8月7日、「中曽根元首相、終戦70年寄稿」から。
・・・第2次世界大戦は、帝国主義的な資源や国家、民族の在り方をめぐる戦いであり、欧米諸国との間の戦争もそのような性格を持ったものであった。
他方、アジア諸国に対しては侵略戦争でもあった。特に中国に対しては、1915年の「対華21か条要求」以降、侵略性が非常に強くなった。軍部による中国国内への事変の拡大は、中国民族の感情を著しく傷つけたと言わざるを得ない。資源獲得のための東南アジア諸国への進出も、現地の人からすれば日本軍が土足で入り込んできたわけで、まぎれもない侵略行為だった・・・
・・・ただ、300万人以上の国民が犠牲になったという厳然たる事実を拭い去ることはできない。本来なら、当時の指導者の戦争責任を他者による東京裁判という形ではなく、日本人自らの責任においてこれを裁き、決着を付けるべきだったが、東西冷戦が始まったことで日本社会としての戦争の総括が中途半端に終わってしまった。それが、その後、長く日本人の意識の中で、晴れぬわだかまりとして残る結果となった。
やはり、先の戦争は、やるべからざる戦争であり、誤った戦争であった。
戦後日本の起点はポツダム宣言受諾に始まると考えるのが国際的通念であり、あの戦争と敗戦から学ぶべき教訓を我々日本人は胸に深く刻む必要がある。歴史を正視し得ない民族に、政治の長期安定性もなく他の民族からの信頼も尊敬もあり得ない。点検と反省により、事故の歴史の否定的な部分から目をそらすことなく、これらを直視する勇気と謙虚さを持つべきであるし、汲み取るべき教訓を心に深く刻み、国民、国家を正しい方向に導くことこそが現代政治家の大きな責務でもある・・・

国の財政の全体像・分析

2015年8月4日   岡本全勝
6月22日読売新聞に、「特別会計見直し本格化」の記事が載っていました。一般会計予算82兆円の他に、特別会計予算が合計387兆円あるとのことです。母屋より離れの方が、はるかに大きいのです。重複があるので、純計額はもっと少ないとはいえ。
ことほど左様に、わが国の国家財政は、全体像も各論もよくわかりません。地方財政の場合は、特別会計がいくつあろうと、普通会計と企業会計に分別して、集計し公表しています。また、普通会計にあっても目的別だけでなく、人件費や投資的経費など性質別にも分類して公表しています。決算もです。一方、国家財政の場合、特別会計を含めた全体像は不明ですし、決算も予算も性質別にはでてきません。人件費がいくら使われ、いくら余ったかもわかりません。
記事では、これまでの特別会計を利用した「特会とばし」や「隠れ借金」という手法が、批判されていました。財務省が改革に乗り出し、「予算削減を求めるだけでなく、情報を透明化して、各省庁に自己改革を促す」と書かれています。ある記者曰く「でも、これまでそのような予算編成をしてきたのは、財務省(大蔵省)ですよね?」