カテゴリーアーカイブ:行政

統計不正問題2、仕事の流儀

2019年3月4日   岡本全勝

統計不正問題」の続きです。2つめは、失敗の原因です。
詳細は、調査によって明らかになっていくでしょうが、私は職場慣行の問題と関連させて考えています。
すなわち、「前例通りに仕事をする」「引継書で仕事をする」という職場慣習が、今回の問題の背景にあるのではないでしょうか。

日本の役所では(企業でも同じと思いますが)、異動した際に、新しい職に就いたときに、上司から「あなたのすることはこれだ」と指示を受けることが少ないです。前任者の資料と引継書を見て、また周りの同僚たちに聞きながら、仕事を覚え処理します。大部屋でみんなと一緒に仕事をしている場合は、これで効率的だったのです。

しかし、
・新しい事態に対応できない
・目標と執行管理が不十分になる
・管理職が責任を持たない
などの欠点があります。

今回の統計不正(法令に定められたとおりに実施せず手を抜いたこと)も、「前任者と同じように仕事をする」ことが、間違いが続いた理由の一つでしょう。上司が確認していたら、あるいは職員が入れ替わった際に仕事の内容を指示していたら、防げたはずです。

現場の事実を確認せずに書いているので、間違っていたらごめんなさい。

統計不正問題、官僚の責任

2019年3月2日   岡本全勝

厚生労働省の統計不正が、問題になっています。まだ究明途中なので、意見を書くことは難しいのですが。現時点で気になったことを、書いてみます。
その一つは、政治家の責任と官僚の責任です。

2月18日の日経新聞の世論調査結果では、厚生労働省の毎月勤労統計の不正問題で最も責任があるのは誰かを聞くと、
「これまでの厚生労働大臣」が34%、「厚生労働省の官僚」が31%でした。
厚生労働省の最高責任者は大臣ですから、大臣に責任があるという回答も、わからなくはありません。
しかし、統計調査の実施は、官僚たち事務方が責任を持って行うべきことです。統計の対象や手法について大きな見直しを行う際は、大臣らによる判断が必要な場合もあるでしょうが。

かつてなら、官僚の責任範囲はもっと大きかったと思います。大臣ら政治家の責任範囲が、近年広がってきたようです。
例えば、2018年に問題になった財務省での文書破棄問題も、大臣が記者会見で説明していましたが、事務方が説明し責任を取るべき問題でしょう。大臣が、局長以下の文書管理や文書の扱いを細かく知っているはずもなく、またそんなことまで管理していたら重要な仕事ができません。
近年の「政治主導」は良いことと考えていますが、事務的なことまで大臣に責任を持たせることは、かえって政治主導が効果的でなくなる恐れがあります。この項続く

孤立無業

2019年3月1日   岡本全勝

読売新聞月曜文化欄に、玄田有史・東大教授が「孤立無業」を連載しておられます。例えば、2月25日の記事から。

20~59歳の未婚無業者(在学中を除く)のうち、ふだんずっと一人か、家族以外の一緒にいる人がいない人々の状況をさして「孤立無業」と呼んでおられます。引きこもりやニート(若者無業者)です。2016年時点で、150万人にも上ります。
この研究を始められたのは、引きこもりの存在からです。引きこもりの状況を客観的に把握するのは難しいのですが、孤立無業は社会生活基本調査から把握できます。

かつて、引きこもりは男性、高校中退のひとが多いといわれたのですが、近年では男女差はなく、むしろ高学歴の大学・大学院卒の未婚無業者が、孤立無業者になりやすいのです。そして、30代以上の孤立無業者が増えています。
このホームページでも取り上げているように、新しい社会の大きな問題です。

日本の中国援助

2019年2月21日   岡本全勝

2月15日の日経新聞夕刊に「40年の対中ODAに幕 友好象徴 発展の礎築く」が解説されていました。
・・・中国への政府開発援助(ODA)が40年の歴史に幕を下ろす。安倍晋三首相は新規を停止すると表明し、進行中の6事業が最後だ。かつては中国の発展を後押しし日中友好の象徴と位置づけられたが、中国が国力をつけるとともに日中の火種が増え、事情が変わった・・・

1979年から始まった、中国への政府援助。北京空港や鉄道などの建設を支援しました。
このような援助以外にも、パナソニックによるテレビ製造、新日鉄による製鉄所、新幹線技術など、技術支援も行いました。
経済開発に後れを取った中国を支援することとともに、戦争で被害を与えた中国への支援という意味も合ったと思います。
問題は、記事でも指摘されているように、中国の国民がこの事実を知らないこと、日本との友好につながらなかったことです。

困ったときの相談窓口

2019年2月10日   岡本全勝

NHKのウエッブ「おやにいじめられているあなたへ 子どもが虐待を訴える方法」が参考になります。また、考えさせられます。

再チャレンジ政策を担当した際に、困った人の相談窓口の問題に気づきました。その後も、「再チャレンジ」という分類を作り、気にはしているのですが。
病気をしたときは病院に行くことは知っていますが、いろいろな困難に出会った際に、どこに相談に行ったらよいかわからないのです。学校でも十分には教えてもらわない、社会でもよく見えないのです。「スウェーデンの中学教科書」を何度か取り上げました。

貧困、失業、高齢、家族の死、障害、いじめ、不登校、引きこもり、自立できない人、社会とのつながりが困難な人、家庭内暴力、ストーカー、自殺願望などなど。
警察に行くようなことではない、しかし誰に相談してよいかわからない。あなたなら、どこに相談しますか?
市町村役場はありますが、そこに行くのが良いのか。引きこもりの人は、そもそも引きこもっているので、窓口には来ません。

近年大きな問題になっている児童虐待は、自分では訴えることができない子供であること、一番相談しやすい親が加害者であることという、大きな困難が加わっています。
どのようにしたら、助けてあげることができるか。これまでの行政の仕組みや方法では、困難な課題であり仕事です。