カテゴリーアーカイブ:行政

学校一斉休校、子育て家庭への影響

2020年3月14日   岡本全勝

新型コロナウィルス対策として、学校の一斉休校が要請されています。予定していなかった学校の休校で、さまざまところに影響が出ています。
3月12日の日経新聞「追跡コロナ 日本の宿題(2)」は「休校「子どもだけで留守番」3割 個人頼みの預け先探し」を報道していました。詳しくは記事を読んでいただくとして。

子育て中の家族がさまざまな状況にあることを、知る機会になりました。
女性の社会進出によって、母親も働いている家庭が多くなりました。その受け皿になっているのが、保育園であり、学校と学童保育です。これらがないと、小さな子どもを抱えた親は、働きに行くことができません。小学校低学年までは、一人で留守番をさせるわけにはいかないでしょう。

親が働きに行けなくなると、収入がなくなるだけでなく、勤務先は労働力を確保できません。小売店や保育園など、お母さんたちが働いている職場で、人手不足になっています。もちろん、母親が休むのではなく、父親が休むこともあります。母子家庭や父子家庭は、きついです。

さらに、給食がなくなって困ったという家庭もあるそうです。貧困家庭で、学校給食が一日のうちで最もバランスの取れた食事だという家もあるそうです。子供たちに無料または安い料金で食事を出す「子ども食堂」も、閉鎖されているところがあるようです。これも、困るでしょうね。

災害時やこのような危機の際に、社会における弱者が浮かび上がります。それを把握し対策を打つ、良い機会だと思いましょう。

国による自治体への計画策定義務づけ

2020年3月12日   岡本全勝

全国知事会の地方分権改革の推進に向けた研究会に、興味深い資料があります。国による計画策定の義務づけについてです。資料1の20ページです。
平成4年(1992年)の157件から、令和元年(2019年)の390件まで、230も増えています。

1 どのような分野で、どのような計画づくりが増えたのか。分析が欲しいです。それによって、近年の行政が取り組んでいる分野が分かります。

2 知事会が問題にしているのは、これら増えている計画づくりが義務ではなく、任意だということです。義務づけは、自治体の自由を拘束するとして、問題としました。だから、任意が増えたのでしょう。
では、任意なら良いか。表面的にはそう見えます。ところが、
・計画づくりが、国庫補助金交付などの要件とされているのです。補助金が欲しければ、計画を作らざるを得ません。
・たぶん自治体では、「法律に規定され、他の自治体も作っているのに、我が市では作らないのか」と聞かれると、右にならえで、作らざるを得なくなることもあるのでしょうね。
計画を作ったかどうかは、国のホームページで公表される場合もあるそうです。

3 390件もあると、首長も職員も、全体像を把握できないでしょうね。もちろん、1市町村が、390全ての対象に該当するわけではありませんが。町村役場では、職員数も少なく、一人あたりどれくらいの計画を担当しているのでしょうか。

4 その計画を作るのに、市町村ではどれくらいの労力が費やされているのでしょうか。時に指摘されるのが、コンサルタント会社への委託(丸投げ)です。小さな町村では、こんなにたくさんつくることはできないでしょう。

各府省の役人は、それぞれの分野で「良かれ」と思って、このような法律や計画づくりを考えたのでしょうが、全体をまとめると、とんでもないことになっています。
自治体も、きっぱりと「我が町は、この計画は不要です」と拒否できれば良いのですが。

地方と国との司法決着

2020年3月9日   岡本全勝

3月4日の日経新聞オピニオン欄に、斉藤徹弥・編集委員が「地方と国、増える司法決着 地方分権一括法20年」を書いておられました。
・・・自治体と国を対等の関係とした地方分権一括法の施行から4月で20年。地方分権は停滞が否めないが、対等になったかどうかでみると成果と言える事象もある。法の運用や関与を巡って自治体が国と裁判で争う行政訴訟が増えてきたことだ・・・

詳しくは、記事を読んでいただくとして。指摘の通りです。かつては、法律的にも一部上下の関係が残っていましたし、意識の上でも上下の関係がありました。自治体に不満があっても、自治省をはじめとする各省が調整して、事を荒立てないようにしました。自治体も、訴訟に訴えるにしても、条件が厳しかったのです。

・・・政治的な利害調整を法廷で決着させる流れは「政治の司法化」と呼ばれる。政治主導の政策決定をめざした平成の統治機構改革は、冷戦崩壊で行き詰まった官による事前調整を見直し、司法による事後チェックへの移行を進めた。これが令和になって地方行政に現れてきたといえる・・・

次のような指摘もあります。
・・・政治の司法化が進むと、重要になるのが裁判所の信頼性である・・・専門家組織が裁判所を支える関係になることも大切だ。原発訴訟で判断が割れるのは原子力規制委員会の規制基準を妥当とみるか、不十分とするかによるところが大きい。安定した司法判断には、規制委が国民の信頼を高め、裁判所がその権威を認めやすくなる環境が必要になる。
ただ専門職のジョブ型雇用が主流の海外に比べ、日本は専門家組織が弱とされる。専門を重視する雇用形態が広がり、各分野で専門家組織の権威が高まれば、司法による事後チェックが安定し、政策決定でも専門的知見を重視することにつながるだろう・・・

世界の警察官の負担、人と金

2020年3月8日   岡本全勝

2月28日の朝日新聞国際欄に、「米国社会に漂う非介入主義」が載っていました。
ここで紹介するのは、そこに付いている表です。「米同時多発テロ(2001年)後の対テロ戦争関連犠牲者」(表の3)

それによると、総計77万人~80万1000人。内訳は、米軍が7千人ほど、民間契約業者が8千人ほど、現地の軍と警察が17万人ほど、現地の民間人が33万人ほど、敵軍が26万人ほどです。
また、これまでアメリカが支出した金額が、5.4兆円と出ています。

政治家とは、正直でも嘘つきでもなく・・・

2020年3月6日   岡本全勝

3月1日の朝日新聞「日曜に想う」、福島申二・編集委員の「お友達より、持つべきは敵」から。

・・・評論家の故加藤周一さんが20年前、本紙連載の「夕陽妄語(せきようもうご)」でユーモアまじりにこう書いていた。〈庭の桜の木を切った少年が、親に叱られるのを怖れて、切ったのは自分でないと言えば、嘘である。切ったのは自分だと言えば、それがほんとうで、少年は正直である〉
そして、〈そのときもし少年が「切ったという記憶はない」とか、「そういう質問に答える義務はない」とか、「誰が切ったかは後世の歴史家が決定する問題である」などと言えば、それはごまかしで、少年には将来政治家になる資質が備わっているということになろう〉・・・