カテゴリーアーカイブ:行政

非正規雇用の増加

2020年3月31日   岡本全勝

3月29日の朝日新聞「働くってなんですか プロローグ」は「働き手が元気になるために」は、新型コロナウイルスによる諸活動の自粛が、非正規雇用やフリーランスなど弱い人たちの生活に大きな影響を与えていることを解説しています。
そこに、1990年(平成2年、バブル期)と2019年の雇用形態別労働者数が、図になって載っています。平成の30年間の変化です。

数字だけを抜き出すと、次のようになります。各項目で、1990年、2019年の順に並べます。
正社員・男性 2438万人→2334万人。減少
正社員・女性 1050万人→1160万人。1割増
パート・アルバイト・男性 126万人→355万人。3倍
パート・アルバイト・女性 584万人→1164万人。2倍、600万人の増
派遣社員・男性 6万人→56万人。9倍
派遣社員・女性 21万人→85万人。4倍
外国人労働者 10万人→166万人。16倍

パート・アルバイト特に女性と、派遣社員、外国人労働者の増加が目立ちます。
日本の雇用者数は約6000万人ですから、600万人の増はその1割です。

NPOによる被災者自立支援

2020年3月26日   岡本全勝

3月24日の日経新聞に「被災者の伴走続ける 岩手・大槌の仮設住宅、今月末閉鎖 転居後の生活民間支援」が載っていました。

・・・東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県大槌町などで、孤立や生活の困窮など様々な問題を抱える被災者らを支援し続ける民間団体がある。公益財団法人「共生地域創造財団」(本部=宮城県石巻市)は3月末で応急仮設住宅を閉じる町から、災害公営住宅などへ転居する住民を支援するよう委託された。転居後の生活を見据え、文字通り生活全般に伴走する・・・

この財団は、大槌町や石巻市の委託を受けて、被災者の転居を支援しています。転居先の物件探しや引っ越しの相談にとどまりません。被災によって、家族が抱えていた引きこもり、貧困、病気が深刻になります。役場にも、福祉、教育、健康などの窓口はあるのですが、縦割りです。また、これまでの行政は、本人からの申告を待って動きます。困って声を出せない人は、漏れ落ちるのです。
これからの行政の姿を先取りしていると思います。

中井英雄ほか著『新しい地方財政論』

2020年3月23日   岡本全勝

中井英雄、齊藤愼、堀場勇夫、戸谷裕之著『新しい地方財政論 新版』 (2020年、有斐閣)が、出版されました。10年ぶりの改訂です。若かった先生方も、重鎮になられています(当時も重鎮でしたが)。

コンパクトながら、バランスよくできていますよね。地方財政の標準的教科書といえます。これだけの内容を、この大きさにまとめるのは、なかなか難しいです。著者は、「欲張った」内容とも言っておられますが。
かつての理論重視の教科書と違い、制度、経営、理論、実証という4部構成は、優れものです。学生や自治体職員には、このような構成がふさわしいでしょう。地方財政も、現場での課題や運営が、どんどん新しくなっています。それを入れた内容です。公務員の皆さんにも、お勧めです。

中井先生に「ヤードスティック方式」を教えていただき、交付税の算定に反映させたことが懐かしいです。小生は、地方財政どころか、地方行政から離れて久しく、先生方の議論について行けません(反省)。
地方財政は、自治体現場、制度設計の総務省、研究者、マスコミの専門家などが噛みあった議論ができる、優れた「政策共同体」をつくっています。そのような政策分野って、意外とないのです。
今後とも、これら4者共同による、建設的な議論を期待します。

公務員の転職希望増加

2020年3月18日   岡本全勝

3月15日の日経新聞が「転職希望の公務員が急増 外資やITへ流れる20代」を載せていました。
・・・公務員の人材流出が増えている。大手転職サイトへの公務員の登録数は最高水準にあり、国家公務員の離職者は3年連続で増加した。特に外資系やIT(情報技術)企業に転じる20代が目立つ。中央省庁では国会対応に伴う長時間労働などで、若手を中心に働く意欲が減退している。若手の「公務員離れ」が加速すれば、将来の行政機能の低下を招く恐れがある・・・

・・・公務員の年代別登録者数では、20代が同33%増の7244人と急増した。民間企業の中でも意思決定が速い外資系コンサルタントやITベンチャーに転職する例が多いという。
19年に中央官庁からITベンチャーに転職した30代女性は「省庁で働いてもつぶしがきかない。『最後のチャンス』と30代前半までに民間転職を考える人は多い」と語る。有能な若手ほど現状の業務に疑問を感じている可能性が高い・・・

・・・「生きながら人生の墓場に入った」「一生この仕事で頑張ろうと思うことはできない」――。19年8月、厚労省の若手職員で構成する改革チームが働き方に関する提言をまとめた。20~30代の職員の約半数が業務にやりがいを感じている半面、6割が「心身の健康に悪影響」、4割が「やめたいと思うことがある」と回答した。
総務省の働き方改革チームが18年にまとめたアンケートでも「モチベーション高く仕事ができている」との回答(「どちらかと言えばそう思う」を含む)が部長級以上で90%を超えたが、係長級では54%にとどまった。
慶応大大学院の岩本隆特任教授の調べによると、霞が関で働く国家公務員の残業時間は月平均100時間と民間の14.6時間の約7倍。精神疾患による休業者の比率も3倍高かった。若手を中心に国会対応で長時間拘束されることや、電話対応などの雑務に時間を割かれることが長時間労働の原因となっている・・・

とても危機的、悲しい話です。後輩たちに、魅力ある職場を引き継げなかった私たちにも、責任があります。

政治家の自己愛と他者への共感力

2020年3月16日   岡本全勝

3月14日の朝日新聞オピニオン欄「宰相の言葉」、水島広子・精神科医の発言から。

・・・政治家は自己愛が強いと言われます。「自分は特別な存在」という性格そのものは、私は全否定しません。人を酔わせる演説も、自己愛が強くなければできませんから。自己愛は多くの政治家にとって不可欠なエネルギー源です。
しかしもう一つ、まっとうな政治家に欠かせない条件があります。それは、他者への共感力です。他者とは、自分とは異なる意見を持つ人たちも含みます・・・