カテゴリー別アーカイブ: 災害復興

行政-災害復興

福島県、イノベーションコースト構想

今日は、福島県浪江町に、棚塩(たなしお)産業団地起工式に行ってきました(NHKニュース)。
浪江町の北東部、小高い丘に産業団地を作る計画です。この土地は、東北電力が原子力発電所を作る予定で買収したものです。建設計画を取りやめた後、町に寄付されました。
ここを、県と経産省が中心となって進めている「イノベーションコースト構想」の一つの拠点とします。大規模な水素製造拠点、ロボット(ドローン)テスト用の滑走路などを作ります。

この地域の主要産業であった、原子力発電所がなくなり、それに代わる産業を作る必要があります。従来の地場産業や商業に戻ってきてもらう取り組み(福島相双復興推進機構)とともに、新しい産業を育てることにも取り組んでいます。

小学生が作った楢葉町の宣伝

原発事故で全町が避難した楢葉町。小学校の5、6年生が町の良さを見つめ直して、みんなで町の宣伝ビデオをつくりました。
できあがった映像も良いですが、それを作り上げる過程が、子どもたちにとって良い勉強になったでしょうね。
町のホームページには完成品とともに、作成過程も載っています。見てください。
楢葉町は、町内の居住者が4割まで戻りました。

自治体向け災害対応図書

最近出版された、自治体向け災害対応に関する図書を紹介します。

稲継裕昭編著『東日本大震災大規模調査から読み解く災害対応-自治体の体制・職員の行動-』(2018年、第一法規)。この本は、東日本大震災の被災自治体職員を対象としたアンケート調査結果を分析したものです。現場で経験した職員たちの声であり、それも単に羅列するのではなく、分析したことが有用です。

室田哲男著『自治体の災害初動対応~近年の災害対応の教訓を活かす~』(2018年、近代消防社)。著者は、総務省消防庁や自治体で、多くの大災害を経験しました。その経験と反省をもとに、自治体への助言をまとめたものです。

それぞれに、現場経験を基に分析を加えているので、説得力があり、全国の自治体にとって有用です。お勧めします。

福島県民、復興の実感

4月2日付の福島民報によると、社の県民世論調査では、県内の復興を「実感できる」と答えた人がが11.5%、「どちらかと言えば実感できる」が35.2%、あわせて46.7%です。
「実感できない」が9.9%、「どちらかと言えば実感できない」が30%、あわせて39.9%です。
実感できる人の方が、上回っています。

関係者の努力が認識されてきた、ということだと思います。実感できないと感じている人も多く、復興も始まったばかりですが、復興に携わっている関係者には、励みになることです。

避難指示解除区域、学校の再開

昨年4月に、多くの避難指示区域で、指示を解除しました。それから、1年が経ちました。
各市町村で、学校が再開されつつあります。学校そして子どもたちの声は、地域にとって賑わいの指標です。

他方、楢葉町では、避難町民向けの仮設住宅と借り上げ住宅の提供が終了しました。楢葉町は平成27年9月に避難指示が解除されたので、2年半が経ちました。仮設住宅住まいと避難生活は、その方々に肉体的精神的に大きな負担です。できれば、早く解消した方が良いのです。
津波被災地域でも、順次、仮設住宅の提供を終えています。その際には、役場が丁寧に各戸を回って、行き先の相談に乗っています。楢葉町も、各世帯の相談に乗りました。

また、避難指示が出た町村が避難先で開いていた役場支所も、閉所しています。
順次、平常に戻りつつあります。