カテゴリー別アーカイブ: 災害復興

行政-災害復興

福島に移住し働く

HOOK」というウエッブサイトがあります。福島に移住して働く方への求人サイトです。
日本中で労働力不足のようですが、福島の原発被災地も困っています。避難指示が解除され、各種の事業が再開されるとともに、新しい産業を呼び込んでいます。
ところが、住民が戻っていないので、労働力が不足しています。時給1,500円という、東京でも考えられない高額なアルバイト求人も有ります。

この地域は、かつては東電第一原発と第二原発が主たる産業でしたが、これらは廃止されます。すると、地域がにぎわいを取り戻すには、新しい産業を引き込むことが必須です。
過疎地域の課題は、働く場所がないので都会に出て行くことでした。ここでは、逆のことが起こっています。元住民に戻ってきてもらうだけでなく、新住民を呼び込むのです。
この地域の産業再開を後押ししているのは、公益社団法人 福島相双復興推進機構(福島相双復興官民合同チーム)です。国(経済産業省)と福島県が支援しています。事業は、求人の専門家である株式会社ビズリーチにお願いしています。
このほかにも、いろんな求人を紹介しています。

岡本正著『災害復興法学Ⅱ』

岡本正さんが、『災害復興法学Ⅱ』(2018年、慶應大学出版会)を出版されました。『災害復興法学』(2014年)に続く第2弾です。
前作に引き続き、東日本大震災、熊本地震、広島土砂災害の合計5万件を超える案件を元に、法的課題とそれをどのように克服したか、さらに今後の課題を分析しておられます。
詳しくは、プロローグと、目次を見てください。

岡本さんは、慶應大学でも、この講座を持っておられます。大変な人数の学生が受講している人気講座です。
時に、教員控室でお会いします。7月にご本をもらっていたのですが、紹介が遅れました。

進化する災害復旧、個人や事業主への支援

8月17日の日経新聞が、「西日本豪雨 個人・中小の再建 二重債務や廃業、金融支援策整う」を伝えていました。

・・・200人以上の死者・行方不明者が出た西日本豪雨から1カ月が過ぎた。広島、岡山、愛媛の3県では、がれきの撤去や交通インフラの復旧作業と並行して、個人や企業の金融支援ニーズが本格化しつつある。東日本大震災以降、再建を後押しする制度整備は進んできた。いかに周知し、迅速に使えるかが問われる・・・

詳しくは、本文を読んでいただくとして。かつては、個人や事業主の自己責任だったものに、公的支援が入るようになりました。これは、私が、東日本大震災の復興で痛感し、関係機関が頑張ってくれたことです。
それまで、特に阪神・淡路大震災までは、政府・行政の仕事は、極端に言えば、避難所の開設とインフラ復旧でした。それが、被災者の生活再開支援、まちの機能復旧、事業の再開支援にまで広がりました。
これらすべてを、行政が公的資金で行うことは無理です。金融機関、民間企業、ボランティア活動・NPOなどの協力が必要です。
どんどん、復旧支援が進化しています。ありがたいことです。

インフラ企業の災害対応

8月10日の毎日新聞が、「インフラ企業の災害対応」を載せていました。
・・・大阪北部地震や西日本を襲った豪雨など、各地で大規模な災害が相次いでいる。災害時は生活必需品のほか、電気やガス、ガソリンなどの供給網をいかに確保するかが重要な課題になる。ライフラインを担う企業は災害にどう備えているのかを探った・・・

そして、コンビニ、ガス・電力、石油・ガソリンについて解説されています。最初に、コンビニが取り上げられています。
ライフラインといえば、電気、ガス、水道と電話が思い浮かぶでしょう。東日本大震災の際も、社会の変化を感じました。
電気と水道は、暮らしには必須です。ただし、飲み水なら、ペットボトルで運べます。困るのが下水道です。これは持ち運びができない機能です。
ガスは、地方部ではプロパンガスなので、ボンベで運べました。都市ガスは、管路が復旧しないと使えません。
新しい必需品は、携帯電話とコンビニと宅配便です。携帯電話のためには、基地局と充電器が必要です。携帯電話が無傷でも使えません。
コンビニと宅配便は、いまや暮らしになくてはならないサービスです。
そして、ガソリンスタンドです。車がないと生活できない地域も多いのです。

記事には、東日本大震災と今回の西日本豪雨災害の際の、停電戸数、ガス供給停止戸数、コンビニの営業停止店舗数などが表になって載っています。

原発事故被災者向けの広報紙

内閣府の原子力災害対策本部 原子力被災者生活支援チームが、原発事故被災者向けの広報紙「ふれあいニュースレター」を発行しています。
約5万部を、関係12市町村の広報物に同封するなど、避難者に届けています。
被災市町村の復興の具体状況がわかる、簡単な資料です。これまでは毎月発行していましたが、今回からは3か月に1回の季刊誌になります。
2018年秋号も、各市町村での商店の再開など、たくさんのニュースが載っています。ご覧ください。