厚生労働省を中心に、仮設住宅の居住環境、すなわち不便なところや困っておられる点についての調査と対策を考えています。その調査結果がまとまりました。
市町村役場と入居者からの回答によると、高齢者(65歳以上)がいる世帯が全体で約6割にもなっています。収納スペースや玄関周り、買い物や病院への不便さなどの苦情が多くなっています。問題点が分かれば、次は対策です。
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行政-災害復興
街の復興計画、住民の意見集約
市町村では、街の復興計画づくりが進められています。国や県の復興計画は、基本的な方向と使う手法や制度の記述が主です。しかし、市町村では、どの地区をどのように使うかといった地図を作り、それぞれの場所に具体の事業を当てはめなければなりません。その過程で、住民の同意を取り付けなければなりません。特に津波被害を受けた地域は、元の状態に復旧することは、危険なのです。住宅や商店を移転する必要があります。
10月1日の朝日新聞に、鉄道を復旧する際のルート決定に関する記事が出ていました。津波被害を受けない位置に移す方向で、関係者が議論しています。しかし、駅は街の中心となるので、どこに作るかは住民の利害に直ちにつながります。
JR仙石線の東松島市の区間約6キロについては、内陸に移転することで、JR東日本と自治体が合意したとのことです。一方、JR常磐線の宮城県亘理町から福島県新地町の間約18キロの移設は、JRと沿線自治体とは同意しましたが、元の位置で復旧してほしいという住民も多いとのことです。
少し時間がかかりますが、地元で議論していただき、結論を出してもらう必要があります。「国が強力な権限で実行すれば、早く復興できる」といった意見をおっしゃる方もおられます。しかし、住民、自治体、JRを無視して第三者が決めることは、望ましくないでしょう。ご理解いただけると思います。
福島県の復興支援
今日は、復興大臣のお供をして、福島県知事との会談に行ってきました。
ご承知のように、福島県は、地震津波災害に加え、原発事故災害、広い範囲での放射能汚染、さらに風評被害にあっています。一部地域で避難が解除されたとはいえ、まだ帰る見込みの立たない地域があり、広範囲での除染、風評被害からの復興も課題です。
県からは、財政面での支援や法律の特例を求められています。また、県の要望が各省にまたがるので、復興本部が窓口になって取りまとめるようにしています。今日はそれらの課題についての意見交換と、第三次補正予算での支援案について、説明してきました。これから息の長い取組になることも、予想されます。
現地本部の仕事
宮城の現地対策本部だより第2号が、発刊されました。ふだん、どのような仕事をしているか、世間の方には見えることが少ないので、ご覧ください。
原発避難区域の復旧と復興
今日30日、官邸で、原子力災害対策本部会合が開かれ、緊急時避難準備区域が解除されました。準備区域は、ごく簡単に言うと、おおむね第1原発から20~30キロメートルの地域で、子どもや高齢者など、自力で避難が難しい人は住んではいけない地域です。すなわち、すぐに逃げることができる人たちは、住んでいます。
指定が解除されたので、住民は戻ることができます。もちろん、半年間放置されていたので、道路や家、学校などが傷んでいるところもあります。放射能が少し高いところも、あります。それらを除染し、補修して、安心して住むことができるようにしなければなりません。よって、全員が戻れるには、もう少し時間がかかります。
インフラの補修などについては、復興本部が、各省、県、市町村の協力を得て、作業を進めます。