カテゴリー別アーカイブ: 災害復興

行政-災害復興

復興関係法案、作成作業

次の臨時国会に提出するため、「復興特区法案」と「復興庁法案」の作成を急いでいます。概要は、7日の本部会合に提出しました。まだ、途中段階ですが、意見をもらおうという趣旨です。
特区制度は第3次補正予算と関連するので、補正予算に遅れず提出しなければなりません。復興庁法案は「今年中に成案を得る」と決められていたのですが、大臣の方針で、次の臨時国会に提出すべく作業しています。
今日は、民主党のプロジェクトチームが開かれ、現時点での内容を説明しました。これから地方団体の意見も聞き、法案として閣議決定を目指します。

内容を決めることと、それを法文にする作業があります。復興庁という「新しい省」を一つ作るので、それなりに大変な作業です。1府12省のほかに、もう一つ庁ができるのですから。いろんな法令に影響が出ます。さらに復興庁は、12省とは違い総理大臣が長で、内閣府と同様の一段上の組織になります。各省から集まった、我が事務局の精鋭たちが、連日残業をして作業しています。
諸君、ありがとう。でも、このような経験は、なかなかできないよ。将来、きっと役に立つと思います。私は、2001年の省庁再編に参加した経験が、役に立っています。そのほかに、その時の若手も、今は幹部となって参加してくれています。

全国避難者数

定例の全国の避難者数調査が、発表されました。10月6日現在で、いわゆる避難所にいる人は、1,700人です。その後、岩手県の避難所は解消され、宮城県石巻市の避難所も閉鎖されました。現時点で多くの方がおられるのは、埼玉県(福島原発からの避難者)と宮城県です
一方、仮設住宅の生活環境改善(建て付けが悪い、寒い、不便だなどの改善)が、課題になっています。各市町村と県が、取り組んでいます。

市町村の復興計画策定の例

昨日このホームページで、市町村の地区復興計画の策定作業について書きました。具体的な例を、紹介します。大槌町の例です。
住民説明会の開催日程、町の中心地区の復興案の例です。もちろん、図面はこのあと、さらに詳細なものが必要になります。
イメージを、つかんでいただけたでしょうか。各市町村で、このような作業が続けられています。

復旧復興事業の地方負担への手当

今日の現地での意見交換会では、復旧・復興事業の市町村負担についての要望が出ました。たいがいの事業は、国庫補助制度があります。事業費の一定割合の金額、例えば3分の2とかの金額を、各省が補助します。しかし、その残り3分の1の金額は、市町村の負担になります。通常の災害にあっては、その市町村負担は、市町村が借金(地方債)をして、後年度にその元利償還金の多くを地方交付税でお渡しします。
しかし、今回は被害が膨大で、地方負担も大変な額に上ります。町の予算の何十年分もの金額になるところもあります。すると、借金の額も膨大になり、また地方交付税で手当てする際に1%でも残りがあると、その1%も一つ一つの事業では小さくても、たくさんの事業になると、これまた大きな金額になります。市町村が、払いきれません。

そこで今回は、特別な財政支援をして、各市町村の実質的な負担がゼロになるようにします。
まず、その財源です。国は5年間で19兆円の復旧復興事業費がかかると試算しました。この中には、国費と地方費の両方が含まれています。すなわち、見込まれる事業の国庫補助金と残りの地方負担額の双方が、この金額に含まれています。その財源として、国はひとまず復興債を出し、その元利償還金は増税などで賄います。
7日に決めた第3次補正予算では、地方費は1.6兆円と見込んでいます(資料1-1一般会計の補正 「地方交付税の加算 1.6 兆円程度」)。ここには、平成23年度の第1次、第2次、第3次補正にかかる地方負担額が、すべてが含まれています。これを、各地方団体に、必要額に応じて配ればよいのです。
7日の記者会見で、総務大臣は、「個々の被災団体における実質負担をゼロするとともに、震災復興特別交付税(仮称)として、通常の特別交付税とは別枠で、決定・配分してまいりたい」と発言しておられます。

地方交付税には、普通交付税と特別交付税があります。今回は、これとは別に、すなわち財源も配分方法も、通常の交付税とは違ったものになります。

市町村の復興計画策定

今日12日は、復興大臣のお供をして、岩手県に行ってきました。宮古市山田町大槌町で、復興計画策定がどのように進んでいるかを視察し、要望を聞くためです。被災地では、仮設住宅の建設がほぼ完了し、がれき片付けも、おおむねめどが立ちました。道路や港湾などの仮復旧も進み、町の復興計画をつくる段階に進んでいます。
もちろん、各市町村では、春から復興の基本方針を作り始めています。現在は、地区ごとに、どの程度の防潮堤を作り、どこに道路を引き、どの地域には住まないようにするか、その場合はどこに住宅を移転するかを、決める作業に入っています。役場が案をいくつかつくり、住民の意見を聞くのです。
技術的な支援は、国土交通省の職員を中心に、国の職員が助言に入っています。しかし、地区の計画を決定するのは、市町村であり、住民です。
これは、なかなかやっかいな作業です。何度も意見の交換を行い、丁寧に意見の集約をする必要があります。津波で流された地区は、もう一度住むには、危険な地区もあります。すると、違うところに移転せざるをえません。しかし、多くの地区は後ろは山であり、そんなに条件の良い場所があるわけでありません。