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行政-災害復興

復旧、世論調査

読売新聞3月3日の特集「東日本大震災1年」は、復興庁設置の解説と、世論調査結果でした。世論調査では、全国の1,661人を対象としています。
地震や津波の被災地の復興は進んでいると思うかとの問には、「進んでいる」が25%、「進んでいない」が72%です。
「進んでいない」と回答した人に、その原因を聞いたところ(複数回答)、「原発事故の影響」が75%、「被害の規模と範囲が大きい」が63%、「政府の対応に問題がある」が61%です。
3県以外の人に、あなたの県で岩手県と宮城県のガレキ処理を引き受けるべきかを聞いたところ、「政府が人体に影響がないとする範囲内の放射線量であれば引き受けるべきだ」が75%、「その範囲内の放射線量でも引き受けるべきでない」が16%です。
詳しくは、原文をご覧ください。

私はこのホームページでも書いていますが、「復興が遅れているかどうか」は、何を基準にするのか、どこが遅れているかを明確にしないと、意義が少ないと考えています。例えば、ライフラインや公共サービスは、原発避難区域や浸水区域を除いて、ほぼ復旧しました。「復旧の現状と取組」(P5~7)。
外国から来られた人が、「報道を見ていると復旧していないと思っていたが、来てみたら、はるかに進んでいるではないか」と、おっしゃることも多いとのことです。印象だけで「遅い」と言われても、困ります。
もちろん、町にとって100年分のガレキが出たことから、ガレキの処理に時間がかかっているところもあります。しかし、町の中の散乱ガレキは、ほぼ仮置き場に運び終えました。また、仮設処理場を作って処理を進めているところもあります。あまり報道されませんが。
市街地が広範囲に流され、町の復興計画作りや、住民の合意に時間がかかっているところもあります。しかし、これも住民の意向を無視して、「えいやっ」と決めるわけにも行きません。

復興交付金の決定

今日3月2日に、第1回の復興交付金の交付可能額を発表しました。「可能額」というのは、この後、市町村から申請が出てくるということです。なお、誤解があるようですが、これは復興事業の補助金です。復旧事業についてはこれとは別に、これよりも先に何兆円もの事業が行われています。
また、復興特区の追加認定(青森宮城)も発表しました。

市町村長の震災対応への評価

産経新聞が、被災140市町村長(対象167市町村長のうち回答のあったもの)のアンケート結果を載せていました。
震災後の政府対応に関する質問では、「評価できない」が68人、「どちらともいえない」が65人。「評価できる」は、5人です。評価できない理由としては、「スピード感がない」が目立ち、「どちらともいえない」と回答した首長は、復興交付金制度や復興庁の創設を評価する一方、原発事故対応のまずさを問題視する意見が多かったとのことです。
復旧復興状況に関する質問では、81人が「予想以下」と回答。「予想通り」が52人で、「予想以上」としたのは1人だけです。「予想以下」の理由では、福島県内の首長を中心に28人が除染や風評被害の回復が困難なことなど、福島第1原子力発電所事故の影響を挙げています。
復興計画策定で国、県との連携はうまくいっているかという質問には、「思う」が55人、「思わない」が61人、「わからない・無回答」が24人でした。
全体として厳しい指摘をいただいていますが、何人かの首長さんには評価もしてもらっています。何が良くて何が悪いのか、反省しながら仕事を進めます。