カテゴリー別アーカイブ: 災害復興

行政-災害復興

企業活動が復旧の要、復興庁による橋渡し

昨日8日、ある企業に呼ばれて、お話しに行ってきました。12月に経団連で行った私の講演を聴かれて、ぜひその会社の幹部に話してほしいとの依頼でした。喜んで行ってきました。
このホームページでもしばしば書いているように、①インフラが復旧しただけでは、街は復旧しません。②公私のサービスが再開されないと、暮らしは不便で、賑わいも戻りません。そして、③働く場が再開されないと、暮らしていけないのです。②と③は、企業や個人の事業が、再開される必要があります。
また、社会で各種のサービスを提供する主体には、官(行政)、共(ボランティア、NPO)、私(企業)があります。街の賑わいを取り戻すためには、そして行政では行き届かない分野では、企業やNPOの役割は大きいのです。
企業には、社会的責任として「無料奉仕」をしていただくこともありがたいのですが、事業を再開して儲けていただくことで、地域に貢献してもらえるのです。どんどんサービスを提供し、職員を雇ってください。無料奉仕は企業の本業でなく、また限界があります。本業を広げることで、企業は儲かり、地域は復興する。これは、お互いに嬉しい話ですよね。
復興現場には、たくさんのビジネスチャンスがあります。欠けているのは、情報のつなぎ(どこにどのようなニーズがあるのか)と、リスクを取る覚悟です。

私一人では議論が抽象的になるので、企業連携担当の参事官と、NPOと企業の連携担当の職員の3人でおじゃまして、お話ししてきました。彼らは、具体例を引いてわかりやすい説明をしてくれました。このような担当職員もおいています(組織図の住民支援グループの「ボランティア・公益的民間連携班」と、産業振興グループの「企業連携班」です)。
私は、これからの復興には、企業とNPOの役割が大きく、復興庁はその橋渡しをすべきだと考えています。まだ、復興庁の取組も始まったばかりですが、これから実例を蓄積して、企業や地元のお役に立とうと考えています。「新しい行政の役割」の実験です。NPOや企業からのお問い合わせや、情報提供をお待ちしています。

大震災対応の反省

中央防災会議の防災対策推進検討会議が、中間報告をまとめました。東日本大震災における政府の対応を検証し、教訓の総括を行うとともに、首都直下地震や東海・東南海・南海地震等の大規模災害に備えるためのものです。
第2章2で、「応急対応はうまく機能したのか」や「生活再建や復旧復興はスムーズに進んでいるのか」が整理されています。ぜひ今回の経験を、次回に活かしてもらいたいものです。できれば、活かすような機会(大災害)は、ない方がよいのですが。

福島特別法が衆議院を通過

今日、衆議院復興特別委員会で、福島復興再生特別措置法案が、修正の上、可決されました。引き続き、衆議院本会議で可決されました。全会一致です。24年度予算案と同時に通過しました。これは極めて速いスピードです。
ところで、昨日と一昨日の晩に、答弁資料案作成のために、職員とやりとりしたメールは、200通を超えていました。便利になったものです。メールがなければ、電話かファックスでやりとりしなければ、なりませんでしたから。

福島特別法審議入り

3月5日、6日と、衆議院復興特別委員会で、大臣所信に対する質疑が行われました。6日の質疑終了後に、福島復興再生特別措置法案の趣旨説明が行われ、今日7日に質疑に入りました。昨夜はいつものように、職員が作ってくれた答弁資料を、メールで送ってもらい、家のパソコンで確認しました。問数が多く、明け方3時までかかりました。

国会では、衆議院予算委員会で、24年度予算の審議が行われています。例年、予算とセットになっている、国税改正、地方税改正、地方交付税改正の法案が、予算審議と並行して審議されます。そして、その次に、日切れ法案(4月1日に施行しないと事務に支障が出る法案)が、審議されます。日切れ法案でない福島特別法が、このように早期に審議されるのは、異例のことです。与野党の方々が、この法案を早期に成立させるべきだと、考えていただいているのだと思います。
法案審議と並行して、与野党の代表者によって、政府法案への修正協議が進んでいます。それが合意されると、衆議院を通過することになります。

明日8日の審議のために、今も自宅のパソコンで、順次職場から送られてくる答弁資料案を確認しています。その合間に、この文章を書いています。先ほど職員に聞いたら、今宵も日付変更線を越えるとのことです。がんばれS参事官、S君。

企業による被災者支援

経団連では、「東日本大震災における経済界の被災者・被災地支援活動に関する報告書-経済界による共助の取り組み-」をとりまとめました。
私は、「被災者支援や町の復興は、行政だけでは達成できず、NPOや企業の役割も大きい」と主張しています。昨年暮れに、経団連に講演に呼んでいただいたときも、お願いしてきました。その際には、企業の社会的貢献もありがたいが、営業活動を再開してもらうことが、日常生活のサービスが再開され、街の賑わいを取り戻し、そして働く場が確保されるので、それが重要だと指摘しました。
今回まとめられた報告書でも、第1編2の活動概要の中で、「(7) 本業の事業活動(営利事業)の一環としての被災者・被災地支援活動」を取り上げていただきました。ありがとうございます。