経済財政諮問会議が動き出した上に、再チャレンジ室長の仕事もいただいたので、えらく忙しくなりました。記者さんの取材も増えたのですが、まだ十分な説明をできません。なにせ、週末に担当室の改装をしてもらい、机とパソコンが入ったのが、16日の月曜日です。今、職員と、課題と対策の分類・優先順位付け・問題点の洗い出しをしているところです。
こられる記者さんには、この事情を説明すると同時に、「良い知恵を貸してください」とお願いし、「お宅の会社は、フリーターを途中採用していますか」と質問をしています。論点が整理できたら、このHPをご覧の方にも、うまくいっている事例や、解決策のお知恵を借りたいと思います。ただし、焦点を絞らないと、漠然と聞いても効果がないと思います。再チャレンジといっても、フリーター対策と団塊世代の第二の人生活用とは、緊急度や対処方法は別ですよね。これらを整理できるまで、もう少しお待ちください。
「官僚論」カテゴリーアーカイブ
行政-官僚論
国家公務員の配置転換2
12日の日経新聞は「公務員配転、実行段階に。縦割りの壁なお厚く」を伝えていました。「相対的に役割の低下した職員を需要の高まる職場に移す配置転換は、民間では当たり前の取り組み。しかし、縦割り意識の強い官庁の壁を越えた官のリストラはとんとん拍子にはすすまないようだ・・・配転になっても国家公務員の身分が失われるわけではない。だが、省庁ごとの採用・人事管理が根付いている公務員の世界では「配置転換は転職」との意識が強い」
国家公務員の配置転換
政府は27日、国家公務員の人件費抑制の全体計画と、政府系金融機関改革の制度設計を決めました。このうち国家公務員削減は、5年で約1万9千人、5.7%を純減します。これまでは削減といっても片道(一方で増員あり)だったので、純減としてはその規模も大きく、また一律でなく部門別重点削減ということも、これまでにないことです。
しかし、もっとも大きな方向転換は、配置転換です。これまでは退職不補充の範囲で削減をしていたので、職員の配置転換がありませんでした。簡単に言うと、省庁を越えた大幅な職員移動はありませんでした。それが今回初めて実現するのです。
民間の方や地方公務員にとっては、配置転換など当たり前のことです。「今まで何をしていたの」と不思議に思うでしょう。しかし、いつも私が主張するように、日本国には各省公務員はいても、国家公務員はいないのです。国家公務員は、各省に採用され、政府には採用されていないのです。霞ヶ関には人事課長が13人います。実質的には100人くらいいると私は見ています。それごとに、人事は管理されています。
こんなことが今まで続いてこれたのは、右肩上がりだったからでしょう。これまでに大規模な配置転換は、国鉄分割民営化の時に行いました。国鉄職員を各省で受け入れたのです。もっとも、これは省庁間は移転ではありません。
さらに問題は、この多くの職員が地方出先機関の職員であるということです。生活の場が地方にあり、県を越えた転勤を想定していない職員が大半だと思います。もちろん、これまでと違った業務を覚えなければならないという課題もあります。これからも、解決しなければならない問題はたくさんあります。
官僚は優秀か
14日の東京新聞「即興政治論」に、外務省参事官を辞め家業を継いだ、宮家邦彦さんのインタビューが載っていました。「霞ヶ関を離れたからこそ見えてきたものは」という問に対して、「一番おもしろかったのは、役人は頭がいいと役人自身が錯覚していること。ところが、おっとどっこい。企業の取締役以上くらいの人は、役人よりも上。競争がなく、止まり木のある鳥よりも、全速力で飛び続けないといけない鳥の方が体力も知力もあります。お恥ずかしいけど、難しい試験に通った官僚は賢いんだと思っていたけど、22、3歳の時にたった一回の試験で受かったからといって『それがどうした』なんですよ」
後輩へのメッセージは、「優秀な人もいっぱいる。自信を持ってやってください。その代わり、逃げないでください。役人は期待された役割を果たさないで逃げることが多い。そして責任を取らない。普通の会社で経営者が逃げたら、会社がつぶれるけど、役人は逃げた人が偉くなる。そりゃそうですよ。役人の世界は減点ゲーム。いくら儲けましたということはない。チョンボしませんでした。はいすばらしい人ですねと・・」
公務員制度改革
31日に、国家公務員の総人件費削減策を話し合う「行政減量・効率化有識者会議」が発足しました。5年間で5%の削減を目指すうち、1.5%分は行政管理局の各省横断的定員削減で行い、残る3.5%分を重点分野を決めて削減する方針です。この後者を担う会議です。朝日新聞ほか各紙が伝えていましたが、各省官僚にゆだねていては進まないので、このような方法がとられています。