カテゴリー別アーカイブ: 地方行政

地方行財政-地方行政

地域の問題、人と人とのルールづくり

9月25日の朝日新聞オピニオン欄は、「バーベキューは迷惑か」でした。川崎市の多摩川河川敷での問題です。春から秋にかけて、土曜日曜は大勢のバーベキュー客で、「花見の公園」状態だそうです。楽しんでいる人はよいのですが、問題は大量のごみと騒音。音響機器とロケット花火もすごいそうです。花火は朝まで鳴っていることも。夕方からは、お酒が入って、物を壊す、吐く、便をする・・、地元民にとっては、たまったものではありません。そこで、有料化への社会実験を始めました。
このような地域の問題を、どう解決するか。地域コミュニティと自治体の力が、試されます。3人の方の意見が、紹介されています。ご覧下さい。
地域の課題は、国から来るのではなく、地域から発生する。そしてそれは、お金をかければ解決できるものではない。コンクリートやモノの問題ではなく、人と人との関係である。私が長年主張していることの、一例です。

アメリカの連邦と州、訴訟による決着

講談社のPR誌「本」10月号に、宇野重規東大教授が、「政治を哲学する、不思議の国アメリカの政治」を書いておられます。オバマ政権で、ようやく国民皆保険を実現するための法律が成立したことに関してです。先生が紹介しておられるのは、この法案が成立した後、各地で訴訟が起きたことです。フロリダ州の司法長官ほか13もの州が、法律の無効確認訴訟を起こしました。
・・この改革によって、各州の財政が悪化するということもある。しかしながら、連邦議会で可決され、大統領も署名した法案に、各州から「これは州の権限を奪うものだ」という理由で訴訟が起こされるというのは、日本人の目には不思議に見える。国会で成立した法案に、都道府県から相次いで訴訟が起こされるというのは、日本ではあまり考えられない事態であろう・・
逆のパターンも紹介しておられます。アリゾナ州がメキシコからの不法移民を規制するためにつくった移民法に対し、オバマ政権は、連邦の権限を否定するとして、差し止めを求める請求を行いました。連邦地裁で、同法の主要部分を差し止める判決も出ていますが、アリゾナ州は控訴を行い、差し止められた部分以外を施行しました。
アメリカ人のものの考え方を示す例です。最初に州があって、それが寄り集まって連邦をつくったという歴史もあるのでしょう。また先生は、その決着を司法がつけることについても、取り上げておられます。詳しくは、原文をお読み下さい。

平成の大合併

3月31日で、市町村合併特例法の期限がきました。31日の読売新聞夕刊は、平成の大合併が終了し、市町村の数が半減したと、伝えていました。
平成11年から始まった、いわゆる平成の大合併で、3,232あった市町村は1,727になりました。市町村長ら三役と議員が約2,1000人減り、年間1,200億円削減されました。経費削減効果は、10年後に年間1.8兆円になると試算されています。
さらに、規模が大きくなることによる市町村の能力向上は、このような数字では出てきません。例えば消防を考えてください。町村ごとに少ない人数で、少しずつ消防車や救急車を持つより、規模を大きくすると、合計ではより少ない職員数で、多くの部隊を持つことができます。1台しかない救急車が出動している時、もう1件要請があったらどうするか。合併して3台持っていれば、出動することができます。少し距離が遠くなっても。
その点では、まだ小規模な市町村はあります。また、県ごとに合併の進捗度合いは、異なっています。大都市部とその周辺では、あまり進みませんでした。
私を含め、平成11年の時点で、ここまで合併が進むと予想した人は、少なかったと思います。折からの不況、財政難が、合併の背中を押したと考えられます。もちろん、職を失う市町村長や議員の決断、住民の感情を超えた判断があったのです。

コンビニで住民票が取れます

街角のコンビニで、住民票をとることができるようになります。まだ、ごくわずかの市の住民が、限られたコンビニだけで、ですが。2月2日から、渋谷区、三鷹市と市川市で、それぞれ2か所のセブン・イレブンの端末機械で、住民票の写しが取れるようになります。この3団体は、3月中には首都圏のセブン・イレブンで、その後全国のセブン・イレブンの店舗でできるようになります。三鷹市民は、全国どこのセブン・イレブンでも、自分の住民票が取れるのです。
詳しくは、HPを見ていただくとして、住基カードを端末に入れて、料金を払うと、写しが出てきます。イベントのチケットを予約して、コンビニ端末で受け取っている人なら、難しくありませんよね。これまでも、各市町村の自動交付機(駅前の出張所などにある機械)でできましたから、あれがコンビニでできるようになった、ということです。ちなみに、セブン・イレブンは、全国で12,000店あるのだそうです。
その他の市区町村の住民は、市区町村がこの仕組みに参加するまで、お待ちください。便利なことですから、すぐに広がるでしょう。現在でも、住基カードをもっていれば、全国どこの市区町村役場でも、自分の住民票が、簡単に取れます(一部の団体を除く)。

川崎市の改善の取り組み

川崎市役所行財政改革室の北村卓也君から、広報せよとの指示が来たので、皆さんに川崎市の改革の取り組みを紹介します。川崎市では、業務改善・研究事例発表会として、2月12日に「第1回チャレンジ☆かわさき選手権」を開催します。
職員が、業務を行う中で考え、改善・研究した取組を発表する場です。各局の代表事例が、発表されます。例えば、外国人市民にも利用しやすい区役所づくりとして、「フロア案内・対応マニュアル」を作成した例などです。詳しくは、市のHPをご覧ください。
北村君によると、狙いは次の3点です。
①各職場の改善の取組や研究成果を庁内で共有する
②改善や研修への挑戦がしたくなる風土を創るため
③市民・全国に川崎市の改善を伝えていくため
そして、職員のモチベーション向上を、狙っています。これが、私が昨日このHPで書いた「改革の勧め」に合致しているので、取り上げてほしいというのが、北村君の依頼です。
3月には、20都市が集まって、「全国都市改善改革実践事例発表会」を、中野区で開催する予定だそうです。どんどん広がると良いですね。
北村君には、内閣府で経済社会システム担当をしていた時に、一緒に仕事をして、お世話になりました。このHPの「日本の人口」なども、北村君が作ってくれたものです。