カテゴリー別アーカイブ: 地方行政

地方行財政-地方行政

地方公務員の離職防止対策

9月7日の日経新聞に「地方公務員の離職防げ 福岡県、若手が「働きやすさ」提案」が載っていました。

・・・全国の都道府県が職員の離職抑制に力を入れている。2022年度の自己都合の退職者は全国平均で17年度より46%増えた。就職人気も低下しており、働きやすい職場づくりを進めて20〜30歳代などの定着を目指す。福岡県は若手職員による改善提案制度や長時間勤務の削減などを通じて退職者の増加を抑える。
総務省の「地方公務員の退職状況等調査」から、定年退職などを除く自己都合の退職者を抽出した。22年度実績を都道府県別データの公表が始まった17年度と比べると、全ての都道府県が増えた。県庁職員などの行政職や教育職の増加が目立つ。都道府県別では、鳥取と福岡が増加率を1割未満にとどめたのに対し、熊本は2.6倍、秋田も3.8倍となった。

福岡県は17年に県庁における働き方改革の取り組み方針を制定。21年度に始めた若手職員による提案制度には3年間で約8600件の改善案が寄せられた。代表例がデジタルトランスフォーメーション(DX)の活用だ。
補助金の手書き申請のオンライン化、チャットの活用によるペーパーレス化などを実現。デジタル機器の整備といった現場ならではの提案も多い。担当者は「業務効率化に加え、自らの意見が実現することで若手のモチベーション向上にもつながる」とする。
長時間労働の是正では、執務室で退勤処理をした後もサービス残業を続けるといったことがないように、県庁玄関で出退勤を管理するシステムを導入。職員への迷惑行為「カスタマーハラスメント」の防止に向けたマニュアルや掲示用ポスターも用意する・・・

・・・福岡県は17年に県庁における働き方改革の取り組み方針を制定。21年度に始めた若手職員による提案制度には3年間で約8600件の改善案が寄せられた。代表例がデジタルトランスフォーメーション(DX)の活用だ。
補助金の手書き申請のオンライン化、チャットの活用によるペーパーレス化などを実現。デジタル機器の整備といった現場ならではの提案も多い。担当者は「業務効率化に加え、自らの意見が実現することで若手のモチベーション向上にもつながる」とする。
長時間労働の是正では、執務室で退勤処理をした後もサービス残業を続けるといったことがないように、県庁玄関で出退勤を管理するシステムを導入。職員への迷惑行為「カスタマーハラスメント」の防止に向けたマニュアルや掲示用ポスターも用意する・・・

千代田区、複数職員で議員対応

7月31日の読売新聞夕刊に「千代田区が官製談合受け再発防止策「複数職員で議員対応」」が載っていました。

・・・東京都千代田区の発注工事を巡り、区議が職員から聞き出した入札情報を漏らした見返りに業者から賄賂を受け取っていた事件を受け、同区が設置した検討委員会は、複数の職員で議員への対応に当たるなどの再発防止策をまとめた・・・

・・・職員へのアンケートでは、過去5年以内に議員や元議員から公表前の予定価格などの情報提供を求められた職員が部長級の幹部で13・6%に上ることが判明。議員から大声で罵倒されたり、依頼を断ると「お前の人事異動がどうなっても知らない」と威圧されたりするなど、議員によるハラスメントの実態も浮かび上がった。
再発防止策をまとめた報告書では、事件の背景について「議員と良好な関係を構築し円滑な議会運営に貢献したい職員の思いが、適切な判断を誤らせ、非違行為につながった可能性が高い」と指摘。議員に対する職員の行動基準として、「複数職員での対応」「対応記録の徹底」「議員など部外者の執務室立ち入り禁止」などを盛り込んだ・・・
千代田区の発表

地方創生10年

7月18日の朝日新聞に「地方創生、夢の跡 提唱10年、東京一極集中変えられず 交付金、計1.3兆円」が載っていました。

・・・第2次安倍政権が「地方創生」を打ち出してから10年。東京一極集中に歯止めをかけ、人口減少を食い止めようと、これまで約1・3兆円を自治体に配ったが、政府は6月の報告書で「大きな流れを変えるには至っていない」と結論づけた。今後の戦略も描けておらず、「地方創生」の旗印は行き場を失っている。

地方創生は、第2次安倍政権が2014年に新たな成長戦略の目玉として掲げた。異次元の金融緩和で大幅な株高が実現し、富裕層を中心に恩恵が広がっていた時期だ。翌年春に控えていた統一地方選をにらみ、「アベノミクス」の果実を地方に波及させる姿勢を打ち出す狙いがあった。
政府は、地方創生の司令塔となる「まち・ひと・しごと創生本部」を設置。雇用創出や移住などを基本目標にする「総合戦略」を14年12月に閣議決定し、自治体にも数値目標を盛り込んだ地方版の総合戦略をつくるよう求めた。それに応じて新たに創設した「地方創生推進交付金」を配った。

ただ、成果は乏しい。例えば、東京一極集中の是正をめぐり、政府は生活コストの高い東京への人口集中は少子化につながるとみて、東京圏(東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県)から地方への転出増を重要目標の一つに掲げた。しかし、政府がまとめた報告書によると、23年の東京圏への転入数は転出数を11・5万人上回り、14年時点の10・9万人より増えた。報告書は「国全体でみたときに人口減少や東京圏への一極集中などの大きな流れを変えるには至っていない」と認める。当時より人口が増えている自治体についても「多くは移住者の増加による『社会増』にとどまっており、地域間での『人口の奪い合い』になっている」と指摘した・・・

役所のデジタル化に見る分権と集権

6月27日の日経新聞オピニオン欄「中外時評」は、斉藤徹弥・上級論説委員の「デジタル時代の新・地方分権」でした。デジタル化を進めるに当たって、なぜうまくいかないか。その問題から、新しい時代の国と地方の関係を分析した内容のある記事です。本文をお読みください。

・・・アジサイに誘われ、鎌倉の明月院を訪ねた。濃く鮮やかな明月院ブルーの花群れを眺めながら、かつて自治省(現総務省)に入ると教えられたという心構えを思った。
地方はアジサイの花だ。全体が一つの花にみえるが、よくみれば多様な形の小さな装飾花の集まりである。地方も様々な事情を抱える市町村の集合体で、全体をみるだけでなく、個々の自治体に目を向けなければならない――。
地方全体を抽象的にとらえるマクロの視点だけで政策を判断すると、市町村をみる解像度が低くなり弊害を生む。多種多様な自治体への影響をミクロに見極めて政策を判断せよという教えである。
霞が関は地方をマクロでとらえ「こうすれば地方も回るはず」と考えがちだ。デジタル庁はその典型で、現状は地方への理解が足りず、十分な成果は上げていない・・・

・・・地方分権だからバラバラなのではない。地方自治法は統一すべき基準づくりを国の役割としているが、これに国が後ろ向きすぎたのである。
各省は人員不足で手が回らず、分権を口実にしてきた面もあろう。基準がないなか、自治体は独自に対処し、結果として業務フローやシステムがばらけていった。
地方が統一した方がよいと思うものは国がはっきり基準を示すー。半年あまりの調査と協議を経て国と地方、そしてデジタル派はこうした共通認識にたどり着いた。「これがデジタル時代の新しい地方分権」と国は位置づける・・・、

天皇陛下記者会見、JETプログラム

天皇陛下が6月22日から6月29日まで英国を訪問されるにあたり、記者会見をされました(6月19日)。その中で、「今回の英国訪問において、私が特に関心を払っていきたいと思っている点についてお話ししたいと思います」として、次のように話されました。

「第二に、我が国と英国の若い世代の交流についてです。 昭和62年以降、JETプログラムには、英国から約1万2千人が参加しているとのことで、このプログラムにより日本に派遣され、各地の学校での語学指導や、地方自治体での国際交流支援などを行った青年たちが、英国への帰国後、閣僚、下院議員、大学教授、政府職員、日本企業の社員などとして活躍していると聞いております。私自身、以前に雅子と共にJETプログラムの記念式典に出席した折に、JETプログラムに参加した方々にお会いしたことがありますが、今回、お会いする方々からも、日本での滞在の印象や両国の交流についてお聞きしたいと思っています。」

JET プログラムとは、語学指導等を行う外国青年招致事業(The Japan Exchange and Teaching Programme)で、外国青年を招致して地方自治体等で任用し、外国語教育の充実と地域の国際交流を推進する事業です。1987年に始まり、現在では6000人近くが活動しています。