認知症の高齢者が行方不明になったり、遠くで保護される例が報道されています。今日の読売新聞夕刊によると、警察が把握した認知症の行方不明者は、昨年1年間で1万3千人だそうです。1週間以内に見つかった人は、約1万人。1~2年後に発見されたのは11人、2年過ぎて見つかった人も32人いました。発見時に生きていた人は9千5百人で、約400人は死亡していました。前年分も含めると、所在のわからない人は258人だそうです。これは警察が把握している数ですから、実際にはもっと多いのでしょう。
私は、2003年に『新地方自治入門-行政の現在と未来』を書いたときに、地域の新しい問題群、住民の悩みとして、児童虐待や自殺者、ホームレスなどを上げました(第6章)。その後、自殺者は少し減りました。児童虐待は、さらに大きな問題になっています。そして、認知症の増加と行方不明やいじめが、次の大きな課題となっています。
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行政-再チャレンジ
無戸籍の人がたくさん生じている
「毎年、無戸籍になる人が500人以上いる」って、理解できますか。5月21日のNHKクローズアップ現代「戸籍のない子どもたち」が、取り上げています。「どうして、そんなことが」と思われるでしょうが、次のような理由だそうです。
・・背景には、DVや離婚の増加がある。夫の暴力から逃げ出し、居場所を知られるのを恐れて離婚もできずに歳月が経ち、新たなパートナーとの間に子供が生まれた場合、法律上は夫の子と推定され、夫の戸籍に入る。そのため、母親が出生届けを出せず、子どもが無戸籍になってしまうのだ。実の父親の戸籍に入れるには裁判所での手続きが必要だが、前夫が関与することを恐れて、断念する人が多い・・
すると、学校に通えない、正規職員になれない、運転免許が取れない、健康保険に入れない、携帯電話を買えない、銀行口座を持てないと、国民としての権利も持てず、普通の生活もできません。その苦労は、察するにあまりあります。
単に、届け出を忘れていたといった問題ではありません。しかも、その子どもには、何の責任もありません。何らかの対応が必要です。
さて次に、行政の立場から、考えてみましょう。
市町村役場の窓口も、困るでしょう。その人の戸籍や住民票を受け付ける規則はないのだと思います。どうするか。この人たちを救う仕組み=規則を変える必要があります。
それを、誰がするか。政治家の役割ですが、行政の役割でもあります。行政には、2つの役割があります。一つは決められた規則通りに運用することです。もう一つは、困っている人がいる場合に、その規則を変えることです。
それぞれの省庁や法律は、その時々の課題に対応するために作られました。国民を幸せにするためにです。しかし、時代が変わると、新たな課題が生まれてきます。あるいは、見落としていた課題も見つかります。戸籍制度も住民基本台帳も、国民にサービスを行き渡らせるために作ったものです(国家として国民を把握するためでもありますが)。ところが、NHKが取り上げたような事態は、想定していなかったのでしょう。
多くの役所は、「決められたことを実行する」ことで、精一杯です。「そう言われても、法律でこのように決められていますから・・」と。特に現場は、そのように教育されています。
これを解決する方法は、「困っている人のために規則を変えること」を任務とする役所を、作れば良いのです。私は、「国民生活省」をつくって、国民の困りごと一般を受け付け、制度改正を仕事とする役所を作れば、多くの課題は拾うことができると思います。もちろん、個別の課題解決は、それぞれの担当省や市町村役場で担ってもらいます
大きな課題が生じた場合、どのように解決するかの対応方法に、「そのための責任者を決める」「そのための組織を作る」ことも、効果的な対処方法です。大震災の際の、被災者生活支援本部や復興庁もその例です。
ヤングケアラー
ヤングケアラーという言葉をご存じですか。私も、今日初めて知りました。朝日新聞5月6日生活面の「若い介護者(ヤングケアラー)、社会で支援を」をお読みください。親や祖父母の介護をしている10~20代の若者がいます。日本では、まだ実態が把握されていません。イギリスでは、18歳未満の子どもがヤングケアラーと呼ばれ、支援されています。16万人以上いて、児童全体の2%に当たります。
親を助けたいという思いから、介護をしている子どももいます。それはそれで、貴重な経験でしょう。しかし、学業に支障が出て、クラブ活動などもできません。さらに精神的なストレスもたまります。遊びたい子どもにとって、重い負担です。
パソコンの使用制限、2
職場では、インターネット・エクスプローラーの危険対策が施され、今朝から使うことができるようになりました。自宅のパソコンは、自動的にプログラムが修正されたようです。便利なだけに、危険性も大きくなります。困ったことです。
パソコンの使用制限
インターネット・エクスプローラーに脆弱性があって、政府機関では使用を制限されました。「脆弱性」というのは、わかりにくい言葉ですが、簡単いうと「使うと危ないよ」ということです。危険性を警告するなら、普通の人にわかる表現が良いですよね。作成元は、なるべく穏便な表現を使うでしょうが。
「なるべくインターネットを使わないように」といわれても、それでは仕事になりません。職場では、モジラが入っているので、それを使っています。自宅ではクロームを入れてあるので、それを使っています。ふだん使っていないので、使いにくいですね。