カテゴリー別アーカイブ: 再チャレンジ

行政-再チャレンジ

夏休み学童でお昼を出せれば

8月18日の朝日新聞「夏休み学童、お昼を出せれば… 保護者負担軽減へ自治体模索」から。

夏休みも終盤。放課後児童クラブ(学童保育)などに子どもを預ける保護者の中には、毎日の弁当づくりに悩んだ人も多いのでは。負担軽減のため昼食を提供する動きが広がる一方、要望があってもすぐには導入できない施設もあります。工夫を凝らし、子どもに食事を提供する全国の事例を探りました。

東京都三鷹市では、今年から市内すべての公設学童保育で、希望者に弁当が提供されるようになった。小学2年の子どもを通わせる女性(45)は「昨年は毎朝5時半に起きて弁当をつくり、苦行のようだった。つくらなくていい解放感がある」と話す。女性の子どもの学童保育では、弁当は1食550円。野菜が多く入っており、子どもも喜んで食べている。
今年から実験的に弁当を提供する自治体もある。仙台市では市内に112カ所ある公設の学童保育のうち4カ所で、夏休み中に弁当を提供するモデル事業を実施している。弁当は市内の障害者就労支援事業所がつくり、1食480円(大盛り500円)で、保護者がネットで事前に注文と決済をする。
東京都品川区も今月3日から試行的に、「すまいるスクール」1カ所で仕出し弁当を注文できるようになった。すまいるスクールは学童保育と放課後子ども教室を一体運営する区の事業で、放課後や夏休みなどに親の就労に関係なくすべての児童に学校施設を使って居場所を提供する。

こども家庭庁は6月末、夏休みなど長期休み中の学童保育における食事提供について、全国1633自治体を対象とした調査結果を発表した。5月1日時点の調査によると、状況を把握している995自治体にある1万3097カ所のうち、22・8%にあたる2990カ所が児童に昼食を提供していた。
提供方法について複数回答で尋ねたところ、「施設が外部から手配」が約6割を占め、「施設内で調理」は2割弱、「保護者会などが外部から手配」が1割強だった。同庁によると、自治体からは「食物アレルギーの児童もいるため一律の食事提供は難しい」といった声があがっているという。

ども家庭庁は長期休み中の食事提供について、地域の実情に応じた昼食提供を呼びかけている。担当者は「弁当を子どもにつくりたいという親もいれば、弁当づくりを負担に感じる親もいる。選択肢を用意して選べるようにできればいい」と話す。
7月には課題解決のヒントになるように、学校給食センターを活用した取り組みなど、全国の六つの事例をまとめ、各自治体に周知した。
その一つが島根県益田市にある公設民営の学童保育「どんぐり児童クラブ」だ。運営するのは社会福祉法人「暁ほほえみ福祉会」で、同法人が運営する認定こども園でつくったおかずを、長期休みや土曜日は学童保育を利用するすべての子どもに1食200円で提供しているという。
同法人理事長の山根崇徳さんは「こども園の給食は地元の野菜を使った和食中心のメニュー。学童の子どもにも安心安全なものを提供したい」と話す。「ごはんとみそ汁くらいは自分でつくれる子になってほしい」という願いのもと、ごはんと汁物は施設内で子どもとスタッフが一緒に調理しているという。

親から連鎖するスポーツやボランティア

8月17日の朝日新聞夕刊に、「体験「格差」、親から連鎖 スポーツやボランティア、年収だけでなく」が載っていました。

・・・音楽やスポーツ、美術鑑賞などの体験活動に参加していない子どもの保護者もまた、幼少期にそうした経験が少なかったことが、公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン(CFC、東京)の調査で分かった。世代間で「体験格差」が連鎖している実態が浮かび上がった。

調査は昨年10月、インターネット上で行い、小学1~6年の子どもがいる世帯から2097件の回答を得た。スポーツやピアノなどの習い事や、キャンプやボランティア、観劇といった単発での体験などをまとめて、学校以外の時間に行う「体験活動」と定義した。
世帯年収で比べると、年収300万円未満の家庭の子どもは、3人に1人が直近1年で体験活動を何もしていなかった。年収600万円以上の世帯では約10人に1人だった。

低所得世帯の中でも、「親の経験の有無」で大きな差があった。世帯年収300万円未満で、保護者が小学生の頃に体験活動に参加していなかった家庭では、直近1年以内に体験活動がなかった子どもの割合は58・1%にのぼった。保護者に体験活動の経験があった家庭では、17・4%にとどまった。
世帯年収と保護者の幼少期の体験活動についても調べた。小学生の頃に体験活動をしていない保護者の割合は、年収が高くなるほど少なかった・・・

これは、私の体験からも、実感します。

傷ついた心を支える、苦手な日本

8月10日の朝日新聞オピニオン欄「心のケア、苦手な日本」から。詳しくは本文をお読みください。

心のかたちは、世界広しといえども同じ。でも、日本社会で心を支え合うのは、とても難しい――。国内外の紛争地や被災地で、傷ついた心のケアを約30年間にわたって続けてきた、精神科医の桑山紀彦さんがたどり着いた結論だ。「トラウマは人生を変える資源」とも説く桑山さんに聞いた。なぜ日本では、心を支えにくいのか。

――そもそも、トラウマとは何ですか。
「トラウマとは、いわば凍りついた記憶と感情です。心に刻印されたそれは、決して消え去ることはありません。何度もよみがえり、そのたびに苦しくなる。時間が経てば軽くなるものでもありません」
「ただ、私は、トラウマは『資源』だと考えています。トラウマはバネになる。人生を変える起点にできる、ということです。そのために大切なのは、つらい記憶をなかったことにしないことです」

――トラウマに向き合うには、専門家の力が欠かせないのでしょうか。
「受けたトラウマが非常に強烈なものだったり、適切な対処がされずに悪化したりしてしまえば、もちろん精神科医や臨床心理士など専門家の力を借りる必要があります。でも、私の体感では、そういうケースは全体の15%ほど。残りの85%は、社会のなかで癒やせる。周囲の力を借りることで、傷と向き合えるようになります。文化や言語が違っても、『心の形』や回復の過程は、世界中どこでも同じです」
「ただ、いろんな国で活動してきて唯一、心のケアが難しいと感じた国があります」

――どこですか。
「日本です」
「11年の東日本大震災の時を例に、お話しします。震災の3カ月後、被災地の学校に招かれてPSSのプログラムをやろうとしたのですが、難しかった。教員のみなさんから、『子どもたちをあんなおそろしい経験と向き合わせるなんて、ありえない』『子どもが不安定になったら、どう責任をとればいいんだ』といった、激しい反発が出ました」
「彼らを責めたいわけではありません。こういう反応が起こるのは、日本の社会がずっと、トラウマを『触れてはいけないもの』として扱ってきたからでしょう。結果的には、場所を学校から避難所に変えることで、プログラムは無事に実施できたのですが」

――「心の形」には国による違いはないのに、日本が向き合えないのは、なぜでしょうか。
「トラウマから回復するステップは原因が紛争でも自然災害でも同じです。ただ、うまくいくかどうかに差が出るのが、先ほどお話しした『社会との再結合』です」
「日本では、心に傷を負った経験が『恥ずかしいこと』だと捉えられがちです。本人も表明を避けますし、周囲も『触れてはだめだ』という態度を取る。例えば、『胃潰瘍(かいよう)で体調が悪い』と言うのと、『トラウマで苦しんでいる』と言うのとでは、社会からの受け止めが大きく違います」

――日本以外の国でも、違うのではないですか。
「こう説明しましょう。日本社会では、『心に傷がないのが良いことだ』という意識と、『みんながそうあるべきだ』という意識がセットになっている。トラウマは本来的にマイノリティーの体験ですが、どんな人でも抱える可能性があります。にもかかわらず、日本では『マジョリティーでなければまともじゃない、恥ずかしい』という意識が、強く働いているように思います」

全国こども食堂支援センター・むすびえの受賞

このホームページでもしばしば取り上げ、新しい公共の形として紹介している「全国こども食堂支援センター・むすびえ」が、ジャパンタイムズの「Sustainable Japan Award Satoyama部門 審査員特別賞」を受賞しました。この賞は、先進的で持続可能な取組みを行った企業・団体・個人を表彰し、その活躍を国内外に伝えていくことを目的にしています。

受賞理由は、次の通り。
「2012年の設立から11年目の今年、こども食堂は全国に広がり7300箇所を超えている。「むすびえ」が目指す子ども食堂は、子どもだけでなく誰もが来られる地域の居場所として認知され、地域を大きな網で包むことで、子ども食堂を媒介に誰もがとりのこされない、誰かと繋がれる社会を作る、そんな役割を担う。また、こども食堂と地域のステークホルダーを結びつけることで支援の範囲を広げ、個々の食堂を持続可能な存在としている。また食堂運営者がアクセスしにくかった助成金や寄付などの情報の共有に加え、行政や社協、これまで社会活動に関与していなかった企業までを巻き込むことで、子どもを地域全体で支えるという「社会的な大きなうねり」を生み出している。」

この活動が広く知られることを期待しています。

増える日本在住の外国人

8月14日の日経新聞夕刊に、斉藤徹弥・編集委員の「増える日本在住の外国人 自治体・NPOの支援に限界」が載っていました。

・・・日本に住む外国人が再び増えてきました。日本人の人口が急速に減るなか、政府は永住できる外国人を増やす方針で、様々な社会的な役割を担う欠かせない存在となっています。ただ、受け入れ拡大につれ、生活を支援してきた自治体やNPOからは、対策の充実を求める声も聞かれます・・・

記事では、外国籍の住民が全国で299万人、1年間に29万人、1割も増えています。総人口に占める割合は2.4%ですが、北海道占冠村と大阪市生野区が2割を超えています、東京では新宿区と豊島区が1割を超えています。
驚いたのは、外国人の住民登録がないのは全国で3村だけ。青森県西目屋村、東京都青ヶ島村、和歌山県北山村です。ということは、それ以外の離島や山村にもおられるということです。斉藤記者は、次のように締めくくっています。

・・・外国人政策に詳しい日本国際交流センターの毛受敏浩・執行理事は「外国人の受け入れは、日本に定着し活躍し続けてもらうフェーズに入りました。社会も政治も企業も考え方を180度、変える必要があります。新しい時代認識を持たないとよい人材は入って来ません」と指摘します。
とりわけ大切なのが日本語教育です。日本では国による支援は少なく、NPOなどを中心にボランティアで担っているところが目立ちます。政令指定都市の市長会は3日、日本語教育の充実を求めて文部科学省などに国による体制強化を要請しました。
政府は全国的な人手不足に対応するため、特定技能の在留資格で受け入れる外国人を増やすことを決めました。企業や地方は外国人に大きな期待を寄せていますが、円安傾向もあり、各国との人材獲得競争は厳しくなっています。
日本を選んでもらえるよう、外国人との共生に本格的に取り組む時期を迎えています・・・