カテゴリーアーカイブ:社会の見方

空き屋対策

2012年2月29日   岡本全勝

「日経グローカル」1月23日号が、空き屋対策を特集していました。
総務省の調査では、人の住んでいない空き屋は、全国で757万戸、住宅全体に占める割合は13%だそうです。かつて土地と家屋は、第一の財産でした。しかし、地方では過疎化が進み、都会でも相続人がいなくて、空き屋が増えています。
今年の冬は積雪が多く、雪下ろしをしないと、積もった雪の重みで家が倒壊することも起きています。防犯や防火の観点からも、危険です。もちろん、景観も損ねます。
各地の自治体が、知恵を出して対策を講じています。土地を寄付してもらう代わりに、自治体が古家を取り壊すとか。時代が変わると、地域の課題も変化するという例の一つです。

送り出す際と受け入れる際の、使い分け

2012年2月22日   岡本全勝

2月18日の日経新聞夕刊、宮島喬お茶の水女子大名誉教授のインタビュー「築こう多文化社会」から。
・・バブル期の労働者不足を補うため、日系人の受け入れが決まった。受け入れるなら日本人労働者と平等にと思い、見守っていましたが、そうならなかった。多文化共生という言葉には、対等な関係を築くという響きがある。でも日本では、ほとんどの大企業が日系人を直接雇用しなかった。受け入れたのは、中小や下請け企業。それが対等の受け入れにならなかった原因です。日系人は、派遣や契約社員など非正規労働者になってしまった。ドイツのフォルクスワーゲンもフランスのルノーも、自社の生産ラインに移民を受け入れていました・・
・・日本は米国や南米などに、大量の移民を出してきた。それだけに戦前、米国で排日移民法が成立したときは、日本の世論が激高した。それなら日系人などが日本で働きたいと扉をたたくとき、自分たちの過去を思い、温かく迎えても良いのにと思います。送り出し国は、伝統的に受け入れの姿勢ができていない・・

ソフトウェアの働き

2012年2月14日   岡本全勝

玉井哲雄著『ソフトウェア社会のゆくえ』(2012年、岩波書店)が、勉強になりました。専門家向けでない、ソフトウェア、コンピュータやインターネットの社会への影響を解説した本です。よって、私のような文系の熟年社会人に、ぴったりでした。
「コンピュータ、ソフトなければただの箱」と言われるように、コンピュータを動かしているのも、携帯電話を動かしているのも、ソフトです。自動改札機も、銀行のATMが動くのも、新幹線が走るのも、ソフトがあるからです。冷蔵庫や炊飯器にも入っています。1台の自動車には、100個ものコンピュータが載っているとのことです。かつて、家庭に何個の時計があるかというクイズがあって、その多さに驚いたことがあります。しかし、今や1家庭にあるコンピュータの数は、すごいものでしょうね。

そして、携帯電話に書き込まれたプログラムは、1,000万行だそうです!
目に見えるモノではなく、符号ですから、素人にはつかみ所がありません。音楽で言えば楽譜でしょう。演奏され耳で聞けばわかりますが、オタマジャクシの行列では、なんのことやら。
本書は、ソフトウェアの言語としての機能、フリーなソフトがどうして成り立つか、ハッカー、ヒューマンエラー、産業としてのソフトウェア、著作権と特許権など。科学の解説書ではなく、社会への影響や産業としての視点など、多角的に分析してあります。
面白いです。ご一読をお勧めします。理科系でなくても、コンピュータがわからなくても、読みやすく理解できます。

日本経済の構造変化

2012年2月8日   岡本全勝

今日(2月8日)の夕刊各紙は、2011年の国際収支速報を取り上げていました。経常黒字が前年比44%減で、9.6兆円です。2007年には24兆円の黒字でしたから、この数年で、急激に減少しています。
貿易収支が48年ぶりに赤字になることは、すでにこのホームページでも、解説しました(31年ぶりと書きましたが、48年ぶりだそうです)。
また、朝日新聞朝刊の経済面「経済気象台」は、「日本の優良企業とは」でした。それによると、ソニーの従業員数は17万人。うち日本人は6万人で、海外での雇用者は11万人です。他方、保険会社のアフラックは、本社がアメリカですが、従業員の半分が日本人で、保険料総額の4分の3が日本だそうです。

続・世界で稼ぐ日本企業、日本企業の生き残り策

2012年1月27日   岡本全勝

今日のニュースで、日本の昨年の貿易収支が、31年ぶりに赤字になったことを伝えていました。この件については、1月10日に書きました。
さて、昨日の続きです。入交さんは、「日本の製造業は、次の5つの選択肢のどれかを選ばなければならないだろう」と言っておられます。
・・まず、ある分野に特化して、国内で徹底的にお客さんに奉仕して今ある顧客を離さない。京都のお茶屋さんのような堅実なビジネスです。
第二は、やはり国内で狭い分野に特化すると同時に、高い技術力でグローバルな競争力をもつ。小金井精機という会社が典型で、F1のエンジンの特殊な部品を超高精度で仕上げる技術があるので、海外からどんどん注文が来る・・この項、続く。(2012年1月25日)

入交さんの指摘「日本の製造業は、次の5つの選択肢のどれかを選ばなければならないだろう」の続きです。
・・3番目は一番、典型的なもの。国内に製造拠点は残しながら、培った技術を持って海外へ出てビジネスを広げていく。旭テックはこれです。
第4はユニクロのように、国内はマーケティングや開発に特化し、生産はすべて海外でやる。これはこれで大変です。
最後は、世界のどこにもない新しいものを作り出す。これは天才が出てこないとできない。どれもやさしいことではありませんが、どれか一つに決めないと・・