送り出す際と受け入れる際の、使い分け

2月18日の日経新聞夕刊、宮島喬お茶の水女子大名誉教授のインタビュー「築こう多文化社会」から。
・・バブル期の労働者不足を補うため、日系人の受け入れが決まった。受け入れるなら日本人労働者と平等にと思い、見守っていましたが、そうならなかった。多文化共生という言葉には、対等な関係を築くという響きがある。でも日本では、ほとんどの大企業が日系人を直接雇用しなかった。受け入れたのは、中小や下請け企業。それが対等の受け入れにならなかった原因です。日系人は、派遣や契約社員など非正規労働者になってしまった。ドイツのフォルクスワーゲンもフランスのルノーも、自社の生産ラインに移民を受け入れていました・・
・・日本は米国や南米などに、大量の移民を出してきた。それだけに戦前、米国で排日移民法が成立したときは、日本の世論が激高した。それなら日系人などが日本で働きたいと扉をたたくとき、自分たちの過去を思い、温かく迎えても良いのにと思います。送り出し国は、伝統的に受け入れの姿勢ができていない・・