10月15日の日経新聞に、OECD租税委員会議長の浅川雅嗣氏のインタビューが、かっこよい写真付きで載っていました。本人によれば、「実物通り」とのことです。
浅川君は、財務省の財務官(財務省で国際政策を総括する事務次官級のポスト。黒田日銀総裁も経験者)です。麻生内閣で、一緒に総理秘書官を勤めました。現在は、OECDの租税委員会議長も兼務しています。先日ペルーのリマで開かれたG20で、多国籍企業が税金逃れをしないようなルールを定めました。その立役者です。それについては、この記事を読んでいただくとして。日本国内では、あまり認識されていないようです。
財務省の広報誌『ファイナンス』9月号に、「頭を柔らかくすること-グローバリズムとリージョナリズムとの狭間で」を書いています。体験に裏打ちされた、絶対だと思っていた価値観が、あっという間に変化することを紹介しています。このホームページをご覧の方の多くは、国内派でしょうが、このような世界もあるのだということを勉強してもらいたくて、紹介します。
その文中に、2008年秋のリーマン・ショックの際に、麻生総理がIMFに対し最大1000億ドルの融資を行うことを表明した話が、出てきます。この効果は大きかったのです。残念ながら、その意図と効果を理解できる記者さんが少なかったようです。資料は、例えば「G20での麻生総理資料」。なおその頃の資料は、官邸のホームページで見ることができます。
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感染症の歴史、2
インフルエンザウイルスの大きさは、10のマイナス7乗(100nm)です。人の子どもの大きさを1mとすると、1,000万倍違います。地球の大きさは直径13,000kmで、子どもの1,300万倍です。インフルエンザウイルスと子どもの大きさの比が、子どもと地球の比とほぼ等しくなります。子どもに感染するウイルスは、人を乗せて地球に接近する宇宙船のようなものです。
くしゃみで、2m先の別の人に感染する場合、ウイルスから見た距離は、2×10の7乗の距離で、人に置き換えると2万kmになり、北極から南極までの距離になります。1回のくしゃみに、10の8乗(1億個)のウイルスが含まれる1mlの唾が飛ぶとすると、1億人が北極から出発し南極を目指すことになります。たどり着くのは、なかなか大変なことです(p158)。でも、風邪がうつりますよね。
海水中のウイルスは、少なくとも1ml中に、深海で100万個、沿岸で1億個と推計され、世界の海全体でウイルスの総量は10の30乗個といわれています。ウイルスの大きさは平均100nmと極めて小さいのですが、海のウイルスをすべてつなぐと、10のマイナス7乗×10の30乗=10の23乗で、1,000万光年(1光年=10の16乗m)になります。銀河系の直径の100倍だそうです! 全人類70億人が手をつなぐと、2m×7×10の19乗=1.4×10の10乗m。光の速度が1秒で30万キロメートルなので、47光秒です。太陽と地球の距離の10分の1です(p39)。ひえ~。
感染症の歴史
NHKカルチャーラジオ、吉川泰弘先生の「生物の進化の謎と感染症」が興味深いです。私はテキストを読んだだけで、放送は聞いていないのですが。うつると怖い伝染病。かつては人から人へ伝染すると教えられましたが、動物由来の感染症も多いのです。テキストを読むと、これでもかこれでもかと、怖い病気が出てきます。エイズ、SARS、エボラ出血熱、デング熱、O157・・・。蚊に刺されたり、食べ物に入っていてそれを食べたり。
私たちは、ウイルスや細菌が人体を攻めてくると考えますが、ウイルスや細菌にとっては、遙か以前から地球で暮らしていたのは彼らの方で、人類はあとから地球にきた新参者です。彼らは30億年、こちらはせいぜい500万年。彼らは、多細胞生物から魚類、両生類、は虫類と次々と乗り物を変えて、生き延びてきました。
観光後進国日本
日経新聞9月20日の「観光立国、ここが足りない」、デービッド・アトキンソンさん(小西美術工藝社社長)の意見から。
「日本は観光後進国だと指摘していますね」との問に。
・・・世界3位の経済力に比べて、観光に関する数字の低さを見れば明白だ。2014年の訪日客数は1341万人と最高だったが、世界22位にとどまる。今年は16位くらいになるだろうが、依然として低いことには違いない。米大手旅行雑誌の15年度世界人気観光都市ランキングで、京都市は2年連続の1位に選ばれた。しかし、14年に京都市に宿泊した外国人観光客はわずか約183万人だった。ニューヨークに約1200万人の外国人が訪れるのに比べると雲泥の差だ。京都市は外国人観光客に「来てくれるな」と言っているに等しいように見えてしまう・・・
・・・国宝級の文化遺産がある施設でも拝観料が1000円以下の施設が多いが、それはおかしい。サービスの質も低く、不親切だ。ある施設で織田信長について説明するパネルがあったが、初めて日本に来た人には理解できない内容だった。サービスを高め、拝観料を上げればいい。バチカンなどでは1万円以上払わないと見たり説明を聞いたりできない施設もある・・・
詳しくは原文をお読みください。
日本語にして欲しい言葉、NPO、IT関係
このページでは、NPOを良く取り上げます。先日は、CSRという言葉も紹介しました。ところで、このような言葉は、世間に広がりませんね。私に言わせれば、これは英語の頭文字をつないだ略語であって、言葉ではないのです。NHKのように略語が認知されている場合もありますが、それなりの努力が必要でしょう。日本語として認知され、日常会話に使ってもらおうとするなら、わかりやすい、かつ発音しやすい言葉にする必要があります。 同じ英語でも、ボランティアという言葉は、定着しましたが、英語3文字NPOでは何のことかわからないのです。そもそも、日本語に翻訳していませんよね。
西洋の概念を日本語(漢語)に翻訳した明治人は偉大でした。フィロソフィーやサイエンスと言われても何のことかなとなりますが、哲学や科学となると、何となく分かります。「介護」は新しい概念であり、新しい言葉ですが、良くできた言葉です。でも、ショートステイ、デイサービス、ケアマネジャーとなると、高齢者にはわかりにくいでしょう。短期入所生活介護、通所介護サービス、介護支援専門員と言うのだそうですが、これは長くて言いにくいです。たぶん多くの家庭で、お泊まり、日帰り、相談員といった通称で呼んでおられるでしょう。
IT関係も、翻訳をサボっている分野です。ITという言葉自体が略語でしかなく、サーバーだとかクリックだとか、ファイル、ダウンロード、ホームページ、メール・・・。少し努力したら日本語にできると思うのですが。その方がかっこよいと思っている「若い人」が、英語をカタカナにして使っているのでしょうね。インターネットを中国では「電網」と訳しているようですが、これはわかりやすいです。
NPOは、 「非営利団体」と訳されますが、頭に「非」が来るので、イマイチですね。非とか不は印象が悪いし、元の言葉を否定して「それでなはい」という定義ですから。「政府、企業、非営利団体」は、しっくりきませんね。関係者の皆さん、もっと分かりやすい日本語にしてください。