カテゴリーアーカイブ:社会の見方

企業が重視するリスク

2018年4月10日   岡本全勝

4月5日の産経新聞に「企業の重視するリスク」が載っていました。東京海上日動リスクコンサルティングの調査結果です。

それによると、特に重視しているリスク(国内)は、第 1 位「労働・雇用問題」( 61.5%)、第 2 位「コンプライアンス違反・ガバナンス問題」(60.7%)。続いて、「情報・システムリスク」(58.0%)、「地震・噴火・津波」(44.0%)、「製品・サービスの欠陥」(40.9%)です。労働・雇用問題は、前回2年前の調査では、第4位だったのが、1位になりました(記事に、変化が表になっています)。

・・・中でも人手不足が深刻とされる建設業や運輸・物流業は8割以上がリスクとして重視しており、人手不足により業務が滞ることへの心配や、長時間労働につながる懸念が広がっていることがうかがえる結果となった。また、大手広告会社、電通の違法残業事件をきっかけに労務管理の重要性が再認識されたことも影響しているとみられる・・・
・・・労務リスクが意識される背景には労働者の権利意識の高まりもある。18年に労働審判制度が導入されて以降、企業が従業員などから訴えられるリスクが高まっている。27年3月には、長時間労働による鬱病から自殺したJR西日本の男性社員の遺族に、約1億円の賠償を命じる判決が出るなど高額な損害賠償が認められる事例も発生している。
また、労務問題が発生すれば“ブラック企業”とのレッテルが貼られ、企業イメージが大幅に悪化する恐れがあるほか、訴訟で多額の賠償金が発生するケースもある。
こうした意識の変化は保険の加入にも表れており、三井住友海上火災保険と、同じグループのあいおいニッセイ同和損害保険では、企業が加入する保険に「使用者賠償特約」を付帯する割合が2年前の約2倍に急増。セクハラやパワハラ、不当解雇などで訴えられた場合に備える特約の付帯率も約2・5倍に増えているという・・・

災害やサイバー攻撃など、リスクは組織の外から来ると思いがちですが、労働問題、コンプライアンス問題、製品やサービスの欠陥など、組織の中から発生するリスクも大きいのですね。

佐伯啓思さん、重要政策論の不在

2018年4月9日   岡本全勝

4月6日の朝日新聞オピニオン欄、佐伯啓思さんの「森友問題一色の国会 重要政策論の不在、残念」から。
・・・昨年の今頃、米国のトランプ大統領が空母を日本海方面へ派遣し、米朝戦争が勃発しかけていた。ところが日本の国会はといえば、戦争の危機などほとんど話題にもならず、ひたすら森友学園問題一色であった。
それから1年、国会の予算委員会(参院)では、また森友学園で大騒ぎである。この1年、国会で論じられた最大のテーマは何かと世論調査でもすれば、たぶん、森友・加計学園問題だということになるであろう。両者は、今日の日本を揺るがすそれほどの大問題だったのか、と私など皮肉まじりにつぶやきたくなる。
本紙がスクープした財務省の文書改ざん問題は、森友学園問題というよりは、まずは財務省の問題であり、官僚行政の不法行為に関わる問題である。私は、この問題の重要性を否定するつもりは毛頭ない。しかし・・・

・・・私がもっとも残念に思うのは、今日、国会で論じるべき重要テーマはいくらでもあるのに、そのことからわれわれの目がそらされてしまうことなのである。トランプ氏の保護主義への対応、アベノミクスの成果(黒田東彦日銀総裁による超金融緩和の継続、財政拡張路線など)、朝鮮半島をめぐる問題、米朝首脳会談と日本の立場、TPP等々。
私は安倍首相の政策を必ずしも支持しないが、それでもこうした問題について安倍首相は、ひとつの方向を打ち出しており、そこには論じるべき重要な論点がある。問題は、野党が、まったく対案を打ち出せない点にこそある。だから結果として「安倍一強」になっているのだ。
日本社会は(そしておそらくは世界も)今日、大きな岐路にたたされていると私は思う。麻生太郎財務大臣が「森友学園問題はTPP問題より大事なのか」といって物議をかもしたが、当事者の発言としては不適切だとしても、当事者でないメディアが述べるのは問題ないであろう。財務省の文書改ざんの「真相解明」はそれでよいとしても、それ一色になって、重要な政策論が見えなくなるのは残念である。安倍首相の打ち出す方向に対する代替的なビジョンを示して政策論を戦わせるのもまた、いやその方が大新聞やメディアに課された役割であろう・・・

両陛下の障害者施設訪問

2018年4月8日   岡本全勝

4月7日の日経新聞「平成の天皇と皇后-30年の歩み 障害者と心を共に」から。詳しくは、記事をお読みください。

・・・「トランポリンで跳びはねていた子どもたちが突然、天皇陛下に抱きついて握手した。続いて皇后さまにも抱きついたんです」
東京都国立市の知的障害児の福祉施設「滝乃川学園」の常務理事、米川覚さん(61)は、1992(平成4)年6月4日に両陛下が訪問した際の“ハプニング”を語る。同学園は日本最初の知的障害児のための施設で、のちに成人も受け入れている。前年が創立100周年だった・・・
・・・しかし、意外なことに当時この訪問を報じたメディアは少なかった。両陛下の障害者施設訪問の意義について、世間一般の理解が追いついていなかったといえる・・・

・・・両陛下の地道な活動により、肢体不自由児療護施設「ねむの木学園」(静岡県)、障害者就労支援施設「太陽の家」(大分県)や知的障害児の支援学校「旭出学園」(東京都)など、障害者施設に対する社会の認知度、理解は徐々に深まっていった。
2007年12月13日、皇后さまは非公式な「お忍び」で再び滝乃川学園を訪問した。見学中、障害者の一人が感激して皇后さまの手の甲にキスをしようとした。周囲のスタッフが止めようとしたが、「いいのよ、大丈夫よ」と笑顔で受けとめられたという。
そして、学園関係者に「皆さん(施設を利用する障害者)のことをよろしくお願いします」と言い残していった。常務理事の米川さんは「まるでわが子を託すように言われるので、本当に驚いた」と話す。
皇后さまは01年の誕生日の文書回答で、昭和30年代後半に日本で重症心身障害児施設が設立され始めたことに触れ、「3人の子どもの母として過ごした時期が、これらの施設の揺籃(ようらん)期と重なっており、無関心であることは出来ませんでした」とつづられている。
天皇陛下は99年11月の即位10年の記者会見で、障害者などに心を寄せていくことは「私どもの大切な務め」であり、施設の訪問でこれらの人々と「少しでも心を共にしようと努めてきました」と述べられた。
社会のなかで孤立し、忘れられがちな人々の存在を常に視野に置く。人格を尊重し、心を共にする。その精神の「伝道」は、平成の天皇、皇后のあり方の柱だった・・・

世界幸福度調査、日本は54位

2018年4月8日   岡本全勝

世界幸福度調査の2018年版が公表されたと報道されています。
日本は、156か国中、54位です。多少の変動はありますが、近年このあたりの順位です。上位は北欧諸国で、下位はアフリカが多いようです。
主観を問う調査なので、個人の考え方の違いや文化の違いが影響している部分も多いと思います。楽天的な国民性、慎重な国民性、控えめな国民性とで違うのでしょう。
金持ちでも満足していない人がいて、他方でそんなに金持ちでなくても(家族そろって元気なので)「幸せだ」と思う人もいます。

立派な贈り物を持ってきて、「粗品ですが」と言う日本人の奥ゆかしさは、たぶんこのような調査では控えめに点をつけていると思うのですが。「朝日新聞の記事」「解説

日本人と香水

2018年4月7日   岡本全勝

3月28日の朝日新聞夕刊「あのとき・それから」は「1987年 香水プワゾン、日本でブーム 濃厚な香り、バブルの記憶」でした。
吉岡康子さん・日本フレグランス協会事務局長の発言から。

・・・衛生環境が向上し、人間が生きているゆえのにおいを香水で打ち消す必要はなくなり、コミュニケーションツールとしての期待が高まっています。自分らしさをさりげなく語り、心を落ち着けたり仕事への意欲を高めたりもできる。嗅覚は脳に直接的に働きインパクトをもたらすので、付け方には注意が必要。胸から上、顔の近くは周囲の人の鼻に近いので避け、なるべくウエスト、腿(もも)の内側、ひざ裏、足首など下半身にスプレーします。季節によって香りのタイプや量を変えることも大切です。
「モテる香り」とよく言われますが、日本人は実はそれほど「モテ=恋愛」を望んでいるのではなく、むしろ仕事や付き合いの中で、そこはかとなく「好印象」を演出したいのではないでしょうか? 上手な使い方をマスターして、香水を楽しんでいただきたいと思います・・・

先輩に、さわやかな香りの人がいます。香水は匂いがきついので、私には無理ですが、時にオード・トワレは使っています。専門家に選んでもらいました。