カテゴリーアーカイブ:社会の見方

マイナ保険証の誤登録件数

2023年9月24日   岡本全勝

9月8日の日経新聞オピニオン欄に、中空麻奈さんの「「本末転倒」があふれる日本社会」が載っていました。詳しくは原文を読んでいただくとして、次の指摘を紹介します。ほかの所でも指摘している人がいました。

・・・マイナンバーカードに健康保険証の機能を持たせるマイナ保険証への切り替え問題もそのひとつ。誤登録件数は8441件(8月8日現在)に達し、救い難いシステムではないかとも思えてしまう。
しかし、マイナ保険証の利用登録は6633万件(8月20日現在)で、誤登録割合は、0.013%・・・

そうなんです。しかも、この件は機械化したので、間違い件数が把握できていますが、手書きだとどれくらい間違っているかも把握できないのです。報道機関も、もう少し広い視野で報道して欲しいですね。

 

詐欺メールの洪水

2023年9月21日   岡本全勝

皆さんのパソコンには、詐欺メールが来ませんか。犯罪者たちが、私のメールアドレスを入手したらしく、毎日たくさんの詐欺メールがきます。
去年、メールアドレスを変えたのですが、前のメールアドレスに届いたメールも、新しいメール画面に届くように設定してもらいました。そうしないと、私のメールアドレス変更を知らない人もいて、困るでしょうから。

前のメールを管理しているプロバイダーは優れもので、ほとんどの詐欺メールを「迷惑メール」の欄に振り分けてくれます。だから、通常作業には支障はないのですが、時々その振り分けをくぐり抜けて、届くことがあります。
しばしば前のプロバイダーの迷惑メール欄を見て、「また来ているわ」と腹が立ち、「このメールは迷惑メールなので受信拒否します」と報告しています。ところが敵は、毎回少しずつ発信者のアドレスを変えて、送ってくるのです。たまに国名にcnがついたアドレスがあります。
有名なネット企業や銀行名で送ってきます。でも、私はネットバンキングは利用していないし、ETCにいたっては自動車を持っていないのに。「ええ加減にせいよ」と叫びたくなります。

と書いていたら、18日の朝日新聞に「フィッシング詐欺、夏秋増加 中国拠点グループ、春節に備え稼ぐ? 偽サイト注意を」が載っていました。
・・・フィッシング詐欺は、「本人確認のお知らせ」といったメールが届き、リンク先を本物と思い込んで会員番号やパスワードを入力してしまうと、情報が詐欺グループなどに渡ってしまう詐欺だ。
セキュリティーの専門家らからの報告をまとめている一般社団法人「JPCERTコーディネーションセンター」によると、2022年は約2万9千の偽サイトが確認され、約3300だった17年の約9倍になった。
月別に見ると、今年1、2月に確認された偽サイトの数は約1500~1700で、昨年7~9月は約2500~2600件だった。佐條研・マルウェア(悪意あるソフト)アナリストは「偽サイトの確認数は1~2月に少なく、夏から秋にかけて増える傾向がある」と語る。
こうした季節変動についてセンターは理由を明言しないが、サイバー犯罪に詳しい関係者は、偽サイトの多くが中国のシステムを経由していることから、春節(旧正月)が関係しているとみる。
「中国を拠点にしている詐欺グループが、春節に帰省したり、旅行したりするために冬は少なく、それまでに稼ごうとして、夏から秋にかけて増えるのではないか」・・・

人を主語にした記事

2023年9月21日   岡本全勝

9月12日の朝日新聞「新聞記者の文章術 新聞を面白くするには」、大鹿靖明・編集委員の「人と、その言動 ストーリー際立つ」から。

・・・人間ほど興味深いものはない。愉快な人、すごい人、ざまあみろと言いたくなる人。新聞記事は「5W1H」が不可欠とされるが、実は「誰が」にあたる「Who」があいまいだったり、「幹部」「関係者」と匿名だったりすることが少なくない。「財務省は」などと役所や企業を主語にした記事も多い。人物紹介欄も「人間」を書き切るには小さなスペースだ。

読者をひきつけるのは「人」。それを実感したのは、新聞を離れてAERA編集部に在籍した9年半の雑誌経験だった。在籍中、省庁や大企業を書くときに、人物に着目して書く方法を編み出した。
東京電力の原発事故の記事では、勝俣恒久会長の生い立ちをさかのぼり、その言動を交えて書く。浮かび上がったのは「慢心」だった。日本航空の倒産を描くときには、財務部門出身者として再建役を期待されて登板したのに、会社更生法の適用の申請に追い込まれた西松遙社長を主人公に据えた。つまり「期待外れ」。こうすれば、官報みたいな経済記事がストーリーに変わる・・・

・・・「財務省は」ではなく「財務省の神田真人財務官は」と書き出せば、従来と違う記事に仕上がりそうである。Whoに着目すれば、新聞はもっと面白くなる・・・

葬祭扶助費の増加

2023年9月20日   岡本全勝

各紙が、生活保護費の葬祭扶助費の増加を伝えています、例えば、9月7日の読売新聞「葬祭扶助費 最多104億円 21年度 困窮者 独居や疎遠で」。

・・・生活困窮者が亡くなった際の火葬代などとして支給される葬祭扶助費の支給額が2021年度、過去最高の約104億円にのぼったことがわかった。生活に困窮する独居高齢者や故人の引き取りを拒否する親族の増加が背景にあり、多死社会における公的支援のあり方が問われている・・・

一人暮らしが増え、生活困窮費でなくても、身寄りがなくなくなった人の葬式をどのように社会が負担するかの問題になっています。

何もなくて当たり前

2023年9月19日   岡本全勝

9月10日の読売新聞、石浜友理・社会部主任の「「何かある」を探し「何もない」を敬う」が、考えさせる主張でした。

・・・新聞記者は「何かある」と忙しい。社会部の場合、大きな事件事故や災害が起きると、チームを組み、休日返上で取材に奔走する・・・
社会に伝えるべき情報はあるか。特ダネはどこに——。記者はいつも、「何かある」を追い求めている。

そうした心持ちで仕事を続けてきたため、皇室取材を担当した時、「何もない」ことに至上の価値を置く人たちと出会い、カルチャーショックを受けた。皇室の護衛や皇居の警備に当たる皇宮警察の護衛官である。
平成時代の2013年10月の園遊会は忘れられない。在位中の上皇ご夫妻の様子を取材していると、突然、招待されていた国会議員の一人が上皇さまに手紙を差し出した。「何か」が起き、前代未聞の事態に報道陣は騒然となった。手紙は原発事故の現状などを訴えるものだったとされ、この議員は国会で「天皇の政治利用」と批判を浴びた。
実はこの時、皇宮警察にも「そばにいた護衛官が阻止すべきだったのでは」と厳しい意見が寄せられていた。もし危険物だったら取り返しがつかなかったとの声も。「何もないこと、何も起こさせないことが我々の仕事だ」。そんな皇宮警察幹部らの自戒を込めた言葉を聞き、彼らの中に記者とは逆の行動原理があることに気付いた。

この原理は警察当局に限らないようだ。今夏、コロナ禍で4年ぶりに花火大会を開催した主催者からも同じような言葉を聞いた。
東京都足立区の花火大会は、雑踏警備の態勢を大幅に強化し、大過なく終了。区観光交流協会事務局長の坂田光穂(みつお)さん(62)に「100点満点でしたね」と水を向けると、こう返された。「いや、ゼロです。何か起きればマイナスに引き算されるが、何もなくて当たり前だからゼロ」・・・