カテゴリーアーカイブ:社会の見方

毎年同じことを講義した教授

2023年11月25日   岡本全勝

読売新聞連載「時代の証言者」化学者の岡武史さん、11月23日に次のような文章があります。こんな時代があったのですね。それとも、自分で勉強せよという時代だったのでしょうか。

・・・1951年春に東大に入り、最初の2年間は駒場キャンパス(東京都目黒区)での教養課程です。これはよかった。まだ有名になっていない、新進気鋭の先生方が素晴らしいんです。好きな数学はもちろん、近代経済学なども、ズバズバッとよく分かる講義でした。
ところが、理学部化学科へ進み、本郷キャンパス(文京区)で講義を受け始めたら、全く面白くない。化学教室の先生方はもう堕落しててね。ある先生なんか、1学年上の人から貸してもらったノートと、話すことが冗談まで一言一句同じ。何十年一日のごとく、毎年同じものを読み上げていたのでしょう。偉い先生はとにかく威張ってばかり。

ちょうど学外の活動で忙しくなったこともあって、大学へ行くのは、学生同士で自主的に専門書や論文などを読む輪講くらいになりました。朝4時に起きて自習した後、8時から10時頃まで輪講をして、偉い先生方が講義室へ来る時間になると、僕は大学から逃げ出していました・・・

クラウドファンディング

2023年11月24日   岡本全勝

クラウドファンディングという言葉を、よく聞くようになりました。上野の科学博物館が実施したところ、1億円の予定に9億円集まったとか。ところで、クラウドファンディングという言葉は、分かったようでよく分からないので、調べました。

クラウド(群衆)とファンディング(資金調達)組み合わせた言葉とのことです。ウィキペディアによると、「多数の人による少額の資金が他の人々や組織に財源の提供や協力などを行うことを意味する」。
インターネットで使われるクラウドは雲ですが、こちらは群衆なのですね。

さらに、「クラウドファンディングという言葉はカタカナ語としては新しい言葉ではあるが、後述の通り古くから使われている言葉である。また、全く同じ意味としてロシア語由来のカンパという言葉もある」
なるほど。それなら、募金と言えばよいのに。あるいは特定目的募金でですかね。
(追記)
読者から、「群集型資金構築」ではどうかという提案がありました。

次のような説明もあります。
「クラウドファンディングは資金提供者に対するリターン(見返り)の形態によって下記の3類型に大別される。
・金銭的リターンのない「寄付型」
・金銭リターンが伴う「投資型」
・プロジェクトが提供する何らかの権利や物品を購入することで支援を行う「購入型」」

商品だけでなく、事物にもカタカナの名前を付けて新奇性を売ることが多いです。でも、内容を理解してもらい、長く覚えてもらうなら、従来からある日本語を使うとか、それを改変して新語を造るべきでしょう。このような言葉は関係者がつくりますが、それをそのまま使う報道機関に責任があると思います。

新聞は人が書くので信用できない?

2023年11月21日   岡本全勝

11月5日の朝日新聞「日曜に想う」、沢村亙・論説主幹代理の「偶然を楽しむ、人生が広がる」に次のような話が載っています。

・・・4年前の本紙オピニオン欄で、作家の真山仁さんが、高校生21人とジャーナリズムをテーマに議論する企画があった。
毎朝、新聞を読んでいたのは1人だけ。「新聞が信用できない」に挙手したのは7人。ここまでは想定できた。ショックだったのは、その理由だ。
人が書く記事は主観が入るので正しい情報ではない。つまり「人が伝えること」への不信である。人工知能(AI)が記事を書くことに「良い方法です」という反応もあった・・・

東海道新幹線の切符の表記

2023年11月20日   岡本全勝

先日の大阪から帰り、東海道新幹線車内での出来事です。名古屋駅を出発したら、近くの席で2人の人が話をしています。アジアからと思われる女性(Aさん)が座っていて、後から来た日本人女性(Bさん)が「ここは私の席です」と切符を見せています。Aさんも切符を出して、Bさんに見せました。Aさん曰く「あなたの列車はこれではありません。しかも、あなたは浜松に行きますが、この列車は浜松に止まらず新横浜に行きます」と説明しました。どこまで通じたかは分かりませんが、Aさんは困った様子です。車掌さんを呼びに行って、Aさんは自由席に誘導されたようです。

私は、Aさんは困るだろうなあと思いつつ、なぜ間違ったのかと、Aさんの失敗を考えました。自分の切符を出してみると、概略次のような記載がありました。
「11月16日 新大阪(20:33)→東京(22:57)のぞみ58号 5号車6番E」
どこにも英語表記がありません。そのことに、初めて気がつきました。
これじゃあ、外国からの旅行者は困りますよね。彼女が持っていた切符が、私のものと同じ表記だったかは確認できませんでしたが。韓国で列車に乗って切符の表記がすべてハングルでは、私も困ります。新幹線には、たくさんの外国人が乗っています。早く、英語を併記すべきでしょう。

調べると、希望すれば英語表記か併記した切符を買えるようですが、併記した方が便利ですよね。
「・英語を併記したきっぷをご希望の場合は、きっぷうりばの係員にお申し付けください。
・きっぷを指定席券売機でお求めの場合は、最初に「English」ボタンを押し、画面表示を英語に切り替えて操作していただきますと、英語が併記されたきっぷを発売いたします。」

変容する米国

2023年11月20日   岡本全勝

読売新聞が11月1日から7日まで、「変容する米国」を連載していました。なかなか読み応えのある内容でした。読んで思ったことは、アメリカも、あるいはアメリカは変化を続ける社会だということです。それが、この企画の趣旨でしょうが。そしてその変化は、単線的にあるいは問題なく進むのではなく、国民の間に軋轢を生みながら、解決を模索し続けているということです。
例えば第5回「軍 進むLGBTQ配慮 共和「戦力損なう」反発」は、男性中心だった軍隊が性の多様性を受け入れつつある実態です。しかし、すんなりとはいきません。日本も今後、このような事態になるのでしょうね。

・・・米軍では1993年、民主党のクリントン大統領時代に同性愛者について「尋ねず、明かさず」(Don’t ask, don’t tell)とのルールが導入された。組織内で問われない代わりに、沈黙を保つことを義務付けられた。
このルールが民主党のオバマ政権下の2011年に撤廃されるまで、公言したことを理由に1万3000人以上が除隊させられた。うち約2000人は名誉除隊にならず、退役軍人としての恩恵を奪われた。バイデン政権は、名誉除隊の再指定に向けた取り組みを進めている。米軍人が性別変更の手術を受ける場合は同省が費用を負担し、その間は従軍を免除される。
共和党や退役軍人などの間では、こうしたLGBTQ(性的少数者)への特別な配慮が、米軍の戦力を損なっているとの考えが根強い。トランプ前大統領は17年、トランスジェンダーの米軍入隊の再禁止を指示した。

元米陸軍中将のトーマス・スポール氏(65)は、トランスジェンダーの軍人がうつ病などにかかりやすく、心の健康を崩す割合が障害を持たない人の10倍との調査結果を挙げ、「精神的な負担が重い軍に受け入れるべきではない。手術や精神疾患のケアで部隊から離れる時間も、軍の即応力を低下させている」と主張する。
米議会下院は今年7月、共和党が主導し、性別変更の手術を負担することを廃止する内容を含む法案を可決した。民主党が多数を占める上院では可決されない見通しだが、LGBTQをめぐる党派対立は激化の一途をたどっている・・・