カテゴリーアーカイブ:社会の見方

デジタル国際収支、5兆円の赤字

2024年1月30日   岡本全勝

1月16日の日経新聞1面連載「昭和99年 ニッポン反転(11)」は「デジタル小作人、米に貢ぐ5兆円 稼ぐ日本「壊」より始めよ」でした。

クラウドなどアメリカの情報産業への依存が高まり、日本の国際収支は5兆円を超えます。デジタル化を進めるほど、アメリカ企業への支払いは増えます。記事ではそれを「デジタル小作人」と表現しています。

・・・クラウドの草分けは米アマゾン・ドット・コム。リスクを取って赤字覚悟の投資を重ね、コンピューターサービスの新市場を創出した。01年にはメインフレーム(大型汎用機)で世界シェア4割を握っていた日本の影はもはやゼロに近い。
日米の明暗を分けた誤算は何か。変化の速さというデジタルの本質を見失った点にある。マサチューセッツ工科大学のマイケル・クスマノ教授は「日本はソフトウエアを製造業として捉えてしまった」と指摘する。

米企業はサービスを運用しながら顧客と対話を重ね、失敗をいとわずに自らの意思と知恵で新たなサービスを素早く作り変えていく。対照的に日本はIT(情報技術)企業が顧客から丸投げされた提案を、忖度しながら作り込む。
顧客に納める以上、ミスは許されない。綿密に擦り合わせるため、時間がかかり技術は陳腐化する。失敗を避けるもたれ合いの構造が生まれ、進化を阻んだ。
オランダの社会心理学者ヘールト・ホフステード博士が開発した国民文化を測るモデルがある。日本は不確実性を回避する傾向がロシアなどに続いて高く、世界で2番目に完璧さを好む国だ。逆に変化を恐れない傾向が顕著だったのは北欧。デジタル競争力ランキングの上位に名を連ねる・・・

海外に増える和食店

2024年1月26日   岡本全勝

2023年の海外における日本食レストランは約18.7万店で、2021年の約15.9万店から2割増だそうです。農水省資料「海外における日本食レストランの概数」(2023年10月13日)

2006年には2.4万店でした。2013年に5.5万店、2017年に11.8万店、2019年に15.6万店と急速に増えています。地域別では、北米28,600店、欧州16,200店、アジア122,000店です。
フランス料理店や中華料理店は、世界にどれくらいあるのでしょうね。

英才教育の限界

2024年1月25日   岡本全勝

1月7日の朝日新聞「天才観測5」「育てる 大成の条件「才能」だけでは」から。

・・・「特定分野に特異な才能のある児童生徒への支援の推進事業」。文部科学省が「これまで我が国の学校において取組はほとんど行われてきませんでした」と今年度から始めたのは、天才児、ギフテッドと呼ばれるような子への支援だ。
ただ、民間でのギフテッド教育で先行するNPO法人翔和学園(東京都中野区)の中村朋彦さんは「高レベルの集団で英才教育をする、そんな単純なものではなかった」と振り返る。

発達障害者支援のフリースクールを運営する中で、IQ(知能指数)が高い子の存在に注目した。「未来のエジソンやアインシュタインを育てる」と2015年、IQ130以上の小学生を選抜した特別クラスを設けた。子どもが興味あるテーマに特化した学習を行い、外部から有識者を招いた講義も。学習発表では、小学生が相対性理論について言及もした。
ところが、将来の働き場と想定したIT企業の技術者や大学の研究者らを視察に招くと「形式的な知識はあるが、基本的概念の理解が浅い」と評価が芳しくなかった。選抜して特別扱いしたことによる弊害からか、周囲の助言にあまり耳を傾けない、実験に失敗した時の諦めが早いといった傾向も見受けられるように。
「子どもたちの能力うんぬんでなく、私たちの指導方針が誤っていた」と特別クラスは18年に解体。教訓は「発達に飛び級はない。やはり基礎学力、協調性、やり抜く力が大事」ということ・・・

判断遅い日本企業

2024年1月23日   岡本全勝

1月5日の日経新聞「「判断遅い」日本企業に警鐘」から。

・・・日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)は2023年に友好協力50周年を迎え、24年は次の50年へ歩み出した。日本企業の東南アジア事業を巡る環境は急速に変わりつつある。日系と多くの合弁を手掛けるタイ財閥サハ・グループのトップは、中韓勢の台頭を念頭に「日本企業の判断は遅く、このままでは競争に負ける」と警鐘を鳴らす・・・

・・・日本企業は長期で信頼関係を構築する傾向があると評価した上で、事業運営では「従来のステップ・バイ・ステップを踏襲しており判断が遅い。(革新の)スピードが速い今の世界には合わない」と指摘した・・・
・・・日本企業の体質を変える鍵として、若い世代の登用を挙げた。「昔の世代は古い考えや経験を重視するが、現在必要なのは若い世代の新しい発想だ」と強調した・・・

フランス語に「我慢する」はない

2024年1月20日   岡本全勝

日経新聞1月7日の別刷りに、カルティエ・プレジデント(会長ということでしょうか)のシリル・ヴィニュロンさんの経験が載っています。

日本人である妻から、「我慢する」のフランス語訳を聞かれて、困惑したそうです。「なぜなら、フランス人は我慢しないから。すぐに文句を言ってストライキするから。我慢の仕方を知らない」

一方で、日本人は愛の表現が苦手だそうです。愛を表現するフランス語は、数多く存在するとのこと。