4月10日の朝日新聞が、「3・11後、私は変わったか」というインターネットによるアンケート結果を載せていました。詳しくは記事を読んでいただくとして。気になったのは、「何も変わらない。ただむなしさだけを感じています・・」といった意見があることです。
私は拙著『復興が日本を変える』の「はじめに」で、次のように書きました。
・・・「東日本大震災が大きな被害をもたらしたのに、日本社会は変わっていない」という人もいます。しかし、私は、この言い方について、次の2つの面から疑問があります。
まず、大災害が起きたら、社会は変わるものでしょうか・・・社会に大きな衝撃を与え、国民の意識を変えたとしても、それだけでは社会は変わりません。その衝撃をきっかけに、国民が行動を起こし仕組みを変えなければ、日本社会は変わりません・・・
・・・次に、東日本大震災によって、日本社会は実際に変わったのかどうか。私は、日本社会は変わったし、変わりつつあると考えています。その中で、私たちには今、何をどのように変えようとしているのかが、問われているのです。「大災害が起きたら社会は変わる」というだけでは、何がどう変わるかがわかりません・・・
この投書の方が、どのように社会や自らを変えようとされたのか、またそのためにどのような努力をなさったのか、わかりませんが。待っているだけでは、社会も個人も変わりません。社会や政治は、私たち個人の「敵」でもなく、誰か別の人たちが作っているものでのありません。私たちが作るものです。「何をしても変わらない」というのは、無常観の表れでしょうか。「何も変わらない」というのは、誰かが変えてくれるのを待っているのでしょうか。
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若者の見方、将来は明るい
朝日新聞4月8日朝刊1面の世論調査結果から。今回の調査18歳、19歳の人3千人を対象にして、回収率は70%です。
収入などの格差については、「行き過ぎている」と考える人が59%、収入などの格差があるのは「社会のしくみによる面が大きい」とした人も59%です。いまの日本は、努力しても「報われない社会だ」と考える人も56%。収入や就職の面で、若い人たちが「自立しにくい社会だ」とした人は82%にもなります。他方で、 自分の将来について尋ねた質問では、「明るい」とみる人59%が「明るくない」30%を上回っています。これはよい結果ですね。
建築の職人さん
富山県建築士会が、『建築職人アーカイブ―富山の住まいと街並みを造った職人たち』(2016年、桂書房)を出版しました。
家を建てる際にお世話になる職人さんたちの紹介、聞き語りです。木挽、製材、大工、左官、瓦葺き、畳、造園などなど。聞けば、知っている職人さんたちです。大阪城を建てたのは誰か、というなぞなぞがあります。答は豊臣秀吉ではなく、大工さんです。でも、大工さんだけでは家はできないのですよね。建築士会は、建築士=設計者の団体です。社会的地位も高く、有名な建築家や事務所は知られています。それに比べて、職人さんたちは身近な存在であり、「高名」ではありません。しかし、職人さんがいなければ、家は建ちません。
私も読み始めましたが、なるほどと勉強になります。私の家も、この人たちにお世話になって、できたんですよね。
畏友の小林英俊さんから、「宣伝せよ」との指示が来たので、紹介します。小林さん自身が建築士で、この本の編集を担当しました。私にとっては、富山県庁時代のバンドマスターです。当時は、県庁職員でした。ほかにも専門家的趣味があり、異能の人です。睡眠時間を削って、頼まれた仕事や頼まれもしない仕事をする、「偉大な世話役」です。
鉛筆
3月5日の朝日新聞別刷りbe「サザエさんをさがして」は、鉛筆がテーマでした。国内の鉛筆生産量は、1966年の962万グロス(1グロスは12ダース)がピークで、1985年頃にボールペンに逆転され、近年はボールペンが1026万グロスに対し、鉛筆は137万グロスです。
三菱鉛筆によると、1994年にはHBが5割弱だったのが、2014年には2割に減り、太くて柔らかい2Bが2割から4割に増えたのだそうです。HBを使っていた大人がボールペンに移行し、子どもが使う2Bが残っているということでしょうね。
私もボールペンと万年筆なので、鉛筆は使いませんねえ。ボールペンは、もっぱら三菱のジェットストリームです。ぺんてるのサインペンのプラマンもよく使っていたのですが、部下への指示書を書くことが少なくなり、使うことが減りました。「知的生産の技術」「知的生産の技術2」。
サイバー攻撃
朝日新聞同様日別刷りbe、1月23日フロントランナーは、サイバーセキュリティ技術者の名和利男さんです。
1昨年、日本に「着弾」したサイバー攻撃は、前年の倍の250億件余りとのことです。とんでもないことに、なっているのですね。弾が飛んでくるところが見えない攻撃と、防御なので、私たちにはなかなかピンときませんが。見えないところで、日夜闘っている人たちに、感謝します。