6月30日に、2005年の国勢調査抽出速報が出ました。昨日の続きです。もう一つのポイントは、働く高齢者が22%だということです。日本はヨーロッパ先進諸国に比べ、異常に高いのです。フランス1.2、ドイツ2.9、イタリア3.4で、アメリカが14.4です。一様に、「諸外国では、仕事以外の人生の楽しみを見いだしている」と解説しています。それもあるのでしょう。また、「健康なうちは働かないと、怠け者に見られる」という説もあります。このほかに、「仕事が生き甲斐だ」「自分の居場所を確保したい」ということもあるでしょう。私の父がそうです。「もう隠居したら」という私の意見に、耳を貸そうとしません。家族も「仕事を取ったら、おじいちゃんはぼけてしまう」と言っています。
私も、労働とはいいませんが、元気なうちは社会に役立ちたいです。隠居という言葉にもあこがれているのですが。庭のない住まい、地域コミュニティに参加していない身としては、退職後、生き甲斐をどこに見いだすか。それが問題です。職員からは、「課長。退職後、福本補佐と一緒に職場に顔を出さないでくださいよ」とか「福本補佐と飲んでから、職員を呼び出さないでください」「昔の自慢話をしないでください。絶対するでしょ」と、今から防御線を張られています。
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生き様-生き方
中高年の楽器入門
20日の日経新聞「セカンドステージ」に、「あこがれの音色、挑む50代」「売れる楽器、教室も盛況」が載っていました。「ピアノ、サックス、バイオリンなど誰もがあこがれる楽器の演奏や弾き語り。・・挑戦する中高年が増えてきた。50代からの楽器入門を・・」。
へっへへ、小生は11年前、39歳でフルートを始めました(表紙の似顔絵)。最初はヤマハ音楽教室に通って、ごくごく基礎を教えてもらいました。しかしその後、記事の中にあるように、やはり独学では上達しませんでした。富山でグループに入れてもらって、少しはましになりました(本人にとっては長足の進歩です)。その後、東京に戻ってまた一人になり、時間もとれなくて退歩の一途をたどっています。
記事の中に、「楽器別人間学」が表になっていました。フルートは、クールでどことなくクリスタルなイメージ。トロンボーンは、飲んべえ多し、のんきなタイプで誰からも愛される、などなど。うーん、当たっているような、そうでないような。他の楽器も載っているので、ご覧下さい。
ニワトリの幸せ
東京大学出版会PR誌「UP」8月号に、佐藤衆介東北大学教授が「動物たちの『幸せ』とはなにか」を書いておられます。「空調が利いた室内で、餌や水が目の前にあり、糞をしても金網床のために下に落ち衛生的である飼い方と、日陰と日向が混在するため暑さ寒さに対応して場所を自ら選択しなければならず、土間にワラが敷かれ、その上から餌がまかれることで探さなければ餌をとれない屋外飼育をニワトリに選択させた。すると、ニワトリは後者を選んだ」
「前者の飼育環境で長期間飼うと、つつき行動が仲間のニワトリに向けられ、時には相手を傷つけたり・・・。眠りは浅く、運動不足で骨軟化症や骨粗しょう症が多発する。刺激の少ない環境のせいか、ちょっとした刺激に過剰に反応し、ストレスホルモンのひとつである血中コルチコステロイド量が急上昇する」
われらサラリーマンも、身につまされます・・。
気になる言葉
20世紀初めにイギリスの外務大臣を務めたエドワード・グレイ卿が、人生を幸福にする要素として、次の4つを挙げています。1は、行動のモラル。2は、良き家庭と友。3は、有意義な仕事。4は、ある程度の閑暇とその使い方(林望著「リンボウ先生の閑雅なる休日」2005年、集英社文庫からの孫引きです)。
大英帝国華やかなりし時代の政治家ですから、お金や財産が入っていないことは、この際問わないこととしましょう。しかし、その第一が「行動のモラル」であることは、我が意を得ました。卿が挙げた2・3・4と、お金が十分でなくても、これが我が人生を満足できるものとするのでしょう。また、いくらお金やその他の要素に恵まれても、この要素がなければ、我が人生は満足できないでしょう。
まだまだ、人生訓を説く身分ではないのですが。先日から気になっていたので、忘れないために書いておきます。
わたくし流
林望著「帰宅の時代」(新潮社、2005年)の表題が気になって、また、リンボウ先生の本は結構好きなんで、読みました。「会社人間だけではだめ」という私の主張(「新地方自治入門」p322、「明るい係長講座」)が、より過激に、リンボウ先生流に書かれています。「アフター5はクールに別れる」「家に帰ろう」「ファッションは何を着るかではない」「他人と違うことに誇りを持て」などなど、うなずくところが多いです。
「勤務時間外まで、仕事でつきあわず、自分の時間を持て」という主義を、私も実行しつつあるのですが、なかなか徹底するのは難しいです。でも、会社も役所も最後まで面倒を見てくれないことが見えた今では、時間外まで組織に忠誠を尽くすより、自分の時間を作ることは必要ですよね。
そのほか、「家庭は個人主義の学校」という主張は、眼を開かれました。家族だって、違った主張や個性を持った存在であり、それが同居していることの意義についてです。