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生き様-生き方

ニワトリの幸せ

東京大学出版会PR誌「UP」8月号に、佐藤衆介東北大学教授が「動物たちの『幸せ』とはなにか」を書いておられます。「空調が利いた室内で、餌や水が目の前にあり、糞をしても金網床のために下に落ち衛生的である飼い方と、日陰と日向が混在するため暑さ寒さに対応して場所を自ら選択しなければならず、土間にワラが敷かれ、その上から餌がまかれることで探さなければ餌をとれない屋外飼育をニワトリに選択させた。すると、ニワトリは後者を選んだ」
「前者の飼育環境で長期間飼うと、つつき行動が仲間のニワトリに向けられ、時には相手を傷つけたり・・・。眠りは浅く、運動不足で骨軟化症や骨粗しょう症が多発する。刺激の少ない環境のせいか、ちょっとした刺激に過剰に反応し、ストレスホルモンのひとつである血中コルチコステロイド量が急上昇する」
われらサラリーマンも、身につまされます・・。

気になる言葉

20世紀初めにイギリスの外務大臣を務めたエドワード・グレイ卿が、人生を幸福にする要素として、次の4つを挙げています。1は、行動のモラル。2は、良き家庭と友。3は、有意義な仕事。4は、ある程度の閑暇とその使い方(林望著「リンボウ先生の閑雅なる休日」2005年、集英社文庫からの孫引きです)。
大英帝国華やかなりし時代の政治家ですから、お金や財産が入っていないことは、この際問わないこととしましょう。しかし、その第一が「行動のモラル」であることは、我が意を得ました。卿が挙げた2・3・4と、お金が十分でなくても、これが我が人生を満足できるものとするのでしょう。また、いくらお金やその他の要素に恵まれても、この要素がなければ、我が人生は満足できないでしょう。
まだまだ、人生訓を説く身分ではないのですが。先日から気になっていたので、忘れないために書いておきます。

わたくし流

林望著「帰宅の時代」(新潮社、2005年)の表題が気になって、また、リンボウ先生の本は結構好きなんで、読みました。「会社人間だけではだめ」という私の主張(「新地方自治入門」p322、「明るい係長講座」)が、より過激に、リンボウ先生流に書かれています。「アフター5はクールに別れる」「家に帰ろう」「ファッションは何を着るかではない」「他人と違うことに誇りを持て」などなど、うなずくところが多いです。
「勤務時間外まで、仕事でつきあわず、自分の時間を持て」という主義を、私も実行しつつあるのですが、なかなか徹底するのは難しいです。でも、会社も役所も最後まで面倒を見てくれないことが見えた今では、時間外まで組織に忠誠を尽くすより、自分の時間を作ることは必要ですよね。
そのほか、「家庭は個人主義の学校」という主張は、眼を開かれました。家族だって、違った主張や個性を持った存在であり、それが同居していることの意義についてです。