20日の日経新聞夕刊1面コラム「あすへの話題」に、外山滋比古教授が「転がる石」を書いておられました。
イギリスでは、「転石苔を生ぜず」ということわざが、住まいや職を転々と変える人間は成功しない、という意味になります。アメリカでは、逆に、有能、活発な人は常に新鮮だ、という意味になります。
日本では、長くイギリスの意味で使っていましたが、戦後、アメリカの意味に変化しつつあると、先生は指摘しておられます。
私が思うに、成長過程にある人、成功を求めて努力する過程の人は、アメリカ流解釈なのでしょう。成功したら、イギリス流の発言もできるようになります。もちろん、変わるといっても、筋を通さず、言動がころころ変わる人は信頼されず、成功しないでしょう。
カテゴリー別アーカイブ: 生き方
生き様-生き方
高校の同窓生
今日は、またまた、高校の同窓会の幹事会。会議が終わったあとの、2次会が大変です(笑い)。
「あの先生が、お亡くなりになって・・」「えー、まだお若いと思っていたのに・・」と、話がはずみます。
みんな、自分が18歳の時を基準に、話をします。その時30歳だった先生は、今は67歳です。当時50歳だった恩師は、今は87歳です。しかし、私たちの映像は、昭和48年で止まっています。そして、自分たちが55歳になったこと、当時の先生たちより歳を取ったこと、さらに子どもたちが当時の自分たちより年上になったということを、すっかり忘れています。
新しいトラックをつくる・石井裕さん
(新しいトラックをつくる・石井裕さん)
日経新聞2月19日夕刊「人間発見」、MITメディア研究所副所長、石井裕さんの発言「出すぎた杭は打たれない」から。
・・真の競争は、100メートルを早く駆け抜けることではありません。競技トラックもストップウオッチも、競技のルールすらない原野をただ一人で孤独に耐えて走り、そこに新しいトラックをつくっていくことにあります・・
人生を越えた時間
週末に、東京国立博物館の「皇室の名宝」と、皇居東御苑での「御即位20年記念特別展」を、見に行ってきました。千年の時を越えて引き継がれてきた正倉院の品々や平安時代の書。
青銅器には、もっと古いものがあります。3,000年と聞くと、それだけで圧倒されます。私は、青銅器も好きなのですが。しかし、土の中から発見されたものと違い、壊れやすく燃えやすい書が保存されたというのは、大変なことですね。
即位礼の儀式も、一部復活されたものがありますが、奈良平安の古式が引き継がれています。
「伝統」と言えばそれまでですが、その重みは大きいです。先日、人生にとっての20年の意味を書きました(11月12日の項)。他方、このように千年や二千年にわたって引き継がれるというのは、人為を越えた時間ですね。
活躍する年代・明治維新
朝日新聞12日の夕刊「窓」に、「維新に見る世代の力」が載っていました。
ペリー来航時の、英傑の年齢です。西郷隆盛27歳、大久保利通24歳、吉田松陰24歳、木戸孝允21歳、高杉晋作15歳、井伊直弼39歳、勝海舟31歳、徳川慶喜17歳、松平容保19歳。もちろん、井伊直弼以外が活躍するのはこの後ですから、もう少し歳を取ってからです。それでも、明治維新は15年後です。
日本人の寿命が短かった時代ですが、改めてみんなの若さに驚きます。