朝日新聞2月3日スポーツ欄、「日本代表前HC・エディ氏が語る勝利の条件」から。
・・・こんな言葉があります。「同じことを繰り返しながら、違う結果を求めるのは、狂気の沙汰だ」
成長するためには、何かを変えないといけない。私が日本代表を指揮していたとき、選手が安住していた環境をぶっ壊し、彼らを極限まで追い込み続けました。日本人は、従順であるように教育されている。だから、全てをひっくり返す必要があったんです。
(五郎丸が自立)
彼らが自立性を持ち、自己主張するように促しました。田中史朗は当初、最も主張する選手の一人でした。間違っていたとしても、自分の考えを伝えてくる。そんな姿勢が好きでした。田中の存在が周りに勇気を与え、ほかの選手を成長させた。
W杯を終えたとき、自立性という意味では、彼を上回る選手もいた。五郎丸歩は、最初の頃のミーティングでは下を向き、誰とも目を合わせようとしなかった。だが、最後の頃は、始まる2秒前に部屋に来ながら、臆せず一番前に座り、質問していた。これらが変化の好例です。
(自分で考える)
昨年のW杯で、日本が成し遂げたことは世界を驚かせました。しかし、過去の結果が、将来も成功できる保証にはならない。日本は変わり続け、前進し続けなければいけない。今後もまた、新しいスタイルを作らないといけないのです。
「偉大な選手になりたい」。日本の若い人には、その決意を強く持って欲しい。そのためには、コーチからの指示をきちんとこなし、その上で、進化する道筋を自ら考え、実践することが必要です。
コーチからやれ、と教えられることは最低限のこと。プロテニスの(元世界ランキング1位)ロジャー・フェデラーに細かなことまで言うコーチはいない。基本こそ学ぶが、そこから自らの考えでショットを磨いていったのでしょう。自分で考えてやる。その意識を日本の選手も持って欲しいと思っています・・・
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生き様-明るい課長講座
職場のストレスチェック
職場でのストレスチェックが、昨年12月から義務化されています。復興庁でも、毎年、職員のストレスチェックをしています。今年も、実施中です。厚労省のホームページに、5分でできる「ストレスセルフチェック」が載っています。一度お試しください。私も、職場とこの厚労省のと、両方をやってみました。
さて、管理職の私からすると、私自身のチェック結果より、職員たちの方が気になります。そして、このチェック項目が参考になります。ストレスの原因として、次のような因子が上がっています。
心理的な仕事の負担(量と質)、仕事のコントロール度、職場環境によるストレス、職場の対人関係でのストレス。
そして、それを緩和する因子として、上司からのサポート、同僚からのサポートなどが上がっています。
すなわち、部下を持った皆さんには、この原因となる要因と緩和する要因を頭に入れて、職場作りをしてもらいたいのです。さらに言うと、あなたが部下のストレスの原因になっていないか、自戒してください。もっとも、自分の欠点は、自分ではわからないものです。私も反省します。ハイ。
ほめる達人
ほめる達人協会があるそうです。朝日新聞デジタル、2015年12月31日「「ダメ」では人は動かない 日本ほめる達人協会のスゴ技」。
欠点を指摘するより、よいことはすべてを指摘し、悪い点はすぐに直せて効果が大きそうな点1、2点に絞って伝えると、業績が上がったとのこと。本文をお読みください。
女性官僚
秋山訓子・朝日新聞編集委員から、指令あり、「今度出版した書物を読んで、紹介せよ」と。村木厚子・前厚労事務次官と秋山さんの編著『女性官僚という生き方』(2015年、岩波書店)です。宣伝を見て、読まなければと思っていたのですが。復興庁に著者の一人がいて、「次官、読んでください」と持ってきました。佃千加さん、国交省の技官です。読んでいただくとわかりますが(p117)、港湾や流通の専門家です。
5歳のお子さんの母親です。この話を聞いて、私の第一声は、「あんた、ご両親に助けてもらっているんか?」。
私にも娘がいて、共働きです。孫娘を、産休・育休明けから保育園に預けていましたが、孫娘はしょちゅう熱を出すし、夫婦とも急な残業が入って、夕方のお迎えに行けないときがあります。すると、キョーコさんの出番です。私の子ども2人を、どのように育てたのか記憶がなく(というか、ほとんど子育てをしなかったので。反省)、子育てがこんなに大変だと、今になって気づきました。彼女は、夫婦の出身地=おばあちゃんの居住地が遠くて、応援を期待できず、夫婦で頑張ったようです。どうしても、迎えに行けないときは、ベビーシッターさんを雇いました。
今後、多くの職場で、働く若夫婦が増えます。それを受け入れる、体制と理解が必要です。でも、私の若いときに比べ、社会の理解が進んだと思います。かつては、私を含め、家に帰らないことを自慢する男が、多かったのです(これも反省)。もうそんな男は、許されません。どんどん社会が変わって、このような本が出版されなくてもよい時代が来るとよいですね。
それ早く言ってよ。情報共有の課題
NHKのインターネットに、「人脈を共有!? 眠る名刺を資産に」という特集が載っています。NHKには珍しく、特定の会社名も載っています。記事を読んでもらうとわかるように、社員一人ひとりが受け取った名刺を、会社全体で共有する名刺管理サービスです。地下鉄車内の、動画広告にも宣伝が出ていて、良くできた広告だなと思っていました。上司の「早く言ってよ~」が、切なく笑えます。「面識あり編」「またやられた編」。
ところで、このサービスはICT技術を使ったものですが、その元には、会社内での情報共有という問題があります。ICTを使うか使わないかにかかわらず、職員が持っている外部との情報を、上司や会社内でどのように共有するかです。そしてしばしば、「それなら、私は知っていました」とか「それ、早く言ってよ~」がおこります。それは、名刺だけにとどまりません。
記事でも指摘しているように、ある職員が持っている情報は、彼の「財産」でもあります。それを他人に公開すると、場合によっては、彼の財産が減ってしまいます。そこをどう折り合いを付けるか。どこにどのような情報があり、誰が誰を知っているか。これが上司の重要な力です。顔が広い、情報通だという力です。笑えるコマーシャルですが、組織管理論からすると、深遠な問題を含んでいます。
この記事は、若手起業家、そして田舎でやっていることの紹介なのですが、ここでは組織間理論として紹介しました。