「CSIRT(シーサート)」って、ご存じですか。別名、サイバー消防隊、コンピュータがサイバー攻撃に遭った際に、被害を食い止める組織です。サイバー攻撃を火災(放火)とみて、それに対する消防隊です。読売新聞7月20日、「被害拡大防止に必要なサイバー消防隊」をお読みください。
標的型サイバー攻撃が、ひどくなっています。大会社も官庁も被害に遭い、大量の情報が流出する事件が起きています。感染を100%防ぐのは、不可能とみられています。次々と新手のウイルスが出てくるのです。すると、放火されたら、なるべく早く消し止め、「延焼」を食い止めることが重要です。公共の消防隊のほか、各事務所も自衛消防隊が必要です。幹部だけでも、職員だけでも、うまくいかなかった例が紹介されています。組織管理者には、必読です。
カテゴリー別アーカイブ: 明るい課長講座
生き様-明るい課長講座
心が折れる職場、2
続きです。第2章で、「アドバイス上手な上司が部下の心を折る」には、次のような話が載っています。
なぜあの部署では不調者が続出するのか、2人の部下を続けて不調にしたB部長、「それはあなたの仕事です」そのとき課長の心は折れた・・・
部下が困って相談したとき、上司が「それは、あなたが考えることでしょう」と答えます。案を考え直して上司に相談したとき、「それは駄目ですね。考え直してください」と突き返されます。「ではどうすれば良いのでしょうか」と聞くと、「それを考えるのがあなたの仕事です」との返答です。
このように、「できる上司」が部下を壊すのです。私が若い時に、挫折しそうになった経験(連載第2回)と似ていますね。私の連載には、その解決方法も書いてあります。
心が折れる職場
見波利幸著「心が折れる職場」(2016年、日経プレミアムシリーズ)が、勉強になります。
あなたも、職場で鬱になった人や、症状が昂じてやめた人を見たことがあるでしょう。私も、残念ながら、そのような部下を、何人か見てきました。連載「明るい公務員講座」を書いている趣旨の一つも、そのような人を出さない、そのような職場にしたくないことです。
この本の著者は、その道の専門家です。個別ケースは匿名としつつ、生々しい実例が紹介されています。同じ職場でも、鬱になる人ならない人。次々と部下を不調に追い込む上司。切れ者なのに、部下が壊れてしまう上司。長時間勤務がうつ病と比例しないこと。中途半端な研修が、逆効果であることなど。通説と逆のことが、たくさん紹介されています。その点でも、勉強になります。
部下指導に悩んでいる中間管理職には、必読です。「明るい公務員講座」と共通することも書かれています。もっとも、「自分は大丈夫だ」と自信がある上司が、危ないのですが・・。
聞き上手
NHKラジオ第2放送「こころをよむ」4月~6月は「聞き上手のレッスン」です。これは、勉強になります。テキストも発売されています。
「明るい公務員講座」にも書きましたが、相談を受ける際も、相手が助言や答を求めている場合と、話を聞いて欲しいという場合があります。後者の場合に、相手の話の途中で答を言っても、相手は満足しません。
さてこの講座(テキスト)では、自分が「話し手」になろうと思うのでなく、「聞き手」になることを教えてくれます。そして聞くことは、思いやりの心を伝えることなです。黙って聞いているだけでは、聞き上手になれません。例として、次のような場合が出ています。夫が帰宅して「今日、職場でこんなことがあってさ・・・」と愚痴めいたことをいった場合に、妻が「でも、仕事だから仕方ないわね」というのか、「そう。それは大変だったわね」というのとでは、夫の受け止め方は大きく違ってきます。どちらの答え方でも、妻は昼間のできごとの解決には触れていません。でも、夫は後者の場合は、ほっとするのです。
相手が何を求めているかを判断して、受け答えをしなければなりません。これはけっこう難しいことです。まずは、相手の発言をさえぎらないこと、答を早く言わないことです。若いうちは男性より女性の方が上手ですが、歳を重ねると、逆転するという興味深い指摘もあります(苦笑)。
良い上司になるには、的確な判断と発言も必要ですが、聞き上手であることも必須です。上司になろうとしている人、「話し上手な人」は、ぜひお読みください。すごく勉強になります。うなづくことばかりですよ。
私は生来のおしゃべりで、人の話をさえぎってまで話してしまう欠点を持っています。小さいときから注意されていたのですが、この歳になるまで直りませんでした。それでも、若いときに比べれば、かなり改善しました。特に、部下の困りごとを聞くとき、人の意見を聞くときなど、ここぞというときは、じっと我慢します。もっと早く、この本を読めば良かったです。
疲れは、体の悲鳴
6月4日の日本経済新聞「その疲れ、休めのサイン」が、勉強になりました。
2012年の厚生労働省調査によると、4割以上が半年間以上続く慢性的な疲労を感じています。そのうち約2%は、日常生活に支障が出ています。文部科学省の調査でも、45%以上に半年間以上続く慢性的な疲労があります。かつても、疲れているという調査結果もありました。ただ、「大半は一晩寝ればとれるもの」でした。ところが、生活や労働環境の変化に伴い、慢性的な疲労に変わってきたのだそうです。
このような疲労の原因は、1に人間関係の悩みなど「精神的ストレス」ですが、そのほか、過重労働や激しい運動のような「身体的ストレス」と、紫外線や化学物質による「生活環境ストレス」があるようです。「だるい」「しんどい」などの疲労感は、「痛み」「発熱」と並んで体の異常や変調を知らせる3大アラームなのだそうです。睡眠や週末の休みで疲れが回復しないなら、慢性化しつつあると考え、医者に相談するべきと、記事は書いています。
たかが疲れ、しかし、あなどるな疲労です。