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生き様-明るい課長講座

今の職場では女性が活躍できる

8月22日の日経新聞女性欄に、令和入社の女性社員1000人調査(下)「3人に1人「仕事や出世優先」」が載っていました。

今の職場では女性が活躍できる――。令和以降に大学や大学院を出て社会人になった女性の75.5%がそう感じていることが、日本経済新聞社の調査で分かった。また3人に1人は「仕事や出世を優先する働き方が理想」と回答。若手女性社員らが、女性活躍や昇進に前向きなイメージを抱いている様子が浮かんだ。
「今勤めている会社は女性が活躍できる職場か」との問いに「とてもそう思う」「ややそう思う」と答えた人は、4分の3を占めた。

会社や社会は、着実に変わりつつあります。

夏休みの宿題と残業時間

8月21日の読売新聞、森川暁子・編集委員の「自分に気づける 夏休みの宿題」から。

2018年、学習塾「明光義塾」が小学5年〜中学3年までの子を持つ保護者600人に、子供が前年の夏休みの宿題にどう取り組んだかを尋ねたインターネット調査がある。
「計画を立て、コツコツ」が34・2%で「計画はなく、気が向いたときに」が39・2%。案外ちゃんとしてると思ったが、「終了間近にまとめて」(15・7%)と「夏休み中に終わらなかった」(3・8%)を合わせ約2割ギリギリ組がいた。

兵庫県立大准教授の黒川博文さん(34)(行動経済学)らは16年、ある会社の協力を得て労働時間に関する調査を行った。回答者はオフィスワーカー146人。性格など個人の特性を尋ねる中で、子供のころの夏休みの宿題についても質問した。
残業時間と照らし合わせると、夏休みの宿題を遅くやった人ほど、午後10時以降の深夜残業時間が長かったという。「宿題をするのが遅いというのは、努力を後回しにし、楽しいことを優先することです。大人になっても一部、そうした後回しの傾向が残るのでは」と、黒川さん。残業の理由はそれだけではないだろうが、深夜にこの原稿を書きながら身につまされた。
「もちろん、ずっと変わらないわけではありません。どこかの時点で、つい後回しにする自分の癖に気付き、工夫して乗り越える人もいると思います。大事なのは気付くことです」

まだ宿題を追い込み中の人が、これからできる工夫はないか、黒川さんに尋ねた。
「『来週までに50ページ』といった漠然とした目標だけではなく『毎日5ページ』のように、具体的にできる範囲の目標を設定すると達成しやすい。強めの方法だと、スマホを家に置いて図書館に行き、宿題しかできない状況を作るというのもあります」
自由研究や工作などは「このテーマにする」と、決めないと始まらないのでさらにハードルが高い。
「いきなり『アイデアを出す』というのは大変です。5分でも、とにかく何かを書いてみるところから、でどうでしょう」

今時の若者 いい子症候群

7月26日の読売新聞夕刊、金間大介・金沢大教授の「今時の若者 いい子症候群」から。

金間 見た目はいい子が大半です。新入社員への印象を企業に聞いても、さわやか、まじめ、素直で、受け答えがしっかりして、いっけん前向きという。一方、突っ込んでもリアクションが少なく、意見を言わず、物足りない……。

——前向きに見えても前向きじゃない?
金間 この両面を見て大人は、「何を考えているのかわからない」と感じますが、各種データを分析すると、二つの特性は若者には矛盾ではなく、普通なんです。
基本、若者には目立ちたくない、他人の気持ちがこわいという思いがガツンと乗っかっている。だからこそ「大人が求める若者」らしい“お芝居”をして、「圧」をかけられないよう防御するんです。

——なるほど!
金間 就職でも安定志向が高まり、職場に働きがい、チャレンジを求める若者は減っています。賃金が上がらない状況下、リスクがあり、自分で創意工夫しないとできない仕事を振られる職場は希望しない。逆にいうとマニュアルがあり、上司の指示が的確で、研修制度がしっかりしている会社を希望する。そういう会社だと「圧」が少なく、メンタルが安定しますからね。

——変化は、いつ頃から?
金間 「ゆとり教育」の導入に端を発すると考えています。さらに、ちょうど20年前に導入された「総合的な学習の時間」がこの流れを加速させました。当時の学習指導要領では、個の尊重と同時に、他者とともに社会的課題を解決しようとうたった。この二つの両立を目指したことが、いい子の大量発生につながったと思います。
というのも、子供からすれば個性を発揮すると目立ち、和を乱す構造になる。実際、授業で変わったことを言うと、「どうしてそうしたの?」と「圧」をかけられ、「他の子の意見も聞きましょうね」と先生に誘導される。
すると子供は、どう個を伸ばしたら教室で○がつけられるのか、大人が欲する良いやり方を学習するようになる。つまり、若者の行動は大人社会のコピーでもあるんです。

——日本がこのままでよいとは思えませんが。
金間 はい。停滞が続けば、若者が求める小さな安定すら失われてしまうでしょう。
だからといって、安定志向のいい子症候群の若者に、成果を出そうとハッパをかけても心に響かないでしょう。
成果をどう分配したらよいか、という設問に対する日米の学生の意識の差を見れば、それは一目瞭然です。米国では実績や努力に応じた分配を求める意見が多いのに対して、日本の大学生は、一律な平等分配を求める意見が男女とも半数近くに上っています。
勝ち負けに興味のない日本の学生に競争を強いるという発想の転換が必要です。

——どうしたらよいか?
金間 大人が行動し、「自分はこれをやりたい。だから手伝ってくれないか」と若い人を巻き込むことです。若者は、過去の実績を自慢する大人には飽き飽きしていますが、現役として行動する大人の姿は尊敬するでしょう。
「社会は」とか「君は」と語り、他者に行動変容を求める大人に対しては若者は防御的になるけれど、「自分はこうする」と一人称で語り、素を見せる人のことは、たとえ挑戦が失敗したとしてもかっこいいと思うはずです。

オールド・ボーイズ・ネットワーク

7月4日の日経新聞女性欄に「男性向き合う「閉鎖的人脈」」が載っていました。

・・・女性のキャリアアップを阻む壁の1つとして指摘されるのが「オールド・ボーイズ・ネットワーク(OBN)」。男性中心の組織が作り上げてきた独特の仕事の進め方や人間関係を指す言葉だ。近年はイノベーションを阻むものとしても見直す機運が高まっている。男性が中心となりこのOBNを考えたり、他の人に知らせたりする取り組みも広がってきた。

「女性活躍推進の阻害要因となっているのは大きく3つ。1つめが将来像が見えないこと、2つめは仕事と家事・育児の両立。そして実は1番大きい壁が、オールド・ボーイズ・ネットワークです」。企業の女性活躍を支援するJ-Win(東京・千代田)会長理事の内永ゆか子さんは6月上旬、会場とオンラインで集まった70人ほどの男性の前で協調した。
OBNとは、男性同士の独特の文化や目に見えない約束事、人間関係のこと。海外発祥の言葉で、その閉鎖性から米国などでも女性の活躍を阻む要因といわれてきた。国内では例えば「男性同士の雑談やコネ・人脈で物事が進む」「たばこ部屋・飲み会・ゴルフでの話が決定事項になる」といったことがあげられる・・・

支援型リーダーシップ

6月6日の日経新聞に、「社員の成長「下支え」 女性本部長、昇進悩み自分流磨く」が載っていました。

・・・住宅事業を手掛けるポラスグループのポラテック(埼玉県越谷市)に勤める園部雅子さん(44)の手帳には、折り畳んだ1枚の紙が挟んである。書かれた内容は「サーバントリーダーシップ」。支援型リーダーシップとも呼ばれる。約150人を率いる営業本部長になった今も、肌身離さず持ち歩いている。
時間を見つけては社内を回り、若手社員にも積極的に話しかける。サーバントリーダーシップと出合った課長時代から変わらない光景だ。
32歳で第1子を出産後、仕事と子育ての両立に悩んでいた時期だった。会社の幹部会で配られた資料の記述に目がとまった。聞き慣れない言葉だったが、社員の目標や成長のために相手の話に傾聴して共感しながら導くリーダー論だと知った。
入社以来、建設会社などに木材を卸す営業畑を歩んだ。当時から社内外で関わる相手のほとんどが男性。上司はぐいぐいと後輩を引っ張り、夜遅くまで会食をして人脈を広げる典型的な営業マンが多かった。これまで目にしてきた管理職とは全く異なる概念。「目指すべき姿はこれだ」と直感した・・・

・・・サーバントリーダーシップは1970年に米国で提唱された。中長期的な視点で職場づくりを進めることが必要とされ、周囲の信頼を得て主体的に協力してもらえるかどうかが鍵を握る。
とにかく社員と丁寧に対話することを心がけた。作業中でも話しかけられたら手を止め、相手の目を見て耳を傾ける。年齢が離れている若手でも、悩んでいそうな姿を見つけたら積極的に声をかけた。
こうした積み重ねのかいもあり、職場関係の悩みも耳に入ってくるようになった。つぶさに社員の状況を把握できれば、一人でトラブルを抱え込んでしまうのを防ぐことができる。取り組みはチームの営業成績の向上にもつながっていった・・・