カテゴリーアーカイブ:人生の達人

ある分野の第一人者

2015年7月5日   岡本全勝

川北稔著『私と西洋史研究』には、次のような発言もあります。先生は、ウォーラーステイン(近代世界システムで有名です)の翻訳で有名です。ある分野の第一人者としての自信が出ている発言です。こうなりたいものです。
・・・ところで、ウォーラースティンの『近代世界システム』第1巻の膨大な参考文献リストをみたとき、それが、私が学部のときから必死で読み込んできたもののリストとほとんど一致していることに気づきました。だから私は、いささか口幅ったいのですが、あれを訳す人間としては、私が最適であったと確信しています・・・(p146)。

早朝勤務、残業削減、2

2015年7月2日   岡本全勝

昨日は、一部の職員を残して、多くの職員が定時に退庁したようです。今朝もほとんどの職員が8時半には出勤。感想を聞くと、「午前中が長いです」「お腹がすきます」とのこと。
私にも覚えがあります。大臣秘書官になって(37歳)、閣議日は4時半起床、5時15分には家を出る生活でした。午前中が長く感じられ、またお腹がすきました。それ以来、朝食はしっかり食べるようになりました。この生活が続くと、若手職員たちも、「残業などせずに、早く帰ろう」と思うようになるでしょう(苦笑)。
これで、霞が関に、「早朝出勤、早めに退庁」が定着するとよいですね。クールビズに続く第2弾になることを期待します(例えば2014年7月1日の記事)。法律でも補助金でもなく、官邸の声かけで生活の形が変わるという実例です。

早朝勤務、残業削減

2015年7月1日   岡本全勝

今日から「ゆう活」が始まりました。簡単に言うと、「残業せずに早く帰りましょう」ということです。日本のホワイトカラーが長時間労働をすること、その割には生産性が低いことは有名です。霞が関では、勤務時間を1時間早くすることが始まりました(ワークライフバランス)。原則9時30分~18時15分であるところを、8時30分~17時15分とするのです。
復興庁でも、この勤務時間を原則としました。今朝は、ほぼ全員が8時半に出勤。夕方、残業せずに帰ったかどうかは、明日確認します。私は率先して、17時15分定時に退庁したので、職員が何時に退庁したかわかりません。
9時半始まりという、これまでの原則がおかしいと、私は考えています。市町村役場も多くの企業も、8時半には仕事が始まっています。この霞が関独特の出勤時間は、通勤電車の混雑緩和が理由だと聞いたことがあります。本当ですかね。
国会開会中は、閣議は8時半開始が通常です。すると、大臣が閣議から戻ってこられても、幹部職員が出勤していないなんて、世間では通用しませんわね。国会の審議も、9時始まりが多いです。なのに、職員の多くが9時半出勤というのも、おかしな話です。もちろん、国会の答弁案作成のために、中堅若手職員が深夜まで残業しているという事情はあります。
私は、以前から、8時半~17時15分を勤務時間としています。実際は、8時前後に出勤し、18時までには退庁(異業種交流会に出発)しています。この際、1時間早めて、7時30分~16時15分にしようかと思いましたが、部下から反対されました。「次官がそんなに早く退庁されては、困ります」とのことです。しかし、職員が出勤するまでの時間帯が、私にとって「稼ぎ時」だったのです。
民間の友人や知人には、私より早い人がたくさんいます。S君(大企業の幹部)は、若いときから、弁当を2つ(朝食と昼食)持って、7時台には出勤しています。Hさん(中規模会社の社長)は、7時には出勤しています。それぞれ、「早朝は仕事がはかどる」とのこと。2人とも、毎日18時過ぎには「異業種交流会」や「教養を高める会」に励んでいます。

家族サービスという言葉

2015年6月29日   岡本全勝

先日あるところで、指摘され批判されました。「家族サービスは大丈夫か?」というセリフです。
職場で仕事熱心な部下に対して、この言葉がでます。話している方(私)は、部下をいたわっているつもりです。でも、よく考えると、これは「夫は職場、妻は家庭」という固定観念に縛られた発言ですね。家族は、サービスする対象なのでしょうか。仕事を優先し、家庭は犠牲にしてもよいという発想からしか、出てこないセリフでしょう。という私も、家族サービスどころか夫や父親としての義務すら、果たしてきませんでした。すべてキョーコさんにお任せでした。今さら遅いですが、反省。

組織の不正隠し

2015年6月28日   岡本全勝

先日書いた「会計帳簿が変える世界の歴史、2」で、正確な会計とその公表が会社や国家にとって必須だと書き、他方で不正が後を絶たないことを書きました。日本を代表する企業である東芝の不適切会計(損失の過少計上など)が問題になっています。6月22日の日経新聞「経営の視点」で、中山淳史編集委員が、次のような指摘をしています。
・・・組織としては何重にもチェックする構造になっている。東芝はカンパニー制を採用し、それぞれ最高財務責任者がいる。その下の工場や事業所にも経理部がある。つまり、事業所経理部→カンパニー経理部→東芝経理部、さらには監査法人、取締役会と何か所も関所があるが、「現場が『見積もりは正しい』と主張すれば、反証は難しい」という・・
・・・だが、不思議な点がいくつかある。東芝だけになぜこうした問題が生じたのかだ。さらには「内部告発」とされる問題表面化の発端だ。東芝には内部通報制度があるが、最初に動いたのは金融庁だった。社内での報告体制に構造的問題はなかったか・・・
また、東洋ゴム工業では、建物の免震ゴム性能の偽装が問題になっています。こちらでは、経営陣が何度も性能不足の報告を受けながら、公表や出荷停止を遅らせていたことが明らかになりました。不正を防ぐはずの品質保証部門もデータを改ざんしていたとこのとです(6月23日、日経新聞)。

部下からの問題点の指摘を吸い上げる仕組み、あるいは組織の問題点を見つける眼、そしてそれを隠さず是正する決断。民間企業に限らず行政組織でも、管理職の大きな責任です。何度もお詫びの会見を経験した私にとって、他人ごとと思えません。