カテゴリーアーカイブ:人生の達人

司馬遼太郎さんのサラリーマン向け人生講話

2016年12月13日   岡本全勝

司馬遼太郎著『ビジネスエリートの新論語』(2016年、文春文庫)が、書評などで取り上げられています。司馬さんの本、サラリーマン向けの人生講話となると、読まないわけにはいきません。
各項目に古今の名言が掲げられ、それをテーマに、いつものと言うか、いつもの司馬遼太郎節よりさらに軽妙な文章が綴られています。例えば、「サラリーマンの元祖」は、鎌倉幕府の初期を支えた文官、大江広元の生き様を描き、サラリーマンの元祖として紹介しています。これなどは、さすがと思わせます。随所に、なるほどと思う記述があります。
もっとも、書かれたのは昭和30年、私の生まれた年です。司馬さんもまだ32歳、小説家としてデビューする前、新聞記者の福田定一として出版しています。
サラリーマンの一種を38年間続けた私としては、司馬さんは若くしてよくこれだけ見抜いているなあと思うとともに、まだまだ若いなあとも思います。大先輩に向かって失礼ですが。
また、戦後すぐの昭和30年と平成28年との、60年の社会の変化も感じられます。たぶん司馬さんも生きておられたら、原文のままの形での再刊は、同意されなかったでしょう。

仕事の上での間接部門

2016年12月11日   岡本全勝

週刊「日経ビジネス」12月5日号は「彼らが仕事を邪魔する理由 おのれ!間接部門」です。企業などで、直接利益に結びつく部や課(製造・開発・営業・販売など)を直接部門と呼び、直接部門の業務を支援する部や課(経理・総務・人事・情報システムなど)を間接部門と呼びます。
行政においては、製造や販売という概念が薄いので、この違いは明確ではないようです。政策を扱っている課(直接部門に当たる)を原課とか事業課と呼び、それを支援する課(間接部門)を総務とか庶務と呼ぶことが、それに当たるのでしょうか。
この記事でも取り上げられているように、間接部門の課題は、2つあります。1つは、直接部門の職員からすると、仕事の「邪魔」をしないでくれです。もう1つは、経営者の立場から考えると、なるべくその費用を抑えたいことです。

これは、役所でも同じです。職員の立場から考えると、給料は人事課で計算してもらうとしても、超過勤務の申請、旅費の申請、税金の年末調整などから始まり、さまざまな研修(座学、インターネットでの研修)、防災訓練、調査への回答など、けっこうな手間を取るのですよね。
昔に比べると、勉強しなければならないことが増えました。機密情報の扱い、個人情報保護、サイバーセキュリティ、公務員倫理、セクハラやパワハラの防止、分煙、男女共同参画、ダイバーシティなど。私が公務員になった頃は、「おおらかなもの」でした。

そして、次々と来るお知らせも、たくさんあります。あなたのパソコンに来る、「職場内でのお知らせ」一覧を見てください。多分ほとんどの人が、詳しくは見ていないでしょうが。重要な通知から、会議室の予約の仕方の変更、共済からの割引券、助け合いの募金まで、すべてを読んでいたら時間がかかります。一度、1週間の勤務時間の内、職員がどれくらいの時間をこれらの対応に費やしているか、調査してもらえませんかね。
人事課(人事係、福利係)や会計課(給与係、支払い係、庁舎管理係)は、それぞれ重要なので通知を出すのですが、どんどん増殖すると、受け手である職員がパンクします。これら職員個人にとっての「間接部門」を、どのように合理化し効率化するのか。大きな課題です。これは、直接部門の職員だけでなく、総務部門の職員も同じ条件です。「明るい公務員講座」でどのように書くか、悩んでいます。

「良い謝罪」の仕方

2016年12月10日   岡本全勝

私は、「お詫びのプロだ」と自認しています。これまでも、何度もお詫びとその記者会見をしてきました。このホームページでも、その一部を書いたことがあります。「お詫びの仕方、形も大切」「お詫びの仕方・中身が大切」「お詫びの仕方・付録」。
私より上手(うわて)の人が、おられました。竹中功さんの『良い謝罪―仕事の危機を乗り切るための謝る技術』(2016年、日経BP社)です。本の帯には、「吉本興業で35年間謝りつづけた”謝罪マスター”が極意を伝授」と書いてあります。吉本の芸人たちが起こした不祥事を、どのように謝り、収めるか。35年間、それに携わっておられたのです。
謝る際の基本は、私の考えと同じですが、その進め方、テクニックが詳細に書かれています。もちろん、事柄の性格上、固有名詞は書かれていませんし、本当のご苦労は書かれていないのでしょうねえ。
週刊「日経ビジネス」の12月12号は、「謝罪の流儀」です。

謝罪は、会社や役所の管理職になると「必須科目」になります。自治大学校でも、謝罪の模擬記者会見をする授業があります。これは、学生から最も嫌われ、かつ最も評価されている科目の一つです。連載「明るい公務員講座・中級編」でも、触れなければなりませんね。

今週も終わりました。

2016年12月2日   岡本全勝

きょうは金曜日。1週間が終わりました。今週まず月曜日は、放課後に慶應大学法学部大学院で講演。火曜日は、福島で勤務。水曜日は、宮城県南部被災地を視察。木曜と金曜日は、東京で勤務。今日夕方は、総理と面談。家に帰ってきて、少しほっとして、この文章を書いています。
その間に、さまざまな相談事や依頼があり、それなりに片付けました。すべてがうまく行ったわけではありません。できるものはそうして、できないものは早く「できませんでした」と返事する。これが、抱え込まない秘訣ですね。私のところに持ち込まれる相談は、うまく行かないから持ち込まれるものなので、そう簡単には片付きませんわ。それでも、「全勝に頼んでみるか」と思っていただいていることを、感謝しましょう。
今週は、夜の意見交換会も余り飲まずに早々に切り上げ、家に帰って原稿書きに励みました。来週までに、連載の続きと、単発で引き受けた原稿2本の締めきりが来ているのです。単発ものは、1つは完成させて送付しました。もう1つは粗々できた段階で送って、見てもらっています。連載は2週間分を書き上げ、右筆に見てもらいました。いつものように、彼は楽しんで「ズタズタ」に手を入れてくれたので、週末に加筆します。これで、原稿の債務は乗り切れそうです。
しかし、「明るい公務員講座」を単行本にするゲラが戻ってきたので、これを見なければいけません。そして、年賀状が待っています。

プロ野球選手の育成

2016年10月30日   岡本全勝

今年のプロ野球、日本シリーズは、日本ハムが2連敗の後4連勝で優勝しました。そのドラマは別として。10月30日の朝日新聞スポーツ欄「日本ハム、育成力の勝利」から。
・・・高校からの入団は5年、大学・社会人は2年が育成期間となる。その間は、千葉県鎌ケ谷市の2軍の練習施設に併設する「勇翔寮」への入寮が義務。そして、最初の休日には決まりがある。本を買いに行くのだ。
朝食後の10分間が読書タイムになる。「一番大事なのは野球での成功。そのためにいろんな考えを身につけるのが大事です。てっとり早いのが読書。習慣づけのため、時間を設けています」と、本村幸雄・選手教育ディレクター。2011年、高校教師から転身した。球団は寮の教官に元教育者を選んだ。
選手は毎日日誌をつけ、自分と向き合う。シーズン中は2度、長期目標設定用紙を記入。寮の部屋だけではなく、ロッカールームにも貼る。人に見られることで、目標達成への責任感を持たせる。そうやって、プロの自覚を促していった・・・(2016年10月30日)