カテゴリーアーカイブ:人生の達人

緊急事態宣言から2か月

2020年6月7日   岡本全勝

4月7日に、東京などに緊急事態宣言が出されてから、2か月が経ちました。地域別に、また行動別に、規制が緩和されつつあります。少し振り返ってみましょう。社会の問題はマスコミに任せるとして、身の回りのことです。

仕事については、自宅勤務が推奨されました。皆さんの仕事の仕方も、変わったのではないでしょうか。やってみると、意外とできるものですね。もちろん、すべてを自宅でできるものではありませんが。そしてこのページで書いているように、仕事の仕方の見直しが進むでしょう。「在宅勤務が変える仕事の仕方4
しかし、自宅勤務は、生活にメリハリがでません。朝ネクタイを締めて出勤することが、体に染みついているからでしょう。

外出自粛は、しんどいですね。本屋や商店が閉まっているのは、困りました。
夜の意見交換会は、4月から自粛しているので、2か月以上飲みに行っていません。やればできるものです。家では、毎晩のように飲んでいますが、量が行きません。太るかと思ったら、健康生活で体重は少し減りました。キョーコさんの料理のおかげです。
天気の良い日は、夕方に散歩を続けました。家に引きこもっていると、運動不足になりますから。人通りの少ない道を選んで、1時間から1時間半ほど。ゆっくり歩いても4Kmから6Kmくらいは、歩いていることになります。ビールをおいしくするためです。

元通りの生活には、まだまだ戻りませんね。治療薬も予防薬も、まだできていません。一時よりも感染者数は減りましたが、まだ断続的に発生しています。知らないうちに感染して免疫ができていた、とはなりませんかね。
マスクは日常になり、このあと半年や1年は外せそうにありません。柄物の布マスクをしている人が、増えてきたようです。いずれ、オシャレになるでしょう。

社会では、大きな被害をうけた生業と経済、生活が苦しくなった家庭など、広範囲に影響が出ています。まずは、感染に気をつけつつ、生活を取り戻すことが重要です。

「岡本行夫という生き方」

2020年6月4日   岡本全勝

NHKウエッブサイトに「岡本行夫という生き方」という特集が載っています。詳しくは原文を読んでいただくとして。

・・・「とにかく朝から晩までいないんですよ。私たちのボスなんだけど、省内にいないわけ。いろんなところで、いろんな人に会っていた。その中に、東京にいるアメリカの記者など外国の記者がいっぱいいた。もちろん日本の記者もね」
岡本は日本が何をしようとしているのか、国際的にも国内的にも少しでも理解を深めようと、記者たちへの非公式な背景説明を熱心に行っていたと言うのだ・・・
・・・岡本について語るとき、宮家氏が最も力説したのは、岡本が「政策を実行する人=政策マン」だったという点だ。
「実際に官僚を動かし、メディアに理解を深めさせ、政治家に働きかけて政策にしていく。そのためには、発想力と行動力と説得力が必要なんだけど、彼はそうした力を持っていた」
そして、こう締めくくった。
「彼の肩書きは『外交評論家』となっている。でも、彼は評論家ではない。評論なんかする気はないんです。彼は死ぬまで『政策マン』だった。政策を作り、それを自分で実行する。もしくは、実行するための環境を作っていく。『彼は政治的に動く』と言う人もいるが、政策とは、そもそも政治的なもの。岡本さんだからできたんです」・・・

・・・しかしそんな岡本の評価は、“霞が関”の中でも分かれていた。
「話しづらいですが、もう時効だろうからいいでしょう。総理大臣補佐官として、突然、イラク問題の政策決定過程に入ってきた岡本さんでしたから、官僚組織からは異分子のように思われていた部分もある。強烈な人が入ってきて、煙たく思った人もいたと思う」・・・
参考「追悼、岡本行夫さん

釣った魚に餌をあげる2

2020年5月31日   岡本全勝

釣った魚に餌をあげる」の続きです。
「釣った魚に餌をあげない」の反対の名言は、ないのでしょうか。と考えていたら、肝冷斎がよい言葉を見つけてくれました。

「論語」子路第十三
葉公問政。近者説、遠者来。
葉公、政を問う。近き者は説(よろこ)ばしめ、遠き者は来たらしむ。

楚の貴族・葉公というひとが孔先生に「「まつりごと」の本質をお教え願えますか」と問うた。
先生は答えた。「近いところにいる人民に満足させてやること、です。そして、遠くにいる(他国の)人民が(それを聞いて、「すばらしい土地らしい」と言って)移住してくるようにすることです」

釣った魚に餌をあげる

2020年5月30日   岡本全勝

「釣った魚に餌をあげない」という言葉があります。
初めは相手に気を遣いながら、親しくなったあとは、粗略扱う様子を言います。特に男性が、女性にいろいろと贈り物をしたのに、結婚したら態度を変える場合に使われます。

とんでもない話です。
「釣った魚」は生きていて、水槽に泳いでいます。大事に扱わないと、魚は調子が悪くなります。さらに、妻の場合は足があるので、水槽から逃げていきます。釣ってからの方が、妻を大事にしなければならないのです。ゆめゆめ、粗略にしてはいけません。

わが家では、キョーコさんが私を釣ったので、とても大事にしてくれます。おいしい食事を作って(生け簀の魚を太らせて、食べようとしているのかもしれません)。
魚は飼い主のために、一生懸命働いています。
この項続く

ジョブ型には企業を超えた人材評価基準が必要

2020年5月29日   岡本全勝

5月25日の日経新聞経済教室「日本型雇用改革の論点」は、小熊英二・慶応義塾大学教授の「企業越えた人材評価基準を」でした。

・・・新型コロナウイルスの流行で、日本の働き方が問い直されている。リモートワークが進まない、マネジメントが「あうんの呼吸」に頼りすぎていた、採用面接が多すぎるなど、この機会に露呈した問題は数多い。
こうした問題はただ一つの要因から発生している。人材に対する客観的な評価基準がないことだ。それが日本型雇用の根本問題だ。

他国では職種別の熟練度や専門能力の評価基準が、特に1970年代以降に明確化した。そこでは「経営学修士号」や「英語がCEFRでC1」や「営業職としてA社とB社で職歴10年」といった学位や資格や職歴が、その人が就ける職務とその賃金額という形で評価されるのが原則だ。
これが可能なのは、その人が就く職務(ジョブ)が明確化されており、それに対応した学位がはっきりしているからでもある。米国の教育大学院では、学務登録や教育支援、国際教育などはそれぞれ専門課程があったりする。各自がその専門教育を受けて学位をとり、同じ職種で企業を替えながら経験年数を積み、キャリアアップすることになる。

こういう働き方だと、リモートワークは容易だ。一人一人の職務が明確で、責任の所在や分担がはっきりしているからだ。大部屋での共同作業は必要ないし、あうんの呼吸に頼ったマネジメントもいらない。職務ごとに要求される学位や経験年数が明確なら、何回も面接しなくても、書類審査で絞り込みができる・・・
このように職務が明確化している働き方は、日本では「ジョブ型」と呼ばれる。しかし単に職務が明確化しているだけでは足りない。重要なのは、企業を越えて通用する客観的な評価基準が確立されていることだ。・・・

・・・さらに人材評価の基準がない社会では、教育が人的資本を向上させる機能を果たし得ない。今や世界中で大学院の進学率が上がり、大学院に入り直す人も増えたが、それは修士号や博士号がないと高給の職務に就けなくなってきたためだ。
しかし日本は大学院進学率が停滞し、他国と比べ相対的に「低学歴化」しつつある。これは長期的には日本の国力低下につながりかねない。また修士号や博士号が評価対象にならない社会に高度人材が外国からやってくるとは考えにくい・・・