NHKラジオ「ことば力アップ」を紹介します。この番組は、NHKアナウンサーが、上手な話し方を伝授してくれます。私は番組は聞いていないのですが、テキストを見つけて読みました。
勉強になります。私が、明るい公務員講座でお教えしていることと共通することも多いですが、話し方のプロの教え方は説得力があります。
また、「就職面接を決める話し方」は、学生たちに役立ちます。
「明るい課長講座」カテゴリーアーカイブ
生き様-明るい課長講座
キリンのイクメン研修
NHKニュースのウエッブサイト「残業禁止と言われたら?イクメン研修に密着」(2月27日)を紹介します。
・・・「残業は禁止!働きながら子育てせよ」ーーー会社からこんな指示を出されたら。
ビール大手のキリンホールディングスが、仕事と子育て、介護を両立する働き方を疑似体験する研修で、実際にやっていることなんです。1か月間という期限つきではありますが、社員全員が対象となります・・・
登場している三宅清三郎さんは、営業一筋の49歳、40人の部下をかかえる管理職。日中は各地の営業担当からの問い合わせなどに対応し、夜は現場の営業担当と商談に同席することも多く、ふだんは午前7時前に出社、午後10時ごろに退社という生活。
4歳と11歳の2人の娘を持つパパ。しかし、仕事優先の生活で子育てや家事は奥さんに任せきり。平日に家族そろって夕食をともにしたことは1度もなかったと言います。それが、入社27年目にして初めて、午前9時から午後5時半までの定時で仕事を終える、いや終わらせなければならなくなったのです。
「平日に家族そろって夕食をともにしたことは1度もなかった」は、私より「ひどい」です(失礼、苦笑)。
では、どのように仕事を変えたか。本文を読んでいただくとして。私には、次の点が参考になりました。1と2は、「明るい公務員講座中級編」でお教えしたことです。
1 メール対応の効率化
2 会議の削減
3 本人が途中で抜けても業務に支障がないようにしておく
改革の進め方、松井忠三さん
日経新聞私の履歴書、松井忠三・良品計画元会長、2月26日の「復活」から。
・・・そこで「30%委員会」を立ち上げ、34%の販管費を60億円削減し30%を目指すことにする。
だが半年やっても成果が出ない。そこで「他社に学ぼう」と指示を出す。課題となっていた値札の種類の削減では、しまむらを参考にした。無印は203で、しまむらは3だった。壁に貼りだして取捨選択するとすぐに97になった。「他社に学ぶ」には部課長クラスの交流がカギとなる。彼らが現場を知っているからだ・・・
・・・頑張る社員に疲れが見えてきたので残業禁止を打ち出す。「太い幹と太い枝を残して小枝はバッサリ捨てろ。午前中はメールを見なくていい」と指示を出す・・・
松井忠三さん、人を使う術
日経新聞私の履歴書、2月は、松井忠三・良品計画元会長です。15日は「新人時代 現場で培った極意」です。
西友ストアに入社3年目、25歳の頃です。
・・・1975年3月、高円寺店勤務の辞令が出る。前の店と同じように学ぶことばかりの日々が続く。特にパートさんら現場を支える人たちとの信頼関係の構築にはバレー部や大学時代の学生運動、建設現場の作業員のアルバイトなどの経験がいかせた。学生運動のように自分の主張をストレートに言っても伝わらないことが身に染みていたからだ。
現場の人たちはいろいろな経験をしていて今、ここで働いている。酸いも甘いもかみわけた人たちだ。理不尽な人生を送ってきた人もいる。そんな人生の先輩に30歳前後の店長や私のような若造が、正論で頭ごなしに指示を出していてもうまくいくはずがない。私も本来の目標と違う職業・職場で働くことになったので現場の人の感情がわかるような気がしていた・・・
若い管理職に読んで欲しい内容です。
難しい判断、比較不能なものの選択
表題を見ると、「どんな難しいことか」と思われた方もおられるでしょう。今日書くのは、もっと身近な話題です。
小さなことながら、私たちは毎日、決断を迫られています。
風邪気味で熱があるとき、職場に出勤するかどうか。体調の悪さと、その日の仕事の重要性とを比較しながら、判断するでしょう。
夜の飲み会が予定されているのに、夕方急に急ぎの仕事が入ったとき。飲み会を優先するのか、仕事を優先するのか。
同じ時間に、Aさんに誘われた会合と、Bさんの会合が、ぶつかったとき。どちらを断るか。
それぞれに、自分で判断しなければなりません。
親族が死んだときに、どの程度休みを取るかは、規則で休暇の基準が決まっています。これは、一つの標準があるので、それに従うかどうかになります。難しく考えないなら、規定通りに休めば良いです。
東京駅から新宿の会合場所まで、たくさんある経路のうち、どれを選べば早く着くか。これは、コンピュータが選んでくれます。しかし、上に書いたような問題は、どちらを優先するか、客観的な科学的な物差しがないのです。
それが「比較不能なものの選択」です。これは、高等数学でも、AIでも解けません。長谷部恭男先生に『比較不能な価値の迷路―リベラル・デモクラシーの憲法理論』(2000年、東大出版会)という著書があります。
コンピュータが解けない問題にも、2種類あります。
朝食を、ご飯にするかパンにするか。これは、気分で決めても問題ないでしょう。結婚相手に、Cさんを選ぶかDさんを選ぶか。これは大きな問題で、あなたの人生は大きく変わります。しかし、好き嫌いで選んでも、あなたが納得すれば良いことです。
しかし、Aさんの会を優先するのか、Bさんの会を優先するのかの場合、どちらにどのように説明して断るのか。あなたのこれからの、職場人生を左右するかもしれません(笑い)。結婚相手を選ぶより、難しい判断なのです。
この2つの差は、結果が本人限りですむ問題と、周りの人たちとの関係に影響を及ぼす問題との違いです。そして、選ぶより断る方が難しいのです。