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生き様-仕事の仕方

国会答弁案作り

今日、国会が解散されました。国会答弁案作りも、しばらく休業です。国会班の皆さん、ご苦労様でした。さて、いつかこのホームページに載せようと、下書きしてあった文章を載せましょう。
国会での質問が出たとき、答弁案の作成をいやがる職員がいます。私には、理解しにくいことです。
私は、国会答弁案の作成が、大好きです。審議が予定されている前日の午後には、国会班のところに顔を出して、「質問はまだ出ないの?」と催促します。
まず、質問が出ることが、うれしいです。私たちが取り組んでいる仕事に、国会が興味を持っているのです。
私たちの仕事は、「人知れず、ひっそりと」「世間を離れて、秘密裏に」という仕事ではありません。日本社会を相手にしているのですから、国民や世間の人にわかってもらって「なんぼ」です。取り上げてもらうということは、私たちの仕事が、それだけ認知されているということです。
かつて課長補佐の時に、「国会質問の数に応じて、各課に職員と予算を配分すべきだ」と、極端な主張をしていました(苦笑)。
もちろん、国会質問は、ほめていただくことは少なく、お叱りを受けることの方が多いです。そこはつらいですが、私たちがやっていることが誤解されているなら、訂正できる良い機会です。
もし、議員の指摘が正しければ、是正する良い機会です。変更や改革をいやがる関係者に対して、「いや~、国会でも指摘されまして。是正しておかないと、次の国会でもたないのですわ・・」と、説得できます。
また、夜遅くに質問が出てきたり、どの省庁が書くのか割り振りでもめて深夜になることを考えれば、早く質問が分かって、早く書いて寝る方がうれしいです。
この項続く。

職員の反論

今朝、出勤すると、週末の金曜夜から日曜日までの間に、20通ほどのメールが届いていました。その中に、仕事の報告のメールに続いて、同一職員から「お詫びのメール」が来ていました。その趣旨は、「先ほど、仕事のメールを送りました。休日出てきたことについて、大目に見てください。今後、作業がますます忙しくなるので、今のうちにできることは片付けておきたいのです」とのことでした。
私が日頃、職員に「できる限り休日出勤するな」と言っていること、また夜遅いメールや休日のメールには「そんな時間に働いているのか」と返信するので、彼が先手を打ったということです(苦笑)。
彼らの仕事への取り組み姿勢に、頭が下がります。申し訳ありません。

責任者の発言

ある人との会話。組織の責任者、特に選ばれてなる人は、どうあるべきか。
なる前には、「私はこれをしたい」と言う。
なったら、「これはできるが、それはできない」と言う。
やめたら、「これをした」と言う。
そうありたいですね。

毎日忙しいのに、なぜ達成感がないのか

先日、「8月も終わりです」と、書きました。なぜ、「いつの間に、8月が過ぎたのだ」と、いうような発想になるのか。思い当たりました。それは、最近、リズムに欠ける、あるいは節目の少ない仕事の仕方をしているからです。
皆さん、今年の夏は、何をしましたか。いくつかの出来事や成果を、挙げることができるでしょう。では、手帳を見てください。手帳に、それは書いてありますか。
私が指摘したいのは、そのことです。毎日の予定は、手帳に書いてあります。「何時から会議」「何時から、誰某と会う」とか。でも、1か月かけて仕上げた仕事は、手帳には出てきません。毎日の事件を書き連ねても、1か月や1年の成果はわからないのです。
私は、若いときから、このことを不思議に思っていました。「これだ」と思いあたったのは、フェルナン・ブローデルを知ったときです。拙著「新地方自治入門-行政の現在と未来」p256「時間の枠組み」をお読みください。

小さな時間の出来事を書き連ねても、その夏の、あるいはその年の成果はわかりません。もっと、中長期的な視点が必要なのです。そして「連続して流れる時間」に、「節目」をつくる必要があります。日記では、この夏の成果や、今年の成果はわかりません。そして、毎日の忙しさと、1か月間の成果とは比例しません。また、1か月後の満足感とも比例しません。
例えば、総理の毎日の日程が、新聞に載ります。でも、それを書き連ねても、総理の業績は出てきません。さらに言うと、何をしなかったかも、わかりません。
社会人や組織では、「今年の夏に、なすべきこと」「今年中に、成し遂げるべきこと」といった「目標」を、自ら設定しなければなりません。そして、9月になったら、どこまでできたかを、評価すべきです。小学校の時は、目標設定と達成度評価は、先生と両親がしてくれました。社会人になったら、自分でするか、上司がする必要があるのです。

異動と昇進

最近、後輩たちの異動や昇進のお祝い会が、続いています。課長になった人、課長の中で「右翼」に進んだ人、審議官に昇任した人・・。自分が若いときは、「課長って、雲の上の人」と思っていたのですが。今は、後輩たちが、そのポストに就いています。
希望と抱負に満ちた後輩たちと議論していると、「その志を持ち続けて、日本のためにがんばってくれ」と、応援したくなります。
他方で、給料が毎年下がっていること、特に今年は10%削減になったこと、先輩たちの早期退職がなくなり、昇進が遅れていること、子どもたちの学費が大変なこと、などなど。愚痴も多いです。でも、愚痴っても改善しませんよ。精一杯仕事をして、成果を上げることで、国民の皆さんに評価してもらいましょう。