カテゴリーアーカイブ:仕事の仕方

復興政策を社会の中に位置づける、その2

2020年11月27日   岡本全勝

復興政策を社会の中に位置づける」の続きです。

復興作業を、どのように位置づけるか。これは、事前に決まっているわけではなく、実行することで見えてきました。大震災は、これまでにない被害と行政です。従来にない手法を採用することで、行政の歴史の中で新しい位置を占めることができるのではないかと、考えるようになりました。

結果としては、次のようなことができたと考えています。
・「国土の復旧から暮らしの再建へ」。私は、これが一番の成果と考えています。インフラ復旧だけでは、人の暮らしや町のにぎわいはもどらないこと。産業と生業の再建、コミュニティの再建が必要なこと。政府はそれに取り組むべきこと。
・そのためには、行政だけでは実現できず、事業者やNPO、町内会の役割も重要なこと。それらの人と協働すること。
・資金だけでは事業やコミュニティの再建はできず、人とノウハウの支援が重要なこと ・復興庁という窓口で一元的に対応し、各項目は各省やNPOなどの専門組織に委ねることが効果的なこと
など、 行政運営や地域経営に、新しい知見をつくることができたと思います。参考「復興がつくった新しい行政ーまちのにぎわいの3要素

その時々の出来事や仕事を、いくつも羅列される事件の一つではなく、社会と歴史の中で意義あることとし、位置を占めるようにしたい。それを、関係者も自覚し、報道機関や国民にも理解して欲しいと考えていました。

この復興政策の成果と変化が、今後の行政の中で位置を占めることができるかどうか。いくつかの施策は、災害復旧の「標準装備」になりました。避難所の生活環境改善、グループ補助金など。ただし、一般的な災害に関しての復興政策を所管する「復興庁」はできていません。

それとともに、未曾有のことが起きたときに、迅速かつ的確に組織をつくり対応すること、新しい事態に柔軟に対応していくことです。これは、災害復旧政策ではなく、行政運営の仕方です。
最近では、未曾有の出来事として新型コロナウィルス感染拡大があります。その対応の際に、大震災対応の経験と教訓が活かされたかどうかです。

復興政策を社会の中に位置づける

2020年11月25日   岡本全勝

東日本大震災の復興に携わって、あるときから、次のようなことを意識しました。被災者支援や復興の課題を成し遂げることが任務なのですが、もう少し広い視野から、私たちの仕事の意義を考えてみたのです。

すると、「この仕事を、社会と歴史の中で、どこに位置づけるか」だと気づきました。「一生懸命取り組みました」「これだけ公共施設が復旧しました」という努力と成果を書き記すことも重要です。しかし、それに留まらず、大震災と原発事故とそこからの復興という取り組みを、社会の中で位置づけることです。
そこには、同時代の出来事として私たちの意識の中でどこに位置づけるかと、歴史の中でどのように位置づけるかが含まれています。参考「位置づける

まず、災害についてです。大津波は、千年に一度と評されました。原発事故は、日本では初めて、世界でもチェルノブイリと並ぶ歴史に残る最大級の事故でした。そして未曾有の被害は、報道によって、国民の意識の中に位置づけられました。これが、大震災の天災と事故との位置づけです。

次に復興政策は、日本社会、日本の行政の中で、どこに位置づけるのか。政治課題としては、「東北の復興なくして日本の復興なし」と、安倍総理が位置づけました。基本法も作られました。復興庁は、他省庁より一格上に位置づけられました。特別会計もつくって、予算上も位置が与えられました。法律、組織、予算などの位置づけがはっきりしました。この項続く

平時、緊急時、変革期で異なるリーダーの役割

2020年11月16日   岡本全勝

11月12日の日経新聞夕刊「私のリーダー論」は、数原英一郎・三菱鉛筆 会長の「平時・緊急・変革期で臨機応変」でした。
「三菱鉛筆の数原英一郎会長は1987年に社長に就任した。長年トップを続ける中でリーダーの役割は「平時」「緊急時」「変革期」で変化すると考え、状況に応じて使い分けてきたという」

――緊急時と変革期の違いは何でしょうか。
「緊急時は火事のようなもので、今何が起きているのか誰でも分かります。火が出ているのが一目瞭然ですから。社長だったとき、バブル崩壊とリーマン・ショック、そして東日本大震災と3回の危機に直面しました。特に短期間で大きな影響が出たのはリーマン・ショックでした」
「我が社でも物の動きがすっかり止まりました。日本中が慌てたし、我が社も慌てました。そうした危機の時は色々な意見があるかもしれないけど、会社がまとまることが重要だと思います。強いリーダーシップを取る必要がありますね」
「一方で変革期は世の中のパラダイムシフトが起きているけれども、その影響がすぐには分からない状況です。例えばベルリンの壁が崩れたときも、その場ではすぐにどういう影響が出るのか分かりませんでした」
「新しい市場が新興国にできるとか、そうした国が競合になるとか、そういう変化は何年もかけて試行錯誤するうちに、後から分かってくるのです」

――どのようなパラダイムシフトがありましたか。
「3回経験があります。グローバル化と円高、デフレです。バブル崩壊前まではインフレ気味だったのが、デフレに変わって文具の流通も変わりました。国内の文具店は多いときで3万店程度はありましたが、今は4分の1くらいまで減ってしまいました。そのような環境変化に対してどうするか、リーダーが考えて方向性を出すべきです」

お詫びと筋肉の関係

2020年11月11日   岡本全勝

先日、霞が関時代の知人と、回顧談をしていました。彼も現役時代、何度も頭を下げる仕事をしていました。お互い、お詫びの多さの自慢です(笑えない話です)。

彼はあるとき、ぎっくり腰のように身体の筋肉が固まり、痛くてたまらなくなったことがあるそうです。整体(カイロプラクティック)に行ったら、太ももの後ろの筋肉が大きくなっていると指摘されました。
整体師が、「あなた、しょっちゅう頭を下げていませんか?」と質問したそうです。それが原因で、太ももの後ろの筋肉が大きくなり、そして身体の筋肉の平衡が崩れて体が固まったそうです。

私も頭を下げまくりましたが、筋肉痛にはなりませんでした。考えられる理由は、次の2つのうちどちらかです。
1 彼の方が、私より多く頭を下げた。
2 私の方が多かったけれど、私は熟達していた(彼は、まだ未熟だった)。
(もう一つの説は、私の筋肉は喜んで動いたが、彼の筋肉は嫌々動いた。)

ただし近年、太ももの後ろの肉が、目に見えて落ちてきました。加齢によるものと考えていましたが、頭を下げる機会が減っていることも、要因かもしれません。

新しい時代の社長の働き方

2020年10月30日   岡本全勝

コロナウイルスの感染拡大で、在宅勤務が進められています。企業の幹部もその例外ではありません。それどころか、部下に示すために、率先して取り組んでおられるようです。
10月27日の日経新聞、テレワークできてますか(6)「対面重視 社長もやめた 工夫次第で会社は回る 現場を信頼、権限委譲」に、西井・味の素社長、小路・アサヒホールディングス社長、原・MS&ADホールディングス社長の1日が、日誌形式で載っていました。

これは、勉強になります。もちろん、公務員と社員の違い、平職員と社長の違いは大きいです。でも、日本を代表する会社の社長が、一日をどのように使っているのかを知ることは、参考になります。
とんでもなく責任があり、とんでもなく忙しい社長、しかも世界で事業を展開しています。その方々が、どのように効率的に時間を使っているか。この記事だけではわかりませんが、それは、仕事の処理の仕方であり、部下の使い方です。