投稿者アーカイブ:岡本全勝

女川町の復興

2020年12月11日   岡本全勝

12月11日の読売新聞に、宮城県女川町の航空写真が、大きく載っていました。被災直後の写真も載っていて、比較することができます。

・・・宮城県女川町の沿岸部には、防潮堤が建設されなかった。東日本大震災の直後こそ、高さ14メートルでの建設プランがあった。要望したのは商店主たち。これに町が反対した。津波の危険は完全にゼロにはできない。山に囲まれた女川の狭い宅地を削ることになる、とも。近くの山に、宅地を造成する工事が始まった。しかし、ぶち当たったのは、本物の壁だった。山の下は固い岩盤だったのだ。
「周辺は人が住み、病院もあるような場所。重機だけでも気をつかうのに、何度も発破しなければならない。貴重な経験でした」。現場責任者だった鹿島建設の星野亨さん(43)は振り返る。騒音や振動が抑えられる特殊重機を投入したり、火薬の量を通常より減らして発破したりして、10トンダンプ120万台分の土砂を削り取った。安全な宅地を造る工事は結局、4年半も続いた・・・・

航空写真ではよくわからないのですが、海側は5mほどかさ上げされています。海から駅に伸びる赤い舗装道路の左下に、道路に囲まれた丸い施設があります。その中に、ひっくり返った交番が保存されています。周囲がかさ上げされたので、そこだけ底地になっています。

デジタル教科書の欠点2

2020年12月11日   岡本全勝

12月2日の読売新聞「デジタル教科書を問う4 健康への影響 未知数」から。
・・・日本では、19年度にデジタル教科書が一部で導入された。健康との関連の検証は緒に就いたばかりだ。
文部科学省が19年度、デジタル教科書を使う小中高校4校の児童生徒271人に調査したところ、小学生の32%、中高生の45%が目の疲れを訴えた。小学生の20%、中高生の9%は「体調が悪くなった」と答えた・・・

・・・スマートフォンの普及などを背景に、子供の視力は悪化し続けている。19年度は裸眼視力1未満の割合が小学生35%、中学生57%といずれも過去最悪だった。
デジタル教科書で視力や生活習慣に悪影響が及ばないか、不安を抱く医師や保護者は少なくない。
就寝前に端末を見ると、画面から放たれるブルーライトで体内時計が狂い、寝不足になるともされる。眼科医の不二門尚ふじかどたかし・大阪大特任教授は「デジタル化の影響は、視力以外にも幅広く考慮すべきだ」と指摘する。
ネット依存も心配だ。国立病院機構・久里浜医療センターの樋口進院長は「ネットに接続する端末を子供に渡せば、閲覧を制限しても抜け道を見つけて長時間、遊びに使うこともあるだろう」と危惧する・・・

朝日新聞インタビュー「ミスター復興が語った後悔と成果」

2020年12月10日   岡本全勝

12月10日の朝日新聞宮城県版に、私のインタビュー「ミスター復興が語った後悔と成果」が載りました。

・・・総務省の官僚だった岡本全勝さん(65)は、東日本大震災直後から政府の被災者支援策をとりまとめ、復興庁で事務次官を務めるなど、この10年近くずっと被災地にかかわってきた。9月に退任した霞が関の「ミスター復興」に聞いた。

――今回の復興政策の特徴はなんでしょう。
「国土の復旧」から「暮らしの再建」へと、政府の災害対応の守備範囲を大きく広げたこと。行政哲学の大転換だった(図参照)・・・

――異例の措置の一つが復旧・復興事業で被災自治体の財政負担をなくしたこと。その結果、過大なまちづくりや施設整備になったと指摘されています。
地方負担ゼロも、それが当たり前という空気の中で(11年秋に)決まった。私も最初そう思ったが、しばらくしてよくなかったかなと。住民が減り、かさ上げや高台移転計画が過大になっても、市町村は自己負担がないため、縮小するインセンティブがない。ある首長は「人口が減る前提では議会に話はできない」と言った。住民意向調査を繰り返すことで、計画を縮小させていった。
身の丈に合った計画にするため、5%でも負担してもらうべきだった。財政力のない市町村は率を下げ、それでももたない所は特別交付税で救済すればいい・・・

後悔というより、次に向けての教訓なのですが。
図の他に、私の「表情豊かな?」写真も数枚付いています。場所は復興庁、窓の外の背景は国会議員会館などです。

稼げる水産業、三陸からの挑戦

2020年12月10日   岡本全勝

12月2日の日経新聞「挑戦者たち 稼げる水産業 三陸から挑む」から。

・・・かつて世界一と呼ばれた日本の漁業がピンチにある。魚も漁師も減り続け「このままじゃ20年後、魚をとるやつおらんくなる」。水産業を「かっこよく、稼げる、革新的な産業にしよう」。阿部勝太代表理事(34)が率いる、若手水産事業者の団体、フィッシャーマン・ジャパン(FJ、宮城県石巻市)は6年で40人の新人漁師を育て上げた。その挑戦は、全国の浜を巻き込み始めている・・・

・・・FJの活動は大きく2つ。1つは漁師に卸、鮮魚店、料理人など魚に関わる「フィッシャーマン」を2024年までに新規に千人育てること。2つ目は、水産業をもうかるかっこいい産業にすることだ。FJは漁師のほかIT技術者、輸出のプロら20~30歳代の25人で構成する。
海の仕事の勉強会や親方漁師とのマッチング、シェアハウスを設けるなど一人ひとりに寄り添いながら担い手を育てている。全国初の取り組みだ。これまで関わった若者は千人超。さらに三陸の海の幸を味わえる飲食店の運営や輸出、漁師のファンクラブサイトも運営している。北海道や九州などで活動を共にする漁業団体も増えてきた・・・

地域産業の衰退は、後継者がいないこと、儲からないことです。大震災被災地での産業復興も同じ悩みでした。このような挑戦が期待されます。

災害公営住宅完成

2020年12月9日   岡本全勝

12月8日の岩手日報は、1面で大きく「東日本大震災の災害公営住宅 本県全5833戸完成」を伝えていました。
・・・これにより本県の5833戸をはじめ、宮城、福島など8県で計画されていた全2万9654戸(東京電力福島第1原発事故の被災地への帰還者向け住宅を除く)の整備が完了。来年3月の震災10年を前に、ようやく一区切りとなった。同2月中旬に入居を開始し、新たなコミュニティーでの暮らしが始まる・・・

これで、計画していた公営住宅は、すべて完成しました。
2012年12月に自民党が政権に復帰し、党に復興加速化本部ができました。翌1月に大島理森・加速化本部長に呼ばれ、現状と課題を説明したら、「復興を進めるために、何を優先すべきか」と問われました。「あれと、これと、それと・・・」といくつも答えたら、机を叩いてお叱りを受けました。
そこで「なんと言っても住宅ですわ。なんとなれば・・・」と答えたら、「では、住宅建設を最優先にして、計画をつくれ」と指示をいただきました。

それから8年です。ほとんどは、4年ほど前に完成したのですが、いくつか調整に手間取ったり、工事が難航したか所が、残っていました。お待ちいただいた方には、長い10年だったと思います。