投稿者アーカイブ:岡本全勝

未婚の増加、その対策は

2022年11月2日   岡本全勝

10月24日の日経新聞オピニオンランは「未婚社会を生きる」でした。詳しくは原文をお読みいただくとして。

藤波匠・日本総合研究所上席主任研究員は、若者の結婚と出産への意欲の低下の原因は所得や雇用環境の悪化にあるとして、「若者の雇用改善急げ」と主張しています。
井上高志・ライル社長は、住居費を減らすことで多様な生活の選択を後押しするべきと主張しています。

林伴子・内閣府経済社会総合研究所次長は、女性が仕事と家庭を両立させにくい労働市場の硬直性、所得が高くないと結婚できないという思い込みなどに原因があるとして、「結婚のハードル下げよ」と主張しています。
林さんは内閣府男女共同参画局長も務めましたが、経済政策が専門(旧経済企画庁採用)で、長くそれに従事してきました。霞が関には、まだ若者政策、結婚や子育て政策の専門家が育っていないのです。

福島県町村会研修で講演

2022年11月1日   岡本全勝

今日は、福島県町村会研修で話してきました。場所は都内でした。対象は、町村の総務課長さんです。
仕事は増えるけど職員数は増やせない。若い人との考え方の違い、過去の経験と違った職場環境をつくらなければならないなど、役場での仕事の難しさが集約される職務です。
そのあたりを念頭に置いて、お話ししてきました。

困る政治主導

2022年11月1日   岡本全勝

10月28日の朝日新聞に「4兆円一夜で丸のみ 政権窮地、自民強気の予算要求」が載っていました。
・・・自民党本部9階で26日午後、萩生田光一政調会長の怒号が響いた。「まだ議論をしている最中にそんなことをするなんてもってのほかだ」。矛先は、総合経済対策を議論する会議に出席する財務省幹部に向けられていた。
発端は、会議中に萩生田氏にかかってきた岸田文雄首相からの電話だ。「官邸に財務大臣が来て、経済対策の話をしている。萩生田さんの了承はまだ得られていないと聞いて急いで電話をした」
その直前、首相は官邸で、鈴木俊一財務相から、経済対策の説明を受けていた。財務省が示した補正予算の規模は、与党の意向もふまえたはずの25・1兆円。しかし、首相周辺によると、首相は「なんでこんなに少なくなっているんだ」と声を上げたという。萩生田氏は財務省の動きを「与党軽視」とみた。首相とのやりとりを会議で伝えると、出席者は「どうなっているんだ」「ふざけるな」と不満を爆発させた・・・
・・・萩生田氏は26日午後5時半ごろ、財務省幹部に「もっと積めるだろ」と、金額の調整を要求。萩生田氏や茂木敏充幹事長と連絡をとった首相も、その3時間あまり後の午後9時過ぎ、公邸に鈴木氏を呼び出し、見直しを指示した。「29兆円を超えられるように、もうひと頑張りできないか」
翌27日、財務省が提示した補正予算案の規模は4兆円多い29・1兆円。内訳には、元々あった「物価高騰・賃上げへの取り組み」や「新しい資本主義の加速」などに加え、「今後への備え」という項目が新たに加わっていた。
目標に掲げた30兆円にこそ達しなかったが、政調幹部は満足そうだった。「3時間で4兆円増えた。『時給1兆円』以上だな」・・・

官僚は、大臣、総理、与党幹部の、どちらを向いて仕事をすればよいのでしょうか。「政治主導」の主語は、誰でしょうか。次のような心配もあります。

・・・ふくれ上がった補正予算の規模に財務省幹部は唇をかむ。コロナ前まで経済対策といえば数兆円が相場だった。それがコロナ禍で数十兆円に巨額化し、「以前は兆なんて言ったら目玉が飛び出したが、今は平気で兆円単位。(コロナ禍の)一律10万円給付からおかしくなった」(官邸幹部)。
折しも、英国では9月にトラス政権がエネルギー価格高騰対策や減税などを打ち出したことで、財政悪化の懸念が一気に広まった。それが金利上昇やポンド下落などを招いて混乱に陥り、政権交代の引き金となった。
この間、財務省が有識者や市場関係者と対話する場では「英国を他山の石とするべきだ」「コロナ禍からの正常化は進んでいる。規模ありきの経済対策はダメだ」などの意見が相次いでいた。日本の国債残高は約1千兆円で、債務残高対GDP比は英国の95%をはるかに上回る263%で世界最悪水準にあるからだ。
経済対策について、財務省は当初、十数兆円規模を想定していた。需要と供給の差である「需給ギャップ」は、足元では15兆円ほど。需給ギャップを「埋める」どころか、大幅に上回る対策となったことで、過度な物価高を助長しかねないリスクさえある。
野村総合研究所の木内登英氏は「エネルギーや食品価格高騰の影響が大きい低所得者対策に絞るべきだ。財政がさらに悪化すれば、将来必要なお金を借金返済に回さざるをえなくなり、潜在成長力が低下する可能性がある」と指摘する・・・

10月も終わり

2022年10月31日   岡本全勝

なんと、10月が終わってしまいました。
きちんと出勤し、原稿を書き、講演もたくさんこなしました。休日にも、原稿執筆に精を出し、時に孫に相手をしてもらったのですが。あっという間に、ひと月が経ってしまいました。

確かに、朝晩は寒くなり、服装や帽子も秋冬物に替えました。
プランターのアサガオはまだ少し花をつけていますが、花びらが小さくて、アサガオと思えない形になっています。毎年うまく色づかない夏椿の葉が、今年はきれいに色づいています。椿もいくつかつぼみをつけています。季節の方は、10月が終わりだということを実感します。
さて、11月。年賀状の準備も、しなければなりません。

看護師の謎の規則

2022年10月31日   岡本全勝

10月20日の朝日新聞夕刊に「看護師の現場、謎ルールだらけ 靴下は白・上着ダメ・水分補給ガマン」が載っていました。

・・・職場にある様々なルール。でも、それが納得できないものだとしたら……。看護師の現場で考えた。そもそも、ルールはどうあるべきなのだろう。
東京都内の大学病院。ある日、看護師の女性(27)は職場で上司に呼び止められた。「その靴下の色って何色ですか? なんで黒なんですか」
「靴下を切らしてしまって……」。連日の勤務に疲れ果て、洗濯もままならなかった。くるぶしまでしかないタイプで、ズボンの裾から、ほんの少し黒みが見えるだけだ。「靴下は白」がこの病院のルール。だが、医師は好きな色の靴下をはいている。「どうして看護師だけ、だめなんでしょうか」

納得できないルールはほかにもあるという。看護服は半袖しかないが、冬の寒い日でも、患者の前ではカーディガンを羽織ることを禁じられている。夜勤の時は「すごくつらい」。
ナースステーションでは水分補給をしない。そんな「暗黙のルール」もある。勤務中はがまんをして、昼休みに休憩室で水を飲む。「水分補給はこまめに、と呼びかける側なのに。理屈に合ってなくておかしいですよね」
この女性は最近、なぜ靴下は白なのか、上司に尋ねてみた。返ってきた答えは「私もわからない。伝統だから」だった・・・

笑ってはいけませんが、これは面白いお話です。「前例通り」には、時に不合理なことがあります。
少し違いますが、半ズボンが決まりだった小学校で、寒いから長ズボンをはいたら、先生に叱られたという話を読みました。「先生は長ズボンなのに」と言って、さらに叱られたそうです。