投稿者アーカイブ:岡本全勝

コロナ対策、飲食店冷遇

2023年8月17日   岡本全勝

8月6日の読売新聞文化欄「コロナの時代を読む」、苅部直東大教授の「飲食店冷遇 苦い記憶」から。

・・・結果から言えば、日本は高齢者が多いにもかかわらず、人口あたりの死者が少なかった。政府や、医療機関、高齢者施設が頑張ったと言えます。市民の努力もあった。マスクを着け、多くの人が在宅勤務に切りかえました。
いちおうそう評価した上で問題を挙げるなら、飲食店を明らかに締め付け過ぎました。ウイルスの性質がまだわからず、ワクチンができるかどうかも不明だった時期はしかたがないとしても、その後まで営業を規制し続けた。午後8時までの時短営業の時期に、お店に行ったら、かえって混んでいて「密」になっていましたね。

『日本の水商売』を書かれた法哲学者の谷口功一さんは、コロナ下で、日本各地のスナックを中心に夜の街を取材しました。その終章で、個人にとって重要な「営業の自由」などの経済的自由が、あまりに軽視されていると問題提起しています。メディアは「表現の自由」には敏感ですが、飲食店の営業権の問題には冷たかった。個人が店を円滑に営業できることだって、基本的な権利として守られるべきなのに、低く見られている。人間の権利とは何かについて、真剣に考えてきたかが問われていると思います・・・

・・・ロックダウンをせず、自粛などの「要請」にとどめたのが日本型のコロナ対策でした。でもそのせいで補償が不十分になりました。行政の側は、とにかく何か「やってる感」を出さなければいけなかったのでしょう。その手段として飲食店と夜の街を槍玉にあげたのは筋が悪かった。
行政では最近、結果がきちんと出ているかを数値で検証して、政策の善し悪しを測ることがはやっています。その発想は大事ですが、数字に表れる効果がすべてではないし、長期的な意義はそうした検証では測れない。限界のある発想であることに気づかないまま、それに依拠していると、「悪い結果を出したくない」という消極的な判断にばかり向かってしまう。その結果、一部の人からの批判を過剰に恐れ、飲食店をはじめとする大多数の人たちが迷惑を被るという、おかしなことになっています・・・

コメントライナー寄稿第13回

2023年8月16日   岡本全勝

時事通信社「コメントライナー」への寄稿、第13回「マイナカード問題と組織管理」が8月10日に配信され、15日のiJAMPにも転載されました。また時事総研のHPにも掲載されて、これは無料で読むことができます。

マイナンバーカード交付を巡る混乱が問題になっています。政府は行政の電子化を進めるために交付を急ぎましたが、他人の情報を登録するなどの多くの間違いが発生しています。この問題を、東日本大震災での被災者支援や、新型コロナウイルス対策と比べてみました。これらは、政策の実施過程として見ると、新しい課題への取り組みであること、政府を挙げて対応するため本部組織が作られたこと、広範な国民を対象とすることなどが共通しています。

問題の原因を、3つ上げました。
1つめは、本部組織での現場感覚の欠如です。新型コロナウイルス対策では、当初自治体に膨大な指示が出て混乱が生じましたが、自治体を知る総務省幹部が地方との連携を担うことになって円滑に進みました。
2つめは、本部組織の社風の問題です。各省庁や民間から集められた混成部隊の職員をどのようにして能力を発揮させるかです。
3つめは、幹部職員の人選です。組織の全体を把握し、首相官邸や大臣と意思疎通する人が必要です。

誰でも保育

2023年8月16日   岡本全勝

8月3日の読売新聞都内地域面に「就労問わず定期保育 0~2歳児都が事業 高まるニーズ 受け入れ施設確保課題」が載っていました。

・・・保護者が就労しているかどうかにかかわらず、0~2歳児を保育施設で定期的に預かる都の事業が7月から始まった。保護者や支援団体からは歓迎の声があがるが、就労中の保護者の子どもを優先させたい自治体側の思惑もあり、受け入れ施設の確保が課題になっている。

「1年ぶりに一人でゆっくりとランチができた」。7月中旬、文京区立の認可外保育施設「春日臨時保育所」に次女(1)を預けた育児休業中の女性(41)は、ほっとした表情を見せた。同施設では7月から、1日6人を限度に預かっており、この日は0~1歳児の保護者5人が利用していた。
都が始めた事業は、時間単位で不定期に子どもを預ける一時保育と異なり、曜日を決めて定期的に預けることができる。他の子や保育士ら多くの人と接することで子どもの発育を促しつつ、保護者の負担軽減を図るのが狙いだ。

子育て支援を行う認定NPO法人「フローレンス」(東京)などが昨年3月、全国の未就学児の保護者2000人にアンケートしたところ、子どもを施設に通わせていない保護者の56・4%が定期的な保育サービスの利用を希望したという。

先着順で利用者を募った春日臨時保育所では、受け付け開始10分で最大30人の枠に対して100人以上の申し込みがあり、最終的に179人に達した。文京区の永尾真一・子ども施設担当課長は「潜在的な需要が想定をはるかに上回っていた」と語る。7月上旬に募集を行った中野区でも、2施設計4人の枠に25人の申し込みがあった。
だが、高まる保護者のニーズに、受け入れ側が追いついているとは言いがたい。
都によると、事業を始めた文京、中野区に加え、9区市が都に年度内の事業実施を内々に伝えてきているほか、16区市が導入を検討している。一方、各区市が事業への参加を都に届け出た施設数は、1自治体につき数か所ずつにとどまる・・・

7月16日には「ワンオペ主婦 負担軽減策 モデル事業 「誰でも保育」希望殺到」も載っていました。

お盆休み

2023年8月15日   岡本全勝

今日は8月15日。お盆休みを取っておられる方、取られた方も多いでしょう。どのように過ごされましたか。コロナ感染防止の行動制限は解けたのですが、猛暑が続き、台風や大雨被害もありました。

私も、11日から今日まで連続した休みを取りました。猛暑で、なかなか外に出かける気になりません。
が、孫の相手という「重要な任務」だと、腰が上がります。一日は、小学生の孫のお供をして、葛西臨海公園にマグロとペンギンを見に行きました。子どもたち(孫の母)と行った記憶があるので、30年ぶりでしょうか。大観覧車にも乗りました。高さが100メートルを超えるのですね。そのほか、セミ捕りにも行って、蚊に刺されてきました。
1歳にならない孫とは、毎週週末と同様に、乳母車を押して散歩と公園へ。一人では、とても散歩に行こうという気にはなりません。

とはいえ、原稿の締め切りもあります。連載「公共を創る」以外にも、いくつか単発ものもあり、サボってばかりいるわけにはいきません。朝早くとか、昼に冷房をかけて、ぼちぼちと。でも、長続きはしませんねえ。お盆休みに仕事をしようとする考えが、間違いです。

冷たいシャワーが気持ちよく。福島の知人に送ってもらった桃と、冷えたビールがおいしいです。
昼は寝るに限るのに、肝冷斎は猛暑をものともせず、野球を見に行っています。熱中症が心配です。休みの方が、疲れるのではないでしょうか。

孤独感、若い世代で強い

2023年8月15日   岡本全勝

8月2日の日経新聞が「孤独感、30代男性・20代女性で多く 23年厚生労働白書」を伝えていました。

・・・厚生労働省は1日、「つながり・支え合い」をテーマにした2023年の厚生労働白書を公表した。孤独感が「常にある」と評価されたのは30代の男性で10.4%、20代の女性で11.2%で、この年代がそれぞれの性別で最も多かった。60代以降に比べ20〜50代が高く、会社など社会と接点が多いはずの現役世代で孤立感が強くなっている。
調査は「人とのつきあいがないと感じることがありますか」など「孤独」という言葉を用いずに尋ね、点数化した。孤独感が「常にある」「時々ある」との評価になった人は男女ともに20〜50代で5割を超えた。60代以上では30〜40%台にとどまった。

単身世帯の割合は20年に38%と4割に迫る。新型コロナウイルスの感染拡大でテレワークやオンライン会議などが普及し、対面で接する機会が減少したことも孤独感を増す一因と言えそうだ。
引きこもり状態にある人では約半数が3年以上、20%以上が7年以上、と長期化が深刻になっている。高齢の親と働いていない50代の子が同居し生活困窮に陥るといった「8050問題」も指摘されている。

8050問題のような複数の課題を抱える家族の場合、「生活保護と介護サービス」のように社会保障のいくつかの施策を横断的に講じなければ解決できない。白書ではこれを「制度の狭間にある課題」と指摘し、他にもヤングケアラーやひとり親などを重点支援の対象に挙げた・・・