投稿者アーカイブ:岡本全勝

2023年スペイン旅行4

2023年9月12日   岡本全勝

2023年スペイン旅行3」の続きです。
スペインと日本の違いです。観光客では深いところはわかりませんが、2つ報告します。
一つは、生活習慣です。昼ご飯は14時くらいから。昼寝があり、夕食は20時からとか。演劇は22時から始まったり。旅行中も案内人が「この時間に食堂が開くのは、観光客向け」と繰り返していました。それでも、朝は日本で言う「普通の時間」に働きに出るのです。夏に1か月休暇を取ります。
昼は暑い、そして人生を楽しむからだそうです。私は最近17時過ぎから夕食を始めて、20時過ぎには寝てしまうので、考えられない時間です。

もう一つは、自然です。車窓には、赤茶けた土地が広がり、そこにオリーブの木とブドウの木が植わっています。下草が生えていません。日本の山のように、緑ではないのです。雨が少ないことの結果なのでしょう。

お土産は、まずはいつものように、絵はがきをたくさん買ってきました。お礼状に使うためです。1枚で1ユーロ。「そうか、120円の時代をもあったよな。今は160円か」
日本政府の「貧窮化政策」の結果で、1ユーロ160円です。日本が貧乏になったことを実感する旅でもありました。知人がニューヨークに出張して「昼にラーメン1杯が5千円だった」と聞くと、スペインはまだ安かったです。

ついでに。行きも帰りも、ドイツ(ミュンヘン、フランクフルト)ー羽田間の飛行機は、日本人が少なかったです。観光地でも、日本人をあまり見かけませんでした。現地の案内人は「中国人の観光客は戻ってきている」と話していましたが、私の行った観光地では1団体ずつくらいしか見かけませんでした。日本人観光客は、圧倒的に女性でした。

小さなリュックサックを、カタルーニャ音楽堂下の土産物店で買ってきました。「This is the safe bag 100% Barcelona」と書いてあります。説明を読むと意匠も作成もバルセロナですが、バルセロナらしいのは、「泥棒対策で2方向で使える」と書いてあります。ファスナーで開け閉めするのですが、その面を外向けにしたり、うち向け(ファスナー面が背中にくっつく)にしたりできるのです。うち向けにすると、後ろから来た泥棒は簡単には盗ることができません。ナイフで切り裂けないように、強い布でできています。
インターネットで調べると、U1 miniの色違いで、いろんな色が合わさっています。おしゃれで、小さくたたむと太く短いペットボトルくらいの筒状になります。散歩の時に、携帯電話や財布を入れる鞄を探していたので、ちょうど良いと思って買いました。日本で売っていたら買わない色使いですが、記念にと。90ユーロです。1ユーロが120円だったら、3600円安かったのに・・・。

学童保育の必要性

2023年9月12日   岡本全勝

このホームページでも、時々指摘しています。学童保育の必要性です。
保護者が働いている子供、特に低学年の児童にとっては、学校が終わった後、親が帰ってくるまでの居場所が必要です。保育園と同じです。新型コロナウイルス感染症拡大初期に、全国の学校を一斉休校したことがありました。学校とともに学童保育がないと、親は働きに行くことができません。

9月5日の朝日新聞に「「#学童落ちた」放課後どうすれば 待機児童1.6万人、受け皿整備追いつかず」が載っていました。
・・・「#学童落ちた」。この春、SNSにそんな投稿が相次ぎました。小学生の子どもを放課後児童クラブ(学童保育)に預けられなかった人の嘆きの声です。共働きの広がりで学童の利用希望者が増えているのに対し、受け皿の整備が追いついていない実態があります。
宮城県内の男性(40)に3月下旬、役所から茶色い封筒が届いた。入っていたのは、小学4年になる長男の学童保育の「落選通知書」だった。
「まさか落ちるとは」
それまで3年間通った学童に、翌月から行くことができなくなった。
男性は短大の教員で、帰宅は午後7時ごろ。妻もフルタイムの保育士で、6時ごろに帰宅して次男と三男を保育園に迎えに行く。男性の母親も同居しているが、平日はパートで働いていて帰宅は6時半ごろが多い。
「なんとか長男の居場所を確保しないと」
塾に週1回通っているほか、男性の母親に2週間に1回、ママ友に月1回見てもらえることになったが、週3~4日は自宅で一人で過ごすことになった。
長男が心配でGPS付きのスマートフォンを持たせたところ、男性の仕事中に「一人で不安」「寂しい」といった電話がくるようになった・・・

8月25日の朝日新聞オピニオン欄には、海津敦子さんの「障害児「中1の壁」 親の就労、社会で支えて」が載っていました。
・・・障害のある子を持つ働く親にとって、放課後、安全に過ごせる場所をどう確保するかは切実な問題です。
「放課後児童クラブ」に在籍する児童の多くは小学3年生までですが、特別な支援や配慮が必要な場合は6年生まで利用することができ、多くの障害児が対象になっています。親にとってこれは、子育てと仕事を両立させるための「命綱」です。
しかし、中学生になると、障害児の居場所はなくなります。「中1の壁」と言われている問題です・・・

2023年スペイン旅行3

2023年9月11日   岡本全勝

2023年スペイン旅行2」の続きです。見たところで、印象に残ったところを書いておきます。
史跡や美術館について。
マドリードのプラド美術館は、立派です。大英博物館、ルーブル美術館と並ぶ3大美術館とのことですが、「他の美術館は略奪品で成り立っているが、プラド美術館は王家が買ったものばかり」とのことです。しかもガラスケースに入っておらず、間近に見ることができます。
グレコ、ベラスケス、ゴヤといったスペインの巨匠だけでなく、ブリューゲル、ルーベンス、ラファエロ、ダビンチなどの名品も見ることができます。

ベラスケスの「オリバーレス公伯爵」も見てきました。このホームページでも何度か登場した、フェリーペ4世のスペインを支えたオリバーレス公伯爵です。2017年アメリカ旅行の際にメトロポリタン美術館で見たものと、2022年の国立新美術館の「メトロポリタン美術館展」で見たものは同じものです。それと同じ構図ですが、よく見ると、プラド美術館の馬が茶色で、メトロポリタン美術館のは白のようです。

建物について。
バルセロナのサグラダ・ファミリアは、圧巻でした。言葉では表しにくいので、見に行ってください(これでは説明になりませんね)。7月に近代美術館での展覧会やNHK特別番組で知識を仕入れていったので、よりわかりました。
2026年には完成すると言われていましたが、案内人の説明によると、歴史を紹介した展示に先頃まで書かれていたその言葉が、いつの間にか消えたそうです。
100年かかっているのですから、急ぐことはありませんよね。しかも、工事が進んだのは、1990年代以降拝観客が増えて収入が増えたこと、2010年に教皇ベネディクト16世が訪れるに際して工事を進めたからだそうです。

バルセロナでは、カタルーニャ音楽堂もよかったです。ガウディのお師匠さんの設計と意匠で、1905年にできています。サグラダ・ファミリアと共通する、くねくねと曲がった意匠(アールヌーボー)が奇抜です。

アルハンブラ宮殿も良かったです。トレド、コルドバ、グラナダなど、中世が残っているような街も良かったです。

関東大震災時の内務省の記録

2023年9月11日   岡本全勝

9月5日の朝日新聞に「関東大震災時の朝鮮人虐殺、神奈川での記録見つかる 被害者名も記載 知事から内務省局長あて報告書」が載っていました。

・・・1923年の関東大震災での朝鮮人虐殺について、神奈川県が事件をまとめたとみられる資料が見つかったと虐殺の歴史を調べる地元団体が4日、明らかにした。県内で起きた朝鮮人への殺傷事件59件の概要のほか、殺害された計145人のうち14人の名前も記載している。
資料は23年11月21日付で、当時の安河内麻吉・神奈川県知事から内務省警保局長にあてた報告書とみられる。「震災に伴う朝鮮人並びに支那人に関する犯罪及び保護状況その他調査の件」と題されている・・・

関東大震災時の虐殺事件自体が大きな問題ですが、ここで取り上げたいのは、そのような資料を当時の県庁が作り内務省に報告していたこと、そしてその記録は多分、内務省警保局を引き継いだ警察庁や公文書館に残っていないであろうことです。
敗戦後に、内務省がたくさんの資料を燃やしたことは報告されています。責任追及を恐れてのことですが、貴重な資料を失ってしまいました。

少子化は個人でなく社会問題

2023年9月10日   岡本全勝

8月20日の読売新聞に、猪熊律子・編集委員の「少子化 個人でなく社会問題」が載っていました。参考になります。原文をお読みください。

今後50年の間に人口が毎年平均80万人近く減少するとの将来予測に、「静かなる有事」といわれる少子化がいよいよ「牙をむき始めた」との指摘がある。危機感を強めた政府は「異次元」の少子化対策として、6月に給付拡充策を公表したものの、国民の間に理解が広がっているとはいえない状況だ。少子化の本質とは何か。改めて考えてみたい。

「日本の参考になるのでは」と関係者の間で注目されている政策がある。スウェーデンの経済学者、グンナー・ミュルダールが1930〜40年代に唱えた「予防的社会政策」「消費の社会化」がそれだ。
どんな政策か。
ミュルダール研究で知られる藤田菜々子・名古屋市立大教授によると、スウェーデンでは30年代に出生率が欧州で最低水準にまで落ち込み、「このままではスウェーデン人が消滅する」との危機感が強まった。
国力増強の観点から人口増を求める保守派は、出生率低下は個人主義的エゴイズムのせいだとして、独身者・無子夫婦への課税や、避妊具の販売禁止などの反・産児制限策を主張。一方、出生率低下は生活水準の向上につながると見る社民党支持者は、産児制限を推奨する「新マルサス主義」を支持。国を二分する論争に、第三の道を示したのがミュルダールだ。

彼は、出生率低下の原因は「個人ではなく社会構造にある」と喝破。従来、子どもには「老親の扶養」「労働力の担い手」などの役割が期待されたが、公的年金制度が導入され、女性の労働市場進出も進む中、子を持つことによる経済的負担が増し、個人の選択としては回避すべきものになったと指摘した。しかし、国が出生を強要するのは民主的国家にそぐわないと、保守派を批判した。

個人から見れば合理的な経済行動ともいえる出産回避の「個人的利益」は、国の存続や経済持続などの「集団的利益」と対立する。しかし、公的年金制度の廃止などは現実的ではない。解消策としてミュルダールが提唱したのが、個人の選択の自由は認めつつ、出産・育児に伴う障害を事前に取り除く「予防的社会政策」だった。出産などを理由とした解雇を禁じる政策や、出産手当、育児休業、保育サービスなどがこれに当たる。
対象はすべての子で、子どもにかかる費用は社会全体で賄うこの政策は「消費の社会化」と呼ばれた。子どもへの支援は「人的投資」として本人の生活を豊かにし、労働生産性の上昇を通じて、経済の成長・発展にもつながる・・・