投稿者アーカイブ:岡本全勝

実物のガラパゴスゾウガメ

2008年5月18日   岡本全勝

今日は、上野の科学博物館へ、「ダーウィン展」を見にいってきました。ガラパゴスゾウガメに会いにです。先日書いた文章に使わせてもらったので、お目にかかるべきだと思って。
もっともこの亀は、上野動物園から出張してきた亀さんです。大きいですね。75歳だそうです。まぶたを動かすほかは、じっとしていました。大物の風格です。向こうは、私のことを「このおっさん、何しに来たんだろう」と見てたんでしょうかね。
イグアナもいましたが、グリーンイグアナでした。ウミ(海)イグアナは写真と剥製でした。陸上での競争に敗れ、海に活路を見いだしたウミイグアナを、私は尊敬しています。人類も猿との競争に負けて、食物豊富で安全な森を追われたのでしょうね。でも、それが今日の繁栄になったのです。保守本流も環境が変わると、生きていけなくなります。その時に生き残るのは、片隅で生きていていた革新派でしょう。もっとも、隅で生きていたものがすべて、次の時代に繁栄するわけではないのですが。
たくさんのちびっ子たちと一緒に、見てきました。私も子供が小さかった頃は、科学博物館に良く行ったのですが、今日は久しぶりでした。記念に、ガラパゴスゾウガメの絵はがきを、買って帰りました。模型もあったのですが、飾るところがないし。後輩にプレゼントすると、しかられますしね。
博物館は実物の大きさが実感できますが、勉強となるとNHKの科学番組、例えば「ダーウィンが来た」には、かないませんね。

前川リポート

2008年5月17日   岡本全勝
17日の朝日新聞・変転経済は、「前川リポート」でした。アメリカとの貿易不均衡は、「貿易摩擦」と呼ばれ、激しい対日批判がおきました。1980年代は、アメリカが経済的に自信をなくし、日本がJapan as No1と浮かれた時代でした。アメリカからの批判に答えるため、日本の経済構造をどう変えるかが議論されました。さらにこの後、日米構造改革協議が行われました。
このリポートは、その後、日本経済がバブル経済に飲み込まれ、目標を達成しなかったと評価されています。詳しくは記事を読んでもらうとして、私はこのリポートは大きな意味があったと思います。
それまで日本は、せっせと輸出してお金を稼ぐ、という発想に囚われていました。もちろんそれが成功して、世界第2位の経済大国になったのです。しかし、そこまで大きくなったときに、国際社会で一人勝ちしては、許されないでしょう。日本は、もはや発展途上国ではなく、トップを走る先進国になったのです。しかし、国民の意識は、まだ切り替わっていなかったのです。このリポートは、輸出志向から内需拡大へと、方向転換を打ち出しました。
「日本人は貧しさの中で生き方は知っているが、豊かさの中での生き方は知らないのじゃないか」。これは、大平首相の言葉です。「新地方自治入門」p181で、紹介しました。
1986年のことですから、もう22年もたつのですね。私は、鹿児島県で課長をしていました。プラザ合意(1985年)による円高不況に、苦労していました。今の大学生には、わからないことですね。

その6 企画への民の参入

2008年5月17日   岡本全勝
行政サービスについて、官と民との垣根が低くなったことを述べました。さらに、実施部門だけでなく、企画についても垣根は低くなっています。企画部門も、官が独占しません。民間のアイデアが良ければ、それを採用すればよいのです。
これまでは、官僚が事実上、政策立案を独占していました。もちろん、審議会などで、民間の知見も吸い上げました。研究者、マスコミ、議員、圧力団体からも、アイデアは提供されました。しかしその場合でも、官僚が取捨選択しました。アイデアを法律や予算にする作業を官僚が担っているので、官僚に都合の悪いアイデアは、法律や予算にならないのです。また、各省協議があるので、一つでも反対する省があると、成案にならないのです。
これからは、官僚による政策の独占が、崩れると思います。その例が、経済財政諮問会議です。民間のアイデアが官僚の頭越しに議論され、実行に移されています。すなわち、民間議員ペーパーが、各省協議なしに提出されます。そして、総理の前で議論されます。もちろん、法案にするためには閣議決定が必要ですが、総理がいったん決めたことを、各大臣が反対することは困難です。

小レポートの採点

2008年5月17日   岡本全勝
毎晩こつこつと、学生さんのレポートを読んでいます。新聞を読んでもらうために、出した課題です。各人は2~3枚の小レポートなのですが、85人にもなると、読むのも大変です。(5月15日)
ようやく、85人分の小レポートを読み終えました。レポートの内容から始まって、文体、誤字脱字など、指導したいことがたくさんあります。岡本講師の要求水準は高いのです。学生さんたちが、社会に出た時に困らないように。私が悩んで身につけたことは、同じ苦労をさせず、教えたいのです。講評は、明日の授業で行います。(5月16日)
今日は、先週提出してもらった、小レポートの講評から始めました。
まずは、体裁の注意。新聞切り抜きを台紙に貼っていなかったり、大きな記事を織り込んだりしているのがあります。それでは、後の管理が困ります。日付と新聞社名の明記のないものも。また、右上を綴じるのは、ルール違反です。ワープロを使っているからでしょうか、改行がなく長く続けて書いてあるレポートが、いくつもありました。
内容については、みんな様々な記事を選んで、それぞれに自分の考えを書いていたので、これは期待以上でした。誤字脱字は、相変わらずですね。遮断法人(社団法人)、国交賞(国交省)、核負傷(各府省)など。提出する前に、読み返しましょう。

その5 官の独占の終わり

2008年5月15日   岡本全勝
ガバナンスや地域の経営まで視野を広げると、政府(行政組織)は、公共サービス提供の一主体でしかありません。その他にも、公的サービスを提供している、提供できる組織や人はたくさんいます。NPO、ボランティアに限りません。生命を扱う病院や、教育を担う学校なども、私立は多いのです。官が公共サービスを独占しません。
すると、住民が公共目的を達成するために、どのような手法をとることが効果的かまで広げて議論するようになります。ある政策を実行する場合に、企業で担えるか、NPOでできるか、それとも官が担うかを、選択するのです。こうなると、「行政学」という表現は狭く、「公共工学」と言った方が適切かも知れません。
ここには、近代ドイツ国家学からアメリカ社会学への、国家観の転換があります。ドイツ国家学では、社会は弱肉強食なので、中立公正な国家が秩序をつくります。民(社会)と官(国家)は、峻別されます。一方、アメリカ社会学では、人が集まって会社を作り、人が集まって自治体を作ります。そして政府もつくります。行政機構も会社と同じく、住民の目的のためにつくったものです。官と民との間には、垣根はありません(このことは、「不思議な公務員の世界-ガラパゴスゾウガメは生き残れるか」に書きました)。