今日は、慶応大学授業の2回目。100人あまりの学生が、聞いてくれました。授業の内容も、本格的な部分に入り、だんだん調子が出てきました。学生の目を見ていると、「ここは興味を持って聞いているな」ということが、良くわかります。大事な話なのに反応が今一つの場合は、例を入れ替えたりして、もう一度話すようにしています。
学生とも、歯車がかみ合ってきました。笑ってほしいところで、笑ってもらえましたから。もっとも、40歳前後の自治大の研修生を相手にしゃべるのと、20歳の学生さんを相手にしゃべるのでは、勝手が違います。小話をしながらも、「これは20歳の人には受けないなあ・・」と、反省したり。
私にとって人前でしゃべることは、毎回、これまでに得た知識と経験を総動員し、全身全霊を尽くして行う、真剣勝負です。観客の反応を探りつつです。「あれもお話ししたい」「これも教えておきたい」ということが、次々と頭に浮かびます。必要なことはレジュメに書いておきますが、それは市販されている教科書を読んでもらえばよいことです。書かれていないこと、授業ではそれも重要なのです。
今の学生さんは、まじめです。ほとんどの人が居眠りもせず、聞いてくれます。
残念ながら、来週(10月13日)は、本務が外せず、休講にします。今日配った資料は、20日に使うので、持ってきてください。
投稿者アーカイブ:岡本全勝
止まらない公共事業
15日の朝日新聞社説は、「何のための半世紀だった」として、徳山ダム建設について次のように指摘しています。
・・多目的ダムというのに、発電の施設もなければ、水道水や工業用水を取り込む設備もないままだ。「洪水対策に役立つ」というが、それだけならもっと小さなダムでよかった。
なぜ、こんなことになったのか。時代が移り、電力や水の需要が予想ほどには増えなくなったのに、引き返すことなく、過去の計画をそのまま進めたからだ。費用と効果のバランスを考えず、役所の都合ばかりを優先した日本型公共事業の典型といえる。
発電、利水、洪水対策、さらには渇水対策。そんなふうに看板を次々にかけ替えて公共事業を守るのは、もうやめてもらいたい。そして、こんなお役所仕事が半世紀もの間、なぜ許されてきたのか。そのことも突きつめて考えたい。
アメリカ、政策の成果と世論
10月3日の朝日新聞国際面「2010アメリカ中間選挙」、立野純二記者の「縮志向の米国」から。
・・「私たちは昨年来、数々の目標を達成した。なのに、なぜ、未完の課題ばかりをあげつらう? なぜ、成功したことに目を向けないのか」。オバマ氏は8月初め、ホワイトハウスに与党上院議員を招いた昼食会で、珍しく語気を強めて敗色ムードを戒めた。
そのいらだちの矛先は、11月の中間選挙を前に議員らが神経を注ぐ世論の動向にも向けられている。歴代大統領ができなかった国民皆保険、未曾有の経済危機を起こしたウォール街への規制強化、8千億ドル(約66兆9千億円)に及ぶ景気刺激予算枠の導入など、政権が任期前半で積み上げた実績は確かに異例の規模だ。
問題は、グローバル化した経済は、米大統領にも制御が利かないことだ・・
将来的に?
朝日新聞10月3日夕刊1面トップ記事(東京版)は、大阪地検の証拠改ざん事件でした。その中に、次のような記述がありました。
・・この際、大坪前部長と佐賀前副部長から、将来的に改ざん疑惑が発覚した時の口裏合わせの資料として、意図的な改ざんを過失とすり替えた内容の上申書の作成を指示された・・
うーん、朝日新聞も、「将来的に」という言い回しを使いますか。「将来、」または「将来に」では、ダメなのでしょうかね。
潜在成長率
10月4日の日経新聞経済面で、松尾洋平記者が「潜在成長率、本当は何%?」を書いていました。潜在成長率って、一般の方には耳慣れない言葉だと思います。ごく簡単に言うと、「経済の成長実力」です。「景気循環の影響を除いた経済成長率のことで、中長期的に経済がどのくらい伸びていくかを示す」と解説されています。
GDP(国内総生産)の成長率は実際の経済成長=需要側の数値であるのに対し、潜在成長率は供給側の数値です。その差が需給ギャップです。最近の日本経済は、供給が需要を上回っていて、デフレ状態にあります。生産の実力を、使い切っていないのです。
このような状態では、供給側の能力が向上しても景気はよくなりませんが、中長期的には成長力の指標である潜在成長率が高い方が望ましいです。
ただし、この記事が解説しているように、その数値の算出は簡単ではありません。潜在成長率は、企業の設備、労働力、全要素生産性の3つから計算します。このうち、全要素生産性が難しいのです。これは、技術力やノウハウ、教育水準などの生産性なので、積み上げでは出てこないのです。詳しくは、記事をお読み下さい。