岡本全勝 のすべての投稿

経済対策

記者さんとの会話
記:株価が、大きく下がっていますね。
全:日本だけじゃなく、アメリカ発の全世界同時、という感じだね。
記:政府は、手を打たないのですか。
全:僕は担当でもないし、専門家でもないから、責任あることはいえないけど。まず、まだ景気は悪いわけではない。もちろん、株価が下がるのは、景気の先行きが悪くなるだろうという見通しだからだろうけど。
記:なぜ、こんなに下がるのでしょうね。
全:僕が聞きたいよ。日本は、個人金融資産は1,500兆円もある。優秀な企業、質の高い労働力もそろっている。それに、安全な社会。どこをとっても、悪くないんだけどね。円はドルに対して、値上がりしてるし。
記:そうなんですよ。だから、今は株の買い時だと思っているのです。なぜ、その1,500兆円をみんな使わないのかなあ。株式市場から引き上げたお金は、どこに行っているんでしょうね。
全:一部は石油とか、その他は預金かね。それでは景気はよくならない。お金は使ってこそ、リターンがあり、景気が良くなる。
記:そうなんですよ、そのお金を使うように、し向ける必要があるのです。それにしても、政府の対策はないのでしょうか。
全:考えられるのは、まず、金利の引き下げ。ただし、現在が超低金利なので、ほとんど下げる余地がない。次は、減税と公共事業の追加。これまた、現在が大幅な財政赤字なので、やるとさらに財政が悪化する。それと、1990年代にこの政策をやったけど、はかばかしくなかったので、小泉内閣でやめた手法や。逆に、財政健全化をすることが、経済をよくする長期的手法と考えられている。ここでぶれると、逆戻りになる。
記:財政を健全しておかないと、また金利を平常状態に戻しておかないと、いざというときに政策を発動できないのですね。
全:おっと、まだまだ景気が悪いから財政再建を急ぐなとか、金利引き上げを急ぐなと主張していたのは、誰だったかなあ。

個人番号

21日の産経新聞正論は、加藤秀俊先生の「国民ひとり「一生一番号」に。国の情報管理の稚拙さがはがゆい」でした。
アメリカの社会保険番号が、自動車免許番号や医療保険証番号、銀行口座などの本人確認に利用されていることを紹介した後、次のように書いておられます。
・・だが、こんなふうにひとつの番号で個人を識別するというきわめて明快な制度にたいして、日本の世論はけっして好意的ではない。いや否定的である。これまでなんべんも、政府はこうした方法の導入を提案してきたが、国家が個人に番号をつけるのは「国民総背番号制」だといってみんなが反対する。なによりもマスコミが反対する。「個人情報」や「プライバシー」を国家が管理するのは怪しからぬというわけ。
その結果、われら日本人はそれぞれに年金、健康保険、運転免許証などいくつもの番号をバラバラに持たなければならなくなっている。まことにめんどうである。
さらに数字のケタ数もわけがわからない。アメリカの9ケタは理論上、10億人まで管理することができる。さしあたりアメリカ人や在留者すべてに番号をつけるのには9ケタあればじゅうぶんだ。それなのにわたしの日本の国民年金番号は10ケタである。これは100億人までを想定している。もっと滑稽なのは免許証の12ケタである。これだと1兆人まで管理できるが、どうしてそんなケタ数が必要なのであろうか。こういう珍妙な番号をたくさん持っていてまちがわないほうがオカシイ・・

ご近所の大ニュース

昨晩、キョーコさんの友人から電話があって、「フジテレビで、近所のケーキ屋さんが出てるわよ」。「メチャメチャいけてる」とかいう番組で、芸人さんがケーキを作って売るというものでした。確かに、ご近所のケーキ屋さんが映っていました。
キョーコさん曰く「暮れに通ったら、『取材のため閉店します』という張り紙があったのは、これだったんだ」とのこと。新作を考案して、商店街から駅前まで売りに行ったら、よく売れたという番組でした
「明日は、開店から人が並ぶだろうなあ」と、家族で話していました。午前中はすっかり忘れていて、午後にお店の前を通ったら、長蛇の列。数軒隣に交番がありますが、お巡りさんも、前をふさがれて苦笑しておられました。

財政投融資改革

19日の朝日新聞変転経済は、財政投融資改革の経緯をたどるものでした。1997年の省庁改革最終報告で、郵政事業改革は当初案から後退し、民営化せず公社になることが決まりました。しかしその際、郵便貯金の政府への預託制度が廃止されました。これが、財政投融資・政策金融改革の第一歩になりました。また、郵政民営化につながりました。

民間企業の官僚制

17日の日経新聞夕刊「サラリーマン生態学」江波戸哲夫さんの「官僚主義」から。
・・名経営者たちの「自著」を集中的に読んでいたが、彼らの大半は社内にはびこる官僚主義にぶち当たっている。リー・アイアコッカは、クライスラーの社長になってすぐ経理部スタッフに訊ねたが、どうしても個々の業務の責任者を知ることができず「誰も責任を取るものがいない」と唖然としたという。
武田薬品の武田国男が課長になったとき、過去の事業の失敗の原因を調べようとしたら、スタッフは皆「当時の担当者は誰もいません」と知らぬ顔を決め込んだ。信越化学工業の社長となった金川千尋は、人事部門の官僚主義を叩き直すため、ルーズな前例に従い600人もの新規採用を提言してきたのを、ほとんどゼロにした・・・。
官僚主義についてユニクロの柳井正が簡潔な分析をしている。「会社組織は、その会社の事業目的を遂行するためにある。一旦、組織ができあがってしまうと、今度はその組織を維持するために仕事をしているようにみえる」・・