投稿者アーカイブ:岡本全勝

企業での個人情報管理

2013年6月28日   岡本全勝

日経新聞「私の履歴書」6月は、人材派遣会社の先駆け、テンプスタッフ創業者の篠原欣子さんです。大変な苦労をされたお話も、勉強になりましたが、今日紹介するのは、6月27日の情報管理についてです。テンプスタッフでは、登録スタッフの名簿が流出する事件がありました。それ以来、情報管理を徹底しています。
・・例えば「そちらに登録しているスタッフの兄です。母が危篤なのですが、妹は10年前に家出したままです。連絡先を教えてもらえませんか?」という電話がかかってきたとする。以前は、疑うこともなく教えていただろう。
いまは登録そのものが個人情報のため「そのようなスタッフがおりましたら、スタッフから連絡させます」と答えている。もしも電話の主がストーカーや悪意を持った人物だったら、連絡先を教えた「無意識で善意の人(社員)」が「加害者」になってしまう。善意の加害者を生まない責任がある。
テンプスタッフの本社・支店には3000台のパソコンがあるが、社員用は全てデスクトップ型。特別の許可がなければ記憶媒体をつなげないから、一切のデータが外部に持ち出せない。
出先でスタッフや顧客企業の担当者と話をするときも、当社の社員はノートパソコンやタブレット端末を使わない・・
ファックスする場合も、短縮番号が入っていない場合は、2人で番号を読み上げながら送信する・・

新しい時代の投資とは

2013年6月27日   岡本全勝

昨日に続き、日経新聞経済教室「成長戦略の評価」。6月20日の宮川努・学習院大学教授の「包括的な投資戦略支援を」から。
・・多くの人は「投資」という言葉から、建物や機械といった有形資産を想像するだろう。しかしIT(情報技術)革命以降、こうした有形資産の投資だけでは、生産性の上昇、ひいては経済成長が達成できないという見方がほぼ定着している。
例えば先ごろ経済協力開発機構が公表した「新しい成長の源泉」というプロジェクトの報告書では、有形資産以上に、ソフトウェア、研究開発、マーケッティング、人材育成などを包括した「知識ベース資産」の方が、有形資産よりも生産性向上への貢献度が大きいことを紹介している・・
詳しくは、原文をお読みください。

職員の不適切発言、お詫び

2013年6月26日   岡本全勝

新聞やテレビで報道されているとおり、今日(6月21日)、職員の不適切発言についての対処を発表しました。
処分については、本人は、停職30日。監督責任として、事務次官と私が戒告です。大臣は、組織のトップとして給与の1月分を返納します。あわせて、再発防止のために、ソーシャルメディアや講演などでの発信についてのガイドラインを定めました(情報発信に関する規定)。
改めて、不快な思いをされた方々にお詫びをするとともに、傷ついた信頼を取り戻すべく、復興にがんばります。(2013年6月21日)
発表資料などをまとめて、復興庁のホームページに載せました。

規制改革を妨げるもの

2013年6月26日   岡本全勝

日経新聞6月19日の経済教室、八田達夫先生の「特区で岩盤規制打破を」から。
・・成長戦略には、①特定の産業を政府が選んで成長のために補助金をつける方策と②経済全体の新陳代謝を良くするための規制改革とがある。安倍首相がこのうち規制改革を成長戦略の理念として選択した意義は極めて大きい・・
成長は必ず衰退を伴う。同じ産業の中でも新しい工夫をした事業者が入ってくれば、既存の事業者は出て行かなければならない。新しい産業が生み出されれば、古い産業は衰退しなければならない・・
しかし経済成長がある程度進んだ段階では、既得権を持つ成熟産業は新産業の成長を止めようとする。そのために既得権集団は、様々な口実をつくり、政治家を使って、参入規制を法制化する。参入規制は、新陳代謝を阻害し、成長を止める最大の要因である。だからこそ、参入規制の撤廃が成長戦略の一丁目一番地なのである・・
(この後、先生は例として、農業、医療、美容師を挙げておられます)
・・これらの参入規制は「岩盤」と呼ばれている。岩盤はマグマのように強い力を持った制度が生み出している。
その第一は、国家公務員制度である。エリート官僚は定年よりはるか以前に退職しなければならない。このため、官僚達は自分だけでなく先輩や後輩の退職後の就職先のことを考えながら行政を行わざるを得ない。必然的に、産業や企業の既得権を維持する規制強化の手助けをする。定年まで退職せずに働けるような国家公務員制度改革を行えば、省益を守る動機は大幅に低下するであろう。公務員をいじめるのではなく、公務員が省益を考えなくても済む制度を設計する必要がある。
第二は、労働の流動性を極端に下げている日本の雇用法制である。年功序列と終身雇用の組み合わせという戦後日本に独特の雇用制度の下では、若い人は自身の生産性よりも低い賃金をもらい、年配者は自身の生産性よりもはるかに高い賃金をもらう。若い人には、賃金が生産性を超える年齢に達するまで企業を去るインセンティブがない。一方で年配者をその賃金水準で雇おうとする他社はない。このため日本では労働の流動性が低く、自社にしがみつく。そのような従業員を抱えた日本企業には、競争的な新企業が参入することを防ごうとする強い動機が発生する・・